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生命システム、工学システム、社会システムにおいてフィードバック機構が利用されている具体的な例を教えてください

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A 回答 (3件)

 


  フィードバックは、ノーバート・ウィーナーが提唱したサイバネティックスに出てくる基本概念というか、機構です。或るシステムから状態を表現する出力があれば、この状態出力を、元のシステムに「戻して供給する feed back」するので、こう言います。システムは、状態出力を受け取って、それに応じて、内部の状態を再調整します。フィードバックというと、普通、定常性(恒常性)に向く形のフィードバックが考えられますが、反対の方向のフィードバックもあります。プラス・フィードバックとマイナス・フィードバックという風に区別します。
 
  生命システムでの具体例は:
 
  基本的には、生体ホメオスタシスの維持のためのフィードバック機構が、もっとも一般でしょうが、ウィーナーが最初に考えた時は、感覚運動系のフォードバックをモデルとしてあげていました。
 
  それはどういうものかというと、わたしたちは、手を伸ばし、指で、何か小さなもの、例えば、PCのキーボード上のキーを押すとか、または、小石を拾って掴むことができます。これは、視覚情報と、手や指を動かす筋肉、筋肉運動による感覚などの総合で、フィードバックを使って可能になります。つまり、キーに向け手を延ばし、指を伸ばし、これを視覚で見ている訳です。キーの位置とは違う方向に指が行っていると、視覚で認めて、指や手の筋肉に指令を脳が出して、正しい方向に指先の進行方向を調整するのです。こうして、正しい位置で、キーが押せたり、小石を的確に掴むことができるのです。しかし、脳に障害がある人で、この感覚運動系のフィードバック機構が損傷を受けた人は、キーをうまく押すことができませんし、小石を掴むことができません。場合によっては、キーの方に指を持っていこうと努力すればするほど、ますますキーから指先が外れるというようなことになります。
 
  ウィーナーは、この現象を知っていて、丁度、機械システムなどで、これと同じメカニズムのものがあるのを考え、色々なシステムにおいて共通する、制御の理論としてサイバネティックスを提唱したのです(もう少し複雑ですが)。
 
  生命システムのフォードバックの例としては、他に、体温の恒常性の機構や、睡眠の量の平均恒常性維持の機構などがあります。生命の場合、一杯例があるとも言えます。睡眠の量の恒常性維持は、大脳において、起きていた時間を記録している部位があり、長時間眠っていないと、一旦眠りにつくと、足りない分の睡眠量を補うため、通常の生物時計が決めている覚醒時刻を延長して、眠り続け、こうして、睡眠量を一定量確保するというようなシステムです。これもフィードバックなのです。つまり、「睡眠量が不足→大脳が記憶する→眠りにつくと、睡眠時間を延長させる」という形のフィードバック・システムなのです。
 
  工学システムでの具体例は:
 
  工学システムのフィードバックも一杯例があります。最近よく造られているロボットの場合、先に、人間が指で何かを押すとか、掴むのと同じ機構で、ロボットの運動がプログラムされています。歩くロボットの場合、非常に複雑になっていますが、人間の歩行の際のフィードバック機構と相似的な機構を造っています。重心の位置と、全体のバランスの問題で、足を上げ前に出す動きで、この重心やバランスが変化して来るので、倒れないように、また全体バランスが維持できるように、足を前に出すと同時に、ロボットの姿勢や、他の腕を後ろに少し動かしてバランスを取るなどします。これはフィードバック・システムです。
 
  製造工場などでも、このフィードバック・システムは一杯使われています。化学プロセスなら、反応炉のなかで、正しい反応が起こり、製品ができるように、炉の温度や圧力、できあがった生成物を監視していて、適正な反応が進行するように、温度や圧力や、その他のパラメーターを微調整します。またオートメーション製造で、製造段階が分かれていて、段階ごとで加工・製造の速さが違う場合、段階ごとでの製造進行状態を把握して、製造の速さを相互調整しないと、或る段階で製造し過ぎて、途中で加工中の製品があふれたり、反対に、機械が処理する製品が来ないので、空転したりと、混乱するので、これもフィードバックで、適切に製造を制御します。
 
  社会システムでの具体例は:
 
  社会システムにおけるフィードバック機構は、自然発生的な機構と、人為的に計画してフィードバックを行う場合の二つがあるでしょう。自然的なフィードバックとしては、商品の需要供給のバランスと呼ばれているものが、その例です。商品が需要を上回って市場に出回れば、商品の価格は下がり、供給者は損をすることになるので、供給量を調整するとか、反対に、供給に対し受容が大きいと商品の価格は上がり、そこで、別の業者が市場に参画して、商品供給を増やすというような過程で、商品の価格や供給量どが、適正に調整されているのは、フィードバックです(このフィードバックが、正常に働くように、フィードバックが働かなくなるような状況を回避するため、例えば、「独占禁止法」などがあるのです)。
 
  また、人為的なフィードバックとしては、金融市場において、日本銀行が円の買い支えをするとか、ドルの売却をするとかで、通貨レートを望ましい値へと誘導するのもフィードバック機構です。ただ、社会フィードバックは、関係する変数が多く、不可測の事態が起こったり、フィードバックが有効に働かない場合があります。また、政党制の選挙も、失政を行った政党が政権を取っていた場合、次回選挙で、その政党は政権の座から降り、別の政党が政権の座に就くという形で、国民が納得できる政治が行われるためのフィードバック機構としてあるのですが、ファクターが多すぎて、有効にフィードバックが機能しないようです。
 
  大体、こう言った処です。例は、その他にも、無数にあります。
 
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この回答へのお礼

大変丁寧に答えていただき、まことに感激です。フィードバック機構といってもこんなにも枠が大きく広い事を知りました。ありがとうございます。

お礼日時:2001/12/21 01:23

生命システムの場合には.


「恒常性」あたりの内容を見ればわかるでしょう。
糖恒常性.浸透圧恒常性.体温恒常性.ヘム恒常性.呼吸恒常性(現在使われている名称と異なる場合があります)
どこでどのように作用しているかは.それぞれのせいごうせい経路を追跡してください
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この回答へのお礼

ありがとうございました、調べてみます。

お礼日時:2001/12/21 01:17

たいていの工学システムはフォードバックを使っていますが、今一番有名どころは話題の「ジンジャー」こと「セグウェイ」でしょうか。



内部に仕掛けた”ジャイロ”という機構で今現在の車体の傾きを検出します。

車体が前に傾いているときは後ろに、後ろに傾いているときは前に車体を倒すように車輪のモータの回転方向と出力を決めます。

これを電気回路やコンピュータで常時行うようにすると、動作中は放っておいても車体は前にも後ろにも倒れません。
上手にモータの力を調節する回路を組み込むと、揺れを押さえて乗り心地を良くしたりもできるはずです。

他に分かりやすいところではロケットやミサイルでしょうか。
一応まっすぐ飛ぶように安定翼がついていることも多いですが、目標に向けて正確に飛ばすためにはロケットを噴かす向きや複数のエンジンの出力バランスを微妙に調節します。ロケットエンジンにフィードバックされる情報は、ジャイロ以外にもミサイルに積んだカメラの映像や、誘導電波や、GPSを使って測定した現在位置などいろいろです。
故障や設計ミスでフィードバックが止まると、あっというまにあさっての方向に飛んでいって”誤爆”の原因になったりします。

実際のシステム設計はかなり複雑ですが、イメージとしてはそんな感じです。
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この回答へのお礼

なるほどありがとうございました、大変興味深いことです。さらに勉強します。

お礼日時:2001/12/21 01:14

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