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学問の名前にSがつく場合(linguistics logics ethics など)は、なぜSがついているのでしょうか。体系化された知識の総称だからSがつくのでしょうか。
そう考えれば、mathematics にSがついて、arithmetic につかないのが分かる気がするのですが、ご存知でしたらお教えください。

A 回答 (1件)

 


  まず、-ics とは、元々何であったのかということの認識が必要でしょう。
  これは、或る程度想定はしていたのですが、今回調べると、かなり分かりました。元々は、ギリシア語の接尾辞で、「に属する」とか「に関連する」という意味の -ikee, -ikaa(-ika) から来ているのです。発音すると、-イケー、-イカー(-イカ)です。ラテン語では、これらの三種類は(或いは二種類は)、-ica 一語になるようです。論理学を例にあげると、言葉・理というのは、ギリシア語で logos と言います。このなかで語幹は、log- の部分です。これに接尾辞が付くと、logikee または logikaa となります。ラテン語では、これは、logica(ロギカ)となる訳です。
 
  アリストテレスの「詩学」と呼ばれる本の題名は、ギリシア語では、Poieetikee(ポイエーティケー)と言います。これは、「詩」あるいは「制作されたもの」を意味する語幹 poieet に -ikee を付けて造られていますが、ラテン語だと、Poetica となります。意味は、「詩に関連すること」で、これが「詩学」の意味になったのです。元のギリシア語では、-ikee と -ikaa があったのですが、ラテン語では、-ica だけとなり、中世英語で、最後の母音が取れます。つまり、-ic になります。16世紀ぐらいまでは、-ic の形で、或る分野に属する論文、更に、それらが主題として扱う範囲、テーマつまり、学問の分野名でした。しかし、何故かという理由は分かりませんが、英語では、arithmetic, logic, magic, music, rhetoric を除き、学問分野の名称として、複数の -s を付け加えるようになりました。「算術・論理学・魔術・音楽・修辞学」が何故例外なのか、よく分からないのですが、魔術を除くと、これらの学問は、中世の基本教養学科だったような気がします(いま確認できないのですが、中世の学問において、基本教養学科というものがあり、これは必修だったのですが、それが、魔術を除いて、上の四学を含んでいたように思います。いま不確実ですが)。
 
  以上の五つの学問分野は例外と言っても、これは決まっているのです。それ以外に、フランス語やドイツ語に準じるというか、不規則に、-s を付けないケースがあるとされます。しかし、ラテン語 -ica から派生した言葉、またそれに準じて、ギリシア語・ラテン語などから造語された学問名は、-ics の形に終わるということです。(現代において造語された学問名としては、ノーバート・ウィーナーが提唱し、自分で学問名まで命名した、cybernetics がもっとも有名でしょう。こんな言葉は19世紀にはなかったのですが、ウィーナーが自分で造語し、-ics を付けた学問名にしたのです)。
 
  従って、特に「体系性」があるのでsを付けるとか付けないと言う事情ではないようです。
 
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