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英語で国会や議会をいうときには、それぞれの国毎で決まったいい方があります。
アメリカ議会は、「Congress」。
イギリス議会は、「Parliament」。
日本の国会は、「Diet」。
たぶんこの3つくらいだと思います。
例えば、スウェーデンやデンマークのは、日本と同じ「Diet」。
これは、元首が国王だからでしょうか?では、なぜイギリスは。。。?

この3つの違いはどこにあるのか、正確な定義や、語源、由来、なぜその国ではその単語が当てはめられたのか、等、少しでもおわかりの方は、何かご教授願います。

A 回答 (2件)

 "Parliament"の語源はフランスにおける国王の諮問会議(Parlement)で、ノルマン・コンクエストによりイギリスに伝わりました。

この国王の個人的な諮問会議が、シモン・ド・モンフォールの議会・模範議会などを経て徐々に発展し、永続的な立法専門の機関として確立しました。イギリス人は、自国の議会を"Parliament"と呼びますので、特段の事情がなければ他国の国会を"Parliament"と呼びます。日本の国会も場合によっては"Japanese Parliament"と呼ばれることがあります。
 アメリカ議会が"Congress"を正式名称とするのは、そもそもの起こりがアメリカ大陸の植民地13州がイギリス本国に対抗するために結集した「大陸会議(Continetal Congress)」にあるからです。イギリス人の感覚でいう国民議会(Parliament)ではないのです。イギリス人がこれを"American Parliament"と呼ばないのは、日本人が「全国人民代表会議」を普通は「中国国会」と呼ばないのと同じことでしょう。
 日本の国会が"Diet"を公式名称とするのは、ドイツ帝国の帝国議会(Rechitstag)の英語における"German Diet"に倣ったためです。そして、ドイツ帝国議会(Rechitstag)は神聖ローマ帝国の帝国議会(Rechitstag)の呼称を踏襲しています。この"Rechitstag"とは帝国(Rechits)議会(tag)であり、"tag"とは中世ラテン語の"dita"に相当し、その英語形が"diet"です。イギリス人がこれを"German Parliament"と呼ばなかったのは、神聖ローマ帝国議会の成立は16世紀であり未だ"Parliament"は確立していなかったためでしょう。ラテン語に戻るあたり中世っぽさが出てますしね。
 
その他の国の場合、殆どは公式名称としても通称としても"Parliament"を使います。それ以外の英語名としては、中南米の一部・中国などの"Congress"、トルコ・タイなどの"Assembly"、あとアンドラの"Council"、ルクセンブルグの"Chamber"などでしょうか。
 東欧・北欧の国を"Diet"とする辞書もありますが、公式名称としても通称としても"Parliament"が使うようです。もはや歴史的な名称なのかもしれません。どうも、堂々と"Diet"を名乗るのは日本と・リヒテンシュタインくらいのようです。
 一般的でない名称を名乗るのは、それでも分かってもらえる大国か、分かってもらえなくても困らない小国ということなのでしょうか。
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この回答へのお礼

詳しい解説をいただき、ありがとうございます。むしろ、"Congress"や"Diet"が特殊な呼び方なんですね。

お礼日時:2001/11/05 23:31

 


  語源的には、Congress は、ラテン語の congressus が語源で、「会合」という意味です。Parliament は、フランス語の動詞に parler(話す)というものがありますが、この言葉の名詞形の parlement(話・演説)が語源で、イギリスで使われている言葉は、イギリス・ラテン語の Parliamentum(15世紀)から来ています(この言葉の語源が、1300年頃の古フランス語の parlement だということです)。Diet は、ラテン語の dies(日・昼)が語源で、ここから中世ラテン語の dieta, diaeta に展開し、これは「日の仕事」の意味で、ここから「公的集会」の意味となり、議会になったもののようです。
 
  三つの正確な違いというのはよく分かりません。各国で、国会・議会を英語で区別して呼ぶのは、ケースごとの歴史的経緯で決まったのではないでしょうか。
 
  「民会」というのは古くからあり、古代ローマにも、古代ゲルマンにもありました。しかし、近代国家議会の意味の言葉ですから、近代議会が設定される時の経緯が関係しているのだと想定します。例えば、Diet は、デンマーク・スウェーデン・プロイセン・パラグアイ・日本などの国会のことだとなっていますが、パラグアイは中南米の国です。アメリカ及び中南米の国の議会は、Congress と呼ぶようですから、パラグアイは例外ということになります。また、プロセインという国家はもはやありませんから、歴史的呼称ということになるでしょう。
 
