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PETの熱分解の際、Ca(OH)2を添加して一緒に熱分解を行うと
PETのみを熱分解するよりもベンゼンが多く得られると聞きました。
なぜこのような結果になるのか教えてください。
さらにNiOを添加した場合に起きるガス化について詳しくしっている方がいたしたら教えてください。
お願いします。

A 回答 (2件)

No.1です。



> トルエン→安息香酸という反応

この反応は酸化で、PETの分解には関係がありません。
(通常のPETの熱分解では、トルエンは発生しないと思いますので)

ポリエチレンテレフタレートを熱分解した場合、切れるのは、
 ・エステルのC-O結合
  (Cはジエチレングリコール側)
 ・ベンゼン環とカルボキシル基の間のC-C結合
が考えられます。

ただ、C-C結合の開裂は起こりにくく、PETだけで熱分解した場合は、C-O結合が切れた段階で止まってしまうことが多いと思います。
(それでも、一部ではその結合の開裂が起きる結果、ベンゼンが少量発生)
そのため、脱炭酸(C-C結合の開裂)が起こりやすくする目的で水酸化カルシウムを添加しているのだと思います。
(カルシウムが結合することでカルボキシル基の電子密度が下がり、C-C結合が切れやすくなる、と)

なお、前回回答し忘れましたが、NiOを添加した場合は、カルボキシル基のC=Oの酸素が一時的にNiに結合することでC-O結合の開裂を起こりやすくし(触媒)、エチレンを生成しやすくしているのだと思います。
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この回答へのお礼

とても丁寧に回答していただきありがとうございます。
大変助かりました。

お礼日時:2005/10/16 14:29

PET(ポリエチレンテレフタレート)を構成するテレフタル酸は、ベンゼン環に二つのカルボキシル基が結合した形になっています。

(位置的にはp-位(1,4-位))

これを水酸化カルシウムと混合して加熱すると、テレフタル酸の脱炭酸を起こしやすくなるため、ベンゼンの比率が上がります。

HO2C-C6H4-CO2H + 2Ca(OH)2 → C6H6 + 2CaCO3 + 2H20

※常にこの反応だけが起こるわけではありません※

この回答への補足

回答ありがとうございます。勉強になりました。
PETのみの熱分解でもベンゼンや安息香酸が生成しますが、これはどういう反応なのですか?よく高校化学の巻末に芳香族化合物の相互関係の図がついていますが、トルエン→安息香酸という反応が載っています。安息香酸が生成するほかの反応はあるのですか?

補足日時:2005/10/15 22:04
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