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国立国会図書館と自治体が運営する公共図書館について質問です。
前者は立法府、後者は行政府に属しますよね。
どうしてこのような違いがあるのか教えてください。

国会図書館のサイトを見ると国会法により「議員の調査研究に資するため」に設立されたとありますが、国民向けのサービスの比率も増しているでしょうから、行政府に属してもいいような気もします。
一方、国会図書館が「(国会)議員のため」なら、公共図書館が「(地方)議員のため」でいいような気もします。
どちらかと言えば両方とも行政府に属すのでいいんじゃないかと思います。相互貸借等、図書館館の垣根がシームレスになってきている昨今、立法府と行政府に分かれているのは何故でしょうか?

A 回答 (5件)

 こんばんは。



 現在の国立国会図書館は、2つの淵源があります。

 一つは、「国会図書館」。立法府である国会の議員が、法案の起草などを行なう際、参考とする書籍をあつめた図書館です。

 もう一つは、「国立図書館」。明治の帝室図書館(宮内省)のち帝国図書館(文部省)。国が直轄する図書館。こちらは一般向けの図書館です。

 戦後、両者の機能を併せ、成立したのが、現在の「国立国会図書館」です。

 で、「国会図書館」の機能と「国立図書館」の機能、どちらを法的に優先させるかといえば、やはり立法府である国会の資料室である「国会」の方でした。

 だから、いまでも「立法府」に置かれているんです。

 しかし、「国立図書館」としての機能も持っている。だから、一般の人も利用できるのです。

 では、なぜ、「国会」は「国会」で、「国立」は「国立」で作らなかったのか、ですが、これは、私にも謎です。

 推測ですが。
 「国会」の方は、設立が遅かった。確か昭和の、それもだいぶ経ってからだったと記憶しています。「議会図書館」という名称でした。
 蔵書数では、圧倒的に、旧「帝国図書館」が勝っていた。

 戦後、国会の図書館としての「国会図書館」と、国が直轄する「国立図書館」、双方の整備が急務になった時、戦前の「議会図書館」では、蔵書数も少なく、充分に機能を果たせないとみられたため、旧「帝国図書館」と合併して、両方の機能を併せ持つようにしたのではないかと思います。

 だから、国立国会図書館は、「国立」の「国会図書館」ではなく、「国立」でもあり「国会」でもある、「図書館」なんです。

 ホントなら、国会図書館→立法府、国立図書館→文部科学省、だったわけです。

 ちょっと、ねじれてるのは、こういう成立の事情があるからです。

 ご参考になれば。

この回答への補足

「国会」と「国立」がくっついて「国立国会」になり、立法府の管轄にしたというのは、納得させられました。そこで一つ、回答者様のお考えをお聞きしたいと思います。

地方自治体の方は議会の図書室と公共図書館に分かれていて統一されてませんよね。こちらはどうしてくっつかなかったのか、また、将来はどうなると思われますか?

設置者が一つになれば人事交流も活発になると思います。議会の図書室と公共図書館が一つになれば職員の異動も容易ですし、議員をサポートする司書の数も増えるし、住民への図書館サービスも向上するんではないかと思います。よって私には設置者を分けている理由が分からないし、将来は統一したらいいのではないかと思えますが、いかがお考えでしょうか。

補足日時:2005/11/08 22:32
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
No.2の方の補足欄を書いた直後に回答を読ませていただきまして、補足質問と回答してくださった内容がかぶってしまいました。

回答者様の文章を読んで大きく大きくうなずいてました。国会図書館なら国立に決まってるのに「国立国会」だなんてヘンテコリンだなぁと思っていたのもすっきりしました。

質問する前にそのくらい読んどけって怒られそうですが、改めて国会図書館のサイトを見て、沿革について読んでみました。回答者様の推測の中で一点、設立時期については貴族院・衆議院の図書館が明治23年、帝国図書館が明治5年と順序が逆なようですが、それ以外はその通りではないかと思えます。

