プロモータ活性を測りたい時、今の主流はルシフェラーゼアッセイですねよ。
でもGFPのほうが発光試薬も必要ないし、遺伝子サイズも小さいしで、
おんなじことをGFPでやったほうが便利なように思うのですが。
少数ながらGFPでプロモータ活性を測定している実験もあるみたいですがあまり一般的ではないようですし、
そういうキットを発売しているメーカーも見つからないです。
やはりルシフェラーゼにはGFPには変えられないメリットがあるのでしょうか?
ダイナミックレンジが広いとか?測定機器が比較的安い?シグナルが強い?
何かご存知の方、GFPでプロモータアッセイしている方いらっしゃいましたら教えてください。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
蛍光でリニアーな定量性、ひろいダイナミックレンジを実現するのには制限があります。
励起光をあてる必要があるので、ゲルやメンブレンのように薄ければよいですが、溶液のように高さというか厚みがあるものでは、表層と深部では励起光の強度が変わってしまいます。特に蛍光物質の量が多くなっていくと、表層の分子に吸収されつくして、深部の蛍光物質の励起効率が下がり、蛍光物質の量と総蛍光量が比例しなくなります。もうひとつ、測定の原理上に重要な違いがあります。
蛍光は原理的にはCCDで撮像して、光の強度を画像上の輝点数として測定します。これはデンシドメーターでオートラジオグラムの黒化度を測るようなものです。CCDの感度やダイナミクスにより定量性に限界があります。
それに対してルミノメーターは、フォトマルで光子の数をカウントします。これは、液体シンチレーションカウンターで放射活性(放出された粒子の数)を測るのに似ています。光子は液体中からでも、また液量などに関係なく(エネルギーの減衰はあるかもしれませんが)飛び出してきてデジタル(量子的)にカウントされるので、飽和が起こりませんし、あくまでもリニアーな測定結果になります(最近はCCDを利用して、化学発光の撮像に加え定量もできますよという装置も出ていますが、精密な定量には向きません。一般的にはちゃんとフォトマルを使ったルミノメーターの方が高価だと思います)。
丁寧な回答ありがとうございました。遅くなりすみません。
多少難しく理解できないところもありますが、イメージとして良くつかめたように思います。
一応、蛍光蛋白質を用いたプロモータ活性測定用のベクターを売っているメーカーもあったのですが、
定量性やダイナミックレンジに関しての情報がないので、やはりその程度のものなのかなと思っています。
やはりルシフェラーゼでやるほうがいろんなプロモータを扱えるということなのでしょうか。
No.4
- 回答日時:
GFPは細胞内に蓄積するので経時変化を追えません。
0か1かを調べる実験で使います。ルシフェラーゼはどんどん分解されるタンパク質なので、遺伝子発現の経時変化を追うことが出来ます。
ありがとうございます。
なるほど、ルシフェラーゼとGFPの分解速度ですか。
確かに重要な点なのかも知れませんね。
ただ最近(なのかわかりませんが)WTのGFPをいろいろいじって、
半減期を短く(ルシフェラーゼと同じかそれ以下)したGFPとか、
他の生物由来の蛍光蛋白質もいろいろありますよね。
そういうの使えば解決できるのかなと。
ただやはり光の強度の違いがあるのかな。
No.3
- 回答日時:
No.1です
http://ja.wikipedia.org/wiki/GFP
にあるように、GFPの観察は励起光を当てること
によって出る蛍光を見てます。
この励起光によって蛍光を発するのはGFPだけとは限らず
似た波長のエネルギーを発するものも多いです
特に、植物の葉ではバックグラウンドが
結構でます。
GFPを観察するときは余計な蛍光を除くために
フィルターを通して観察するのですが
これにもいくつかの種類があり、
狭い波長を通すもの(当然シグナルは弱くなる)
ロングパスと呼ばれる比較的広い波長帯
を通すもの(バックが高くなる)があります
予めバックグラウンドとして除くことは
サンプル次第では可能だとは思いますが
バックが高いサンプルでは厳しいかもしれません
(目的のGFPよりも数桁下ぐらいでならいけるかも)
No.2さんが言っているように
検出感度の問題もあるかもしれませんね
度々アドバイスいただき、ありがとうございます。
確かに葉っぱはバック高そうな感じしますね。
動物細胞をGFPと同じような波長の蛍光色素で染めてみたときには、
それほどバックグラウンドが高い感じはしないので、
いいんじゃないかという気がするんです。
ただやはり光の強度はルシフェラーゼのほうが強いみたいですね。
No.2
- 回答日時:
参考までに、以前にLucのレポーターベクターを購入し、LucをGFPと入れ替えたベクターを構築したことがあります。
それで蛍光光度計で測定したところ、Lucではルミノメータでガンガンに活性があがる系で、GFPでは全然シグナルがでませんでした。検出感度に差があるのかも。
ありがとうございます。
それ私もやってみたいなと思っていました。
「GFPでは全然シグナルがでませんでした」というのはGFP蛋白質が
正常に発現していることを確認したのに蛍光が観察できなかったと
いうことでしょうか?
in vivoイメージングなどにも使われているのでそれほどシグナルが弱い
というイメージがないのですが、実際は結構弱いのかもしれませんね。
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