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どうしてアットザマネーのときのデルタの値は0.5なのでしょうか?
インザマネーが1でアウトオブザマネーが0だから0.5のところをとって
(単純に)数字を定義しているのでしょうか。

A 回答 (3件)

>インザマネーが1でアウトオブザマネーが0だから0.5のところをとって


(単純に)数字を定義しているのでしょうか。

勿論、そうではありません。

前提:
(1) ある株の現値は100円。
(2) 明日の株価は、110円と90円の二通りしかなく、それぞれの確率は50:50。
(3) 取引コスト・金利・配当金等はすべて無視。
(4) 明日満期・行使価格100円(=ATM=アット・ザ・マネー)のオプションの価格は、5円((1)~(3)から必ず決まってくる価格。5円=110円になった場合のオプションの価格10円×50%+90円になった場合のオプション価格0円×50%)

デルタニュートラルにする為に、そのオプションを2株分買うと同時に100円で株を1株分空売りする。

⇒株価が110円になった場合。
 オプションの価値:株価110円-行使価格100円=10円
 オプションの利益:価値10円×2-購入価格5円×2=10円
空売りの損:100円-110円=▲10円
 合計の損益:±0

⇒株価が90円になった場合。
 オプションの価値:紙屑になって0円
 オプションの損:0円-購入価格5円×2円=▲10円
空売りの利益:100円-90円=10円
合計の損益:±0


これから言える事
1.株価が10円上がったら、オプションの価格は5円から+5円で10円に。10円下がったら、オプションの価格は5円から-5円で0円に。株価の変動10円に対するオプション価格の変動は5円。即ち、デルタは5÷10で0.5。
2.別の言い方をすれば、2株分のオプションの価格変動リスクが1株分の空売りでヘッジできた。即ち、デルタは1÷2=0.5。

これは、二項モデルと呼ばれるものです。現実に近づける為には、明日の株価が、101円になる確率がX%、99円になる確率もX%、102円になる確率がY%…、と延々とやって行く必要がありますが、それを、ある仮定の元に無限に細かく、しかし数学的にはわりと簡単に計算するのが、ブラック・ショールズ・モデルです。ここで肝心なのは、同じ率の株価変動であれば、上がる確率も下がる確率も同じ(1割上がる確率=1割下がる確率)、と考えている事です。

二項モデルの基本中の基本さえちゃんと理解しておけば、デルタやセータやらといったリスクパラメータは、感覚的にですが、すべてわかります。オプションをギッコンバッタン売り買いする程度なら、この程度の知識で充分でしょう。(B・Sモデルなんかの計算はコンピュータに任せればいいんですから。)

わりと、大雑把な議論ですが、おわかりいただけましたでしょうか?
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この回答へのお礼

丁寧な解説ありがとうございます。
確認させていただきます。ATMでのデルタが0.5になるのは、
オプション価格(プレミアム)の設定がブラックアンドショールズ
(二項モデルのN=∞にしたもの)によっているからなのでしょうか?
ありえないであろう仮定なのですが、理解を深めるために質問させて
いただきます。 もしも三項モデルというものがあったとしたならば、
ATMでのデルタは0.33というような値になるのでしょうか?

お礼日時:2001/12/07 11:32

読み返して見ると、私の説明が相当まずいものでした。

二項モデルは、「1日にX%上がる確率が50%、X%下がる確率も50%」という2つの選択肢のケースを、ツリー構造にしていって、30日後の取り得る価格の確率的な分布を計算する、という意味です。これを無限に細かく、例えば1ヵ月のオプションだったら、1時間毎、1分毎と言うように細かくしていくと、B.S.モデルになります。「明日の株価が、101円になる確率がX%、99円になる確率もX%、102円になる確率がY%…、」というのも、あくまでそういう計算の結果です。No.1の例は二項モデルを極端に単純化したものです。
三項モデルというのは、ちょっとイメージが湧きません。3つの選択肢という事でしょうが、確率をどう割り振るんでしょうか?。いずれにせよ、単純に3つ選択肢があるとデルタが0.33になる、って事は無いでしょうね。

B.S.モデルにせよ、二項モデルにせよ、前提は、
1. オプションの価格は、満期時に行使する事で得られる利益の期待値に等しい。
2. 同じ上昇率・下落率であれば、上昇も、下落も50:50の確率。
という事です。
この前提に従う限り、(金利とか細かい事をすべて忘れれば)、ATMのデルタは0.5になります。(…と私は10数年前に習いました。数学がもう少しわかっていれば、微分がどーした、とかで説明できるんでしょうが…)
ですから、ATMのデルタが0.5になるのは、「上の2つの前提に立つB.S.モデルだから」という事で、正解でしょう。
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この回答へのお礼

お礼がおそくなってしまって、申し訳ありません。
感覚的に分かるような気もするのですが。。。
きっと、面倒がらずに数学をもう少し煮詰めると、
クリアーになってくるのかもしれませんね。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2001/12/21 13:21

まず最初にお詫びしておくと、二項モデルで「上昇も、下落も50:50の確率」と前提を必ず置くわけではありません。

むしろ、その前提と現実の違いが無視し得ない問題になる時、例えば、債券の利回りが0%以下になる事はまずありえないから、価格変動も利回りが0%に近づけば近づくほど、上昇よりも下落の確率が高くなる、といった場合には、上昇・下落の確率に差をつけた二項モデルを使います。
ATMのデルタが0.5なのは、「二項モデルでは上昇・下落が50:50と置いた場合」、「BSモデルでは、常にその前提に立つので、いつも」とご理解下さい。また、うそついてました。ゴメンナサイ。

で、ATMでデルタが0.5になる確率をもう一度だけ、感覚的に説明してみます。No.1であげた最も単純な例を思い出してください。
株価が100円からほんの短い時間にほんの少しだけ上がったとします。ATMからの上昇ですから、もし株価が上がったレベルでそのまま満期を迎えれば、上がった分だけがオプションの利益になるはずです。確実にそうなると判っていれば、オプション価格は株価が上がった分だけ動くはずで、デルタは1という事になってしまいます。

しかし、満期時に上っている確率(インザマネーになる確率)と下がっている確率(アウトオプザマネーになる確率)は引き続き半々です。厳密に言えば、株価が100+Δ円になったから、110円になる確率と90円になる確率が半々なのではなく、110+Δ円になる確率と、90+Δ円になる確率が半々になったはず(つまり、インザマネーになる確率の方がほんの少し大きいはず)ですが、Δがあまりに小さいので、ITMとOTMの確率は、今まで通り半々だとします。(ここでのΔとは、微小な値という意味で、リスクパラメータのデルタではありません。)

そう考えると、株価が上がって生まれた行使価格と現値の差も、そのまま満期日に実現する確率は半々ですから、オプション価格が確率で言うところの「期待値」である以上、オプション価格の変動=株価の変動(つまりデルタ=1)ではなく、オプション価格の変動=株価の変動×0.5(つまりデルタ=0.5)になります。

あまりうまい説明とは思いませんが、私にはこれが限界のようです。

尚、デルタ=0.5の根拠は説明されていませんが、オプションの価格モデルについて、わりと判りやすく説明しているURLをご紹介しておきます。

参考URL:http://www.kikuya-asakusa.co.jp/~shinobu/finance …
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この回答へのお礼

tiuhtiさん。お返事遅くなってすいません。デリバティブは奥が深いですね。私も、もう少し確立、微分などをちゃんと勉強しなおさねばと思っております。丁寧な説明をどうもありがとうございました。

お礼日時:2002/04/21 15:16

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