お礼日時:2005/11/08 22:32

 こんばんは。

#3です。

 年代を間違えていましたか、しかも激しく……すいません。あぶないあぶない。

 ただ、むろんいいわけではないんですが、発足当時の「図書館」は、「博物館」のなかにあったんです。「書籍館(しょじゃくかん)」とかいう名前で、たしか湯島聖堂の中かなんかじゃなかったかな(っと、また間違えてるかも……すいません)。
 イギリスの方式を模倣したんです(大英図書館は大英博物館のなかにありますでしょう)。
 で、このあと、管轄官庁や名称が、猫の目のように変わるんです。何年か前に一回調べたけど、本によって書いてあることが違ったりして、もうこんがらがってたいへんでした。

 さて、いただいた「補足」ですが、地方図書館について。

 風通しがよくなり、人事交流も活発になるとのご意見、ごもっともだと思います。

 ただ、残念ですが、私は、わかれていた方がいいと思うんです。
 なぜか。
 予算の問題です。

 図書館は、スパンの長い文化行政です。道路工事みたいに、はっきり結果が出るわけじゃない。むしろ、“結果”がなかなかでない、といっていいでしょう。

 で、「行政」の本質として、お金がまわる事業の方に目がいきがちです。使った方が、次の年も予算がつくしね。

 いまは、一致していませんが、それでもじりじり予算を削られているようです。もよりの図書館など、ついにカウンター業務を民間に委託しました。事務的な対応しかしてくれないし、相談すれば、「それならこの本!」といってくれる人材も育つとは考えにくいんです。

 かりに、一致させたら……これは杞憂かも知れませんが、いわゆる大向こうを唸らせる事業に、予算を取られてしまうかもしれない、という気がするんです。

 個人的には、地方自治体のなかで、図書館や郷土資料館などは「聖域」として、別組織であってほしいんです。
 もっというなら、自治体と離しちゃって、国が、国立国会図書館を頂点とした全国の図書館組織を作った方が、情報の流れはよくなると思っています。

 未来はどうなるか、ということでしたが、このままだと、予算を減らされ、本も購入できないようになるのではないか、と危惧しています。

 浦安市のような、見識ある地方自治体ならまだしも、そうでないところが多くなってくるんじゃないか。

 新しい本もそうですが、非常に貴重な古典籍をもっている図書館もあります。国宝なんか入っているんです。これらを保存、管理していかなくてはいけない。

 だから、私としては、こういう文化行政を、今よりもっと、「聖域化」してほしいと思います。

 まあ、小さなパイにみんなでくらいついているんだし、これから、パイはますます小さくなるでしょう。

 図書館より、重要(?)な問題もあるんでしょう。理想論ばかりもいえないです。

 どうしたらいいのか。いっそすべて民間に委託して、有料化すれば、なんて声もあるようです。サービスの質の維持ということを考えれば、それも悪くないような気もします。

 ひとつ、モデルとして、私が思っていることがあります。
 まず、全国の図書館の組織造り。そして、図書館の数を減らし、その代わり、蔵書、サービス、研究の質を上げること。
 貸し借りなんか、コンビニと提携すればいいんです。普通の検索や注文はネットで。これで大部分の利用者をカバーできる。
 で、そこからさらに研究したい人は、図書館にお運びを願う。そこまでくれば、予約しておけば、国会の本も取り寄せてくれる(これはいまでもそうか)。

 そりゃあ、身近な存在としての図書館がなくなるのは、残念です。でも、いっそ、一過性のベストセラーなんかは買わない、かわりに専門書を買うような図書館でも、いいと思うんです。

 本が売れない、売れるのは一部のベストセラーだ、という状況が続いています。とくに学術書や専門書は、出しにくくなってます。それを図書館が買い上げるようになれば、だいぶ違うと思います。 

