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漢方診療の四診のうちの『聞』では、『においを嗅ぐ』こともあると本で読んだのですが、具体的には患者のどこ(何)の臭いをかぐのですか?

A 回答 (1件)

こんばんわ。

はじめまして。当方その昔、中医学研修生をしていた事があります。中医学と、漢方(漢時代の医学が日本に渡って来て、我が国で独自に発展してきた医学)では、違う部分もありますが、基本的な所は同じだと思いますので…

望聞問切すべてそうですが、特に「何処」と決まっている訳ではありません。
例えば、「切診」には脈診や腹診などが含まれますが、ただそれらの部位だと分かりやすいというだけで、別に、他のところを触れて診察しても構いません。
同様に、聞診における嗅覚を用いた診察も、どこを嗅いでも結構です。

普通は、その患者さんなりの体臭というものがありますので、あえて特定部位を嗅がなくても、その人の雰囲気のような 自然に感じられる「におい」を聞診します。イメージ的には「その人らしさフェロモン」といった感じでしょうか。

臨床的には、例えばアセトン臭がする場合は「肝臓」の「熱」などを疑いますし、「胃熱」「湿熱」等の場合は口臭が強くなり易いです。
また、「津液=五液(=汗・涕・涙・涎・唾)」のどれかが臭う場合、その液の「竅」から仮説を立てる事が出来ますよね。
皮膚が臭うのであれば「肺が病んでいるのか?」と「五体(=筋・脈・肉・皮・骨)」的に捉えたり、
「五官(=目・舌・口・鼻・耳)」の部位を嗅いだり、あるいは「五臭(=ソウ・焦・香・腥・腐)」の別を、「五行→臓や腑」に当てはめていったりします。

嗅覚による特定部位からの情報だけで「証」を立てる訳ではありませんから、他の診察結果から考えられる可能性を裏付けするために、こういったときは、この部位に、こんな「匂い」がしそうだよなー と考えて、思っていた通りであれば「あぁ、やっぱりそうか」って感じで使います。

治療経過では、その「患者さんの臭い」というのは変化して来ます。注意して診て(=嗅いで)いると面白いですよ。

以上、表現がオカシイところも多いかと存じますが、少しでもご参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

こんばんは。大変丁寧な回答を有り難うございます。
お礼が遅れて申し訳ありません。
>イメージ的には「その人らしさフェロモン」といった感じでしょうか
なるほどなるほど。
アセトン臭は肝臓の熱、口臭は胃熱、湿熱(?)など、関連して診断し、「証」を決める手だてにするのですね。
他にも色々教えて頂き恐縮です。
昨今は、西洋医学だけでなく、漢方医学にも世の中の関心が大きくなっているなぁと感じてまして、基本的な事柄だけでも知っておきたいと思い、質問しました。
治療経過で患者さんの臭いが変化するのは、確かにおもしろいですね。人間も動物なんだなぁ(当たり前か(^^ゞ)なぁんて感じます。
表現がオカシイなんてとんでもない。本当に有り難うございましたっ♪
また質問みかけたら、教えてくださいね^_^
…私のような凡人はなかなか皆さんの質問に良い回答が出せず、少々コンプレックス気味の今日この頃……←単なる愚痴です、スミマセン。

お礼日時:2005/11/25 01:21

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