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熱伝導率と熱伝達率の違いをネットで調べたところ、
熱伝導率は物性値で、熱伝達率は物性値ではない、という記載を見つけました。
熱伝達率は周囲環境に依存するとありました。

すると、何の条件も示さずに、単に物質の一般的性質を表す場合に、
「この物質の熱伝達率は○○です。」と書くのは、間違っているのでしょうか?

A 回答 (3件)

例えば,棒状試料の側面を断熱して両端に温度差をつけます.


当然,高温側の端から低温側の端へ熱が流れます.
温度差に対してどれくらいの割合で熱が流れるかを表すのが
熱伝導率です.
電気伝導のオームの法則は
ΔV = R I  (電位差 ΔV,電気抵抗 R,電流 I)
ですが,全く同様に熱伝導に関して
ΔT = R_T J  (温度差 ΔT,熱抵抗 R_T,熱流 I)
です.
棒状試料ですと,電気抵抗は断面積 S に反比例し長さ L に比例しますから
R = ρL/S
と書いて,ρを電気抵抗率,その逆数 σ=1/ρ を電気伝導率と呼んでいます.
熱の場合も全く同様で
R_T = ρ_T L/S
と書いて,ρ_Tが熱抵抗率,その逆数 κ=1/ρ_T が熱伝導率です.
物質が決まればκが決まりますので,それで物性値といいます.

一方,熱伝達率(通常は表面熱伝達率を指すようです)は
物体表面から熱が失われてゆく(周囲の方が物体より低温だとして)ことに関係しています.
同じ物体を同じ温度に保ち,さらに周りの温度が同じでも,
失われる熱量の割合は周囲の環境によって違います.
ぬるい缶ビールを冷やすのに,氷水(摂氏零度)につけるのが早く冷えるか,
摂氏零度の冷蔵庫に入れるのが早く冷えるか,どちらでしょう.
もちろん,氷水です.
同じ物体,同じ周囲温度でも,環境によって全然違うわけです.
こういうわけで,熱伝達率は対象とする物質のみでは決まらず,
周囲の環境に大きく依存します.
それで物性値ではないというのでしょう.

> 「この物質の熱伝達率は○○です。」
> と書くのは、間違っているのでしょうか?

上に書いたように,
周囲の状況を決めないと物質だけでは意味がありませんね.

dahho さんが
> 「この材質で断面積○mm^2長さ○mmの棒の熱伝達率は○○です。」
と書かれている量は,熱抵抗 R_T の逆数に当たる量で,
熱コンダクタンスと言われます.
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#2のおっしゃるとおりですね。


私が最初に考えていた状況とは違うもののようです。

例えばパソコンの冷却ファンについている放熱フィンは同じ材質でも、板がたくさん出ていて表面積が大きいほど熱伝達率は高くなりますね。もちろん熱伝導率が高い材質ほど熱伝達率も高くなる傾向にあるでしょうが、形状も大切でしょう。空冷より水冷がよく冷えるように周りの流体も大きく関係します。

>AがBよりも熱伝導率が大きければ、同じ条件下においては、AはBよりも必ず熱伝達率は大きくなりますよね?

普通に考えてそういう傾向はあるでしょう。熱伝導率が大きくても、熱伝達率が同じであるとか逆に下がるようなものが不可能とは断言できないと思います。
例えば鍋でカレーを温める場合、熱伝導率の高い鍋では焦げ付いてしまって結果的に熱伝達率が下がるとか…。
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熱伝導率は単位断面積、単位長さのときの熱伝達率ではないでしょうか。



「この材質で断面積○mm^2長さ○mmの棒の熱伝達率は○○です。」なら良いと思います。
同じ熱伝導率の材質でも長さを2倍にすれば熱伝達率は1/2になるし、断面積を2倍にすれば熱伝達率は2倍になるということだと思います。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
「熱伝達率は物性値」で検索すると、数件のヒットがあり、いずれも大学関係のサイトです。
名古屋工業大学のサイトでは、「熱伝達率は物性値ではなく,
物体形状,流体の種類,速度,温度など多くのパラメータが関与する物理量である。」と記載されていました。

ですから、例えば、「鉄は熱伝達率が大きい」という記載よりも、
「鉄は熱伝導率が大きい」というほうが適切ですよね?
あとですね、AがBよりも熱伝導率が大きければ、
同じ条件下においては、AはBよりも必ず熱伝達率は大きくなりますよね?

補足日時:2006/01/05 05:01
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