  以下は推定ですが、最初に近代議会を持った国は、イギリスではないでしょうか。そこで、イギリスでは、これを Parliamentum と呼び、Parliament となったのでしょう。イギリスで、近代国家議会が問題となってくるのは、17世紀半ばのピューリタン革命の頃からです。それ以前の16世紀にも、貴族会議のような形の議会はあったでしょうが、近代議会ではありません。身分制限があっても、国民投票によって議員を決めるという形の近代国家議会は、ピューリタン革命を通じて、議会の発言力が大きくなり、国王権力を掣肘するようになって初めて成立したのだと思えます。
 
  アメリカは、18世紀の末に独立戦争を行い、イギリスより独立し、憲法を制定しました(1787年)。フランスにおいて、この頃、革命が勃発し、三民会から、1789年には、フランス憲法制定議会が発足しています。アメリカの憲法制定の前提に、当然議会があった訳で、アメリカの議会は、イギリスと同様二院制ですが、上院は、アメリカには貴族階級が存在しないので、おのずから、イギリスの上院とは別のものになります。アメリカの上院は、古代ローマの元老院をモデルにしています(上院議員を senator・セネターと呼びますが、これはローマの senator・セナトル、つまり元老院議員から来ています。下院がローマの民会に当たることになります。下院は、House of Representatives で、代表者院という感じです。イギリスでは、House of Lords と House of Commons で、文字通り、貴族院と庶民院です。イギリスの議会は、フランスの三民会がそうであったような、身分制二院制の感じが強いです)。イギリスとは議会の意味が違っているので、アメリカでは、イギリス議会の Parliament ではなく、元々、独立十三州(十二州でしたか?)の代表者が集会を開いて合議したのが議会の起源ですから、イギリス議会と区別するため、Congress と名付けたのではないかと想定します。中南米諸国の議会が、Congress なのは、アメリカの強い政治的影響で、国会が構成されたことに起因するのではないでしょうか。
 
  Diet の方は、プロイセン憲法が何時公布制定されたのかがいま分かりませんが、アメリカの憲法制定に少し遅れてではないかと思います。プロイセン憲法は、アメリカ憲法と異なり、立憲君主国家の憲法です。イギリスも立憲君主国ですが、イギリスの憲法に当たるのは、Common Law を軸に歴史的に構成され確立して行った慣習法で、制定憲法の形を取っていなかったと思います。従って、成文憲法で、明確に立憲君主制を謳った憲法は、プロイセン憲法にその典型例があるとも言えます。日本の明治憲法は、ドイツの領邦国家の立憲君主憲法、プロセイン憲法をモデルに作られましたから、議会の呼び方が、ドイツと同じだという可能性があります。ドイツでは、議会として、Parlament という言葉がありますが、他に、「日」を意味する Tag にも議会の意味があり、地方議会などは、Tag と呼ぶようです。
 
  パラグアイは分かりませんが、Diet の例である、デンマーク・スウェーデン・プロイセン・日本は、立憲君主国家のはずです(日本はいまでも、立憲君主国とも言えるでしょう。「象徴」かも知れませんが、His Majesty the Emperor がいる国は、君主がいると考えないとおかしいです)。また、デンマークやスウェーデンは、プロイセン憲法をモデルにした可能性があります。イギリスは、立憲君主国としては非常に特殊な形なので、モデルにしにくい可能性があります。
 
  こうして見ると、本当にそうなのか分かりませんが、立憲君主国または、かつてそうであった国の議会が、Diet で、共和国の形を持つ国の議会が、Congress ではないかということが言えそうにも思います。アメリカ型の憲法や政治制度を持つ国の議会が Congress なのかも知れませんが。
 
  以上、最初の語源を除きますと、わたしの推定・想定です。
  
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この回答へのお礼

詳しい解説ありがとうございます。語源は大変よくわかりました。国毎の名称は、やはり、それぞれの国の歴史的経緯で決まっていくものなのでしょうか。3つの違いは、なんとなく漠然とはわかる気がするのですが、厳密なところはやはり難しいのですかね。

お礼日時:2001/11/04 14:45

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