化学反応熱と温度・圧力の関係

化学反応熱は反応するときの温度や圧力とどのような関係があるのでしょうか？
酵素反応の最適温度、最適pHといったように化学反応が起こる上で反応熱が最大あるいは最小になる温度または圧力などはあるのですか？

No.2 回答者： w-palace 回答日時： 2005/12/02 23:09

反応の前後で、体積変化があれば、外界に対して仕事をすることになりますので反応熱も少し変化することになるでしょうし、温度が変化すれば、その温度を変化させるのに必要なエネルギーの分だけ反応熱が変化することになるでしょう。

しかしながら、通常、それらはさほど大きいものではなく、反応の本質である、結合エネルギーの変化とは本質的に別のものと言えると思います。
すなわち、反応に伴って、切断されたり、生成したりする化学結合の変化が反応熱の主要な部分であり、それの温度変化はほとんどないと考えて良いと思います。

酵素反応における最適温度やpHは、化学反応の速度には関係しますが、それらを変えても、上述のように反応熱そのものの変化は軽微でしょう。

反応速度は反応の活性化エネルギーに関係しますが、基本的に反応熱とは無関係と考えるのが妥当でしょう。

No.1 回答者： shkwta 回答日時： 2005/11/27 10:23

ある化学反応が温度T1、圧力P1で起こるときの反応熱と、その化学反応が温度T2、圧力P2で起こるときの反応熱については、

（経路Ａ）温度T1,圧力P1の反応物⇒温度T2,圧力P2の生成物
（経路Ｂ）温度T1,圧力P1の反応物→温度T2,圧力P2の反応物⇒温度T2,圧力P2の生成物→温度T1,圧力P1の生成物

上の２つの経路で出入りする熱量が等しいという関係があります。したがって、「→」で表わした部分の熱量を差し引くと「⇒」の熱量が求められます。

「→」部分は実測するか、熱容量などのデータからの算出、気体の場合は理想気体としての近似計算などで求めます。また、「→」部分で状態変化（液体から気体など）が起こる場合はその転移熱を算入する必要があります。