 ありゃ。長広舌……。すいません。

 ご参考になれば。
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この回答へのお礼

再びありがとうございます。

図書館が博物館の一部門であったというのは興味深いお話です。収集する主な対象物の違いこそあれ、収集したものを公開して知的欲求に応えるという目的は同じですものね。

予算の問題は一市民の私としては、役所あるいは議会の中でどんな立場の人が図書館に理解を示しているのか、行政サービスの中で図書館がどういった位置づけになってるのかよく分かってないので難しいです。ですが参考になりました。

図書館員の雇用形態もかなり多様化されてきましたね。司書の比率が正職員より非常勤のほうが高かったり、非常勤の方であっても、素晴らしいカウンターでの対応をしてくださる方がいたりと、何がいいのか今後どうあるべきなのか、一利用者としても自分の考えがまとまりません。

図書館運営のあり方としても、国会図書館を頂点とした全国組織ですとか、完全民営化という発想も参考になります。前者はやる気のない図書館が国会図書館任せになってさらにやる気を無くすのではないかとか、後者では利潤追求のあまりベストセラーの貸本屋にならないかとか、かといって現状のままでいいのだろうかとか、いろいろ考えてしまいます。

因みにニュージーランドの某市の図書館では背表紙のシールの色によって有料・無料、さらに有料でもいくつか料金が分かれてました。小説や現代ミュージックCD、パソコンソフト等が有料でした。


ここで回答を下さった皆様にお礼申し上げます。
疑問も氷解しましたし、周辺のお話も含めて回答者の皆様には大変参考になる回答を多数寄せていただき大変感謝しております。全員の方にポイントを差し上げたいのは山々ですが、選ばざるを得ないのでご容赦ください。じっくり考えて今晩ないしは明朝には締め切ってポイントを付けたいと思います。
なお、更なる補足等下さるようであれば、すぐには締め切りませんのでよろしくお願いします。

お礼日時:2005/11/09 13:21

まず議会図書館(国、地方問わず)の意義をお話しします。


それは、議会としての独自性を保つためです。つまり、情報の宝庫である図書館を行政府の運営に任せると、行政府の考えに合わない人の著作を収集しないなどのやりかたで議会に対するコントロールを行う可能性があります。ですから、議会は自分で独自の情報ソースと研究施設として、図書館を持つことにしています(そういう趣旨なのに、特に町村議会の図書室はかなり悲惨な状態ですが)。

とここまで書けば察していただけるかと思いますが、議会図書館は公共の(=行政府管轄の)図書館があろうがなかろうが、必要なものです。で、たまたま地方自治体には独自の公共図書館も持っている自治体が多く、国の場合は行政府立の一般向け図書館を持っていない訳なのですが、国の場合は、法により国内のすべての出版物が国立国会図書館に納本されており、また議員だけでなく国民にも開放(しかも大阪に別館まで持っている)されている現状から、行政府立の一般向け図書館を作る必要性が生じなかったということです。

昨今の、経済効率優先の考え方からすれば一緒にしてもいいようなものですが、議会の行政府に対する独立を保障するためには必要なものなのです。

なお一言付言すれば、地方自治体の議会には法人格がない(首長の付属機関とされているため)ので、住民に開放することを主な目的とした議会立図書館を作ることは、全く無理ではありませんが、ほとんど不可能です。ですから、住民サービスのためには首長自らが、つまり行政府の一部門として、図書館を作る必要があります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
非常に明確に書いてくださり、すっきりと読むことが出来ました。
特に第二段落。国も地方も議員活動のために図書館(室)は必要であるというのはよく分かりました。それとは別に地方では住民サービスとして図書館を行政が運営してるし、No.3の方の指摘があったように、国では「国立」を「国会」にくっつけたのだ、ということなのですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2005/11/09 12:34

