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 Lambert-beerの法則を用いて、吸光係数を求める実験をしました。実験はうまくいったのですが、濃度と吸光度の関係のグラフが試料溶液が高濃度の領域では直線にならず、曲がります(吸光度が低くなります)。一般的にこのようになるようですが、なぜなのでしょうか?理由、理論のわかる方、教えて頂けないでしょうか☆

A 回答 (3件)

No.1さんの回答されている、「分光光度計」側の要因ですが、


主な要因は、試料が完全に光を通さない場合でも測光値が
ゼロにならない「迷光」です。

測定波長によっても異なるのでザクっと一般論ですが、

(1)数十万円以下の分光光度計
  迷光レベルは0.1%T以上あります。なので、吸光度3Absの
  試料に対して、0.3Abs以上の誤差が出ます。誤差はAbs値
  が小さくなる方向に出ます。迷光が0.5%Tレベルになる装置
  では、2Absでも直線性に問題が出てきます。

(2)100万円前後の分光光度計
  迷光レベルは0.05%T程度です。3Absに対して誤差は0.18Abs
  程度になります。2Absに対しては、0.02Absで無視できます。

(3)200万円前後の分光光度計
  この価格帯になると、分光器を2連にしたダブルモノクロメータ
  の装置が買えます。このタイプでは、迷光レベルが0.0003%T
  と、もう3Abs程度の低光量領域でも、迷光が誤差の原因に
  なることはありません。
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この回答へのお礼

どうもご回答ありがとうございます。なるほど、たしかに分光光度計による誤差というのは必ずあるのでしょうね。迷光という現象があるんですね。蛇足ですが、光が完全になくなることはありえないのかもしれませんね。

お礼日時:2006/01/04 23:11

濃度が薄い状態では測定対象の分子は溶媒分子のみに囲まれて、完全に孤立しています。

しかし、濃度が高くなると、測定対象の分子同士がくっつきあう確率が高くなり(場合によっては分子同士で会合体を作り)、吸収位置がずれたり、新たな吸収が現れたりします。

この回答への補足

どうもありがとうございます、大変参考になりました。私が行った実験では、p-nitrophenol水溶液を用い、410nmの吸光度を測定しました。p-nitrophenol水溶液濃度は0~100μMの範囲で測定しましたが、70μM辺りから吸光度が低くなりました。濃度が濃くなると、分子間での水素結合が多くなり、それらp-nitrophenolによって作られる影の部分が増して、その結果後ろに存在するp-nitrophenolに光が当たらなくなり、吸光度が減少するのでしょうか?分子間の相互作用によって、光の回折が妨げられ易くなるのかもしれませんね。
いまいち疑問なのは、濃度が濃い溶液では、分子に光が当たる機会が減少する為か、もしくは、分子間の相互作用によって、光は当たっているけれど、光を吸収しない分子が存在するか、どちらが主な原因なのかです。それとも、どちらも起こっているのでしょうか?

補足日時:2006/01/04 22:42
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分光光度計は、試料が高濃度の場合の吸光度を正しく測定できないのだと思います。


(Absが2.000とか、それ以上になると正しく測定しない場合が多い(?))
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。大変、助かりました。

お礼日時:2006/01/04 23:12

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