地方自治法第100条では、


○15  政府は、都道府県の議会に官報及び政府の刊行物を、市町村の議会に官報及び市町村に特に関係があると認める政府の刊行物を送付しなければならない。
○16  都道府県は、当該都道府県の区域内の市町村の議会及び他の都道府県の議会に、公報及び適当と認める刊行物を送付しなければならない。
○17  議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し前二項の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。
○18  前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる。

となっています。
通常の図書館や国会図書館とは性格がことなります。

議員控え室があるので、図書室と言っても保管が目的で、貸し出しやコピーでの利用になり、一般に利用するような閲覧室を設けていません。
図書室に保管する刊行物は、通常の図書館でも閲覧が可能ですので、あえて一般に開放するコストを掛ける必要はありません。

この回答への補足

法律の条文をわざわざ書いてくださりありがとうございます。
議会の図書室というものがどんなものか想像できるようになりました。

理解は進みましたが、国と地方の図書館(室)の設置方法が異なるのが、やっぱり腑に落ちないんです。

国会図書館、議会の図書室、公共図書館それぞれの位置づけは大体理解できていると思います。一つ一つは理解できるんですが、全体を考えるとなんかしっくりこないんです。

地方自治体の中では議員のために議会の図書室があり、住民のために公共図書館があり、そしてそれらは相互に利用可能であるということですね。しかし、設置者は前者が議会なのに対し、後者は行政ですよね。

国はどうかというと、主な目的として国会議員のためではあるが、同時に行政、司法、国民の利用も想定した国会図書館があると。そしてその設置者は国会であるということですね。

国の図書館が国会図書館一つなのに対し、地方の図書館(室)が二つに分かれている、これはどうしてですか?

補足日時:2005/11/08 22:10
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
一生懸命考えたんですけど、やっぱり分からなくなってしまったので、
補足質問を書かせていただきました。

お礼日時:2005/11/08 22:12

〉国会図書館が「(国会)議員のため」なら、公共図書館が「(地方)議員のため」でいいような気もします。


対比の対象を間違えています。
地方自治体で国会図書館にあたるのは、「議会の図書室」です(地方自治法100条17項)。

「図書館」は広く一般にサービスを提供する教育施設(図書館法)です。
一方、「国会図書館」は「国会議員の職務の遂行に資するとともに、行政及び司法の各部門に対し、更に日本国民に対し、この法律に規定する図書館奉仕を提供することを目的とする」とあるように、本来的には議員・国家機関がサービスの提供相手で、一般の人は、研究者などを想定しています(だから18歳未満は入館資格がない)。

同じ「図書館」という名前が付いていますが、性格が全く違うものです。

この回答への補足

「議会の図書室」というのは初耳でした。
我が区の区議会のサイトを見てみましたら議会の見取り図のページに確かに「図書室」という文字を確認できました。
しかし説明がなく、それ以上は分からなかったので簡単に「議会の図書室」とはどういったものなのか教えてもらえますか?

さて、国の国会図書館に対して地方自治体の「議会の図書室」があるということが分かりましたが、まだちょっと腑に落ちません。もう少しお付き合い願えますか。

国会図書館は議員へのサービスを基本としつつも行政、司法及び日本国民に対してもサービスを提供しているのですよね。議員へのサービスと国民へのサービスではサービスの性格が全然違うと思います。研究者を想定していたとしても、それは行政サービスではないでしょうか。だけど、それらを一つの施設でまとめて行ってるということになりますね。これはこれで資料の共有とかそういう観点から理に適ってると思います。

一方、地方自治体の場合は、住民の教育に資するための公共図書館と議員のための「議会の図書室」に分かれてるということだと思いますが、こちらはどうして国と違って、分ける必要があるのでしょうか?

補足日時:2005/11/08 18:32
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この回答へのお礼

早速返事をいただきましてありがとうございます。
新たに疑問が沸いてきましたので補足質問させてください。
よろしくお願いします。

お礼日時:2005/11/08 18:53

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