
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
歴史の違いが起因するのではないでしょうか。
下記は私の仮説も入っていますので、鵜呑みにせず、詳細はご自分で調べてください。日本文化の中では、原初、自然環境が厳しいことから、全て神のなせる業として"自然=神"というアニミズム(自然崇拝)から出発されたものと理解しています。特に生活へ大きな影響力を及ぼす"洪水を起こす神様"や、"時化を起こす神様"は恐れられたものと推測します。
一方、欧米、中央アジアであっても、最初から唯一神があった訳ではありません。ケルトのような自然崇拝、北欧神話やギリシア神話に代表されるように多くは多神教です。それに対して、キリスト、ムハンマドは観念から演繹した神を作り出しました。この時の概念は"神=全てに超越するもの"です。
その後の歴史的な経緯が両者を隔てます。
日本では、大和朝廷が各地を取り込みながら、独自の神格図を形成し、地域に根ざした神々を序列・分類し認めました。そして仏教の輸入により、神仏習合がはかられ、神様仏様と多様性を教授する考え方が浸透します。仏教思想の影響から、"死後の存在=人間を救う存在"とする概念が発達し、権現というような多様な神様を認めるようになりました。ここに至り、"神=人知の及ばないもの"となります。ここで"民族集団に伝承される神=自分たちの神"であったと思います。
また日本では、地域を大きく移動することはありませんでしたので、100年前の神様は未だに影響力を失っておりません。同じ川は氾濫しただろうし、同じ季節には、季節風の影響で今でも台風が来ます。ですから、"地域に影響する神=自分たちの神"という図式が保存されます。よって、"民族集団に伝承される神=地域に影響する神=自分たちの神"という図式が続いていきます。
一方で、欧州、アジアは地続きで多様な民族が存在します。支配者が突然違う地域から、新しい宗教観を持って現れることもありますし、自分たちが移動することもあります。前者の場合、新たな支配者の引っさげてきた神様を奉れ、と言われても地域に根ざしたものではありませんので、矛盾が生じます。後者の場合、元々地域の神であったものが、地域を移動する事により、神から地域性が失われ、やはり矛盾が生じます。こういった文化・地域のダイナミズムによる矛盾から民族集団や地域を超越した合理的な神の存在が必要になります。それが観念神です。全てに超越するものであれば、矛盾無く説明が出来、どんな民族だろうと、どんな地域だろうと関係なく説明できます。この概念が民衆にも為政者(最初は自分たちの神様を否定されるので反発しますが、その利便性に気付いたら受け入れます)にも受け入れられて、次第に勢力を拡大させたものと考えられます。また、このように超越的な存在であれば、地域、文化に関係なく布教活動が行えますので、勢力拡大に拍車をかけたことでしょう。
以上のように、歴史的な経緯によって人々の求めるものは異なり、大きな違いが生み出されたものと考えられます。これを進化と呼ぶかどうかは異論があるところだと思います。少なくとも私は進化とは考えません。文化の違いだと理解しています。
また、古事記が書かれたあたりから言い伝えなどが文献に出始めたらしい、というのは、古事記が書かれたあたりが丁度、記述文化が始まった時代であるのと、神格の序列化が行われ、名も無い神様から由緒正しい神様に認識が変わってきたからだと考えられます。地域自治から中央集権に移り、風土記などの編纂を通じて伝える必要性が出てきたのも影響しているのではないでしょうか。
このような考え方はいかがでしょうか?
なるほど、とても理にかなった説だとおもいました!地続きではなかったということが今日の日本の宗教を形造ったのかもしれませんね。
>超越した合理的な神の存在
やはり今のように自然災害などの原因がわからなかった時代には、神という存在が必要不可欠であり、その過程で合理的に唯一神が生み出されたのでしょうね!
No.11
- 回答日時:
やはり、山々を神としたり、その地域や英雄(中央政府から見たら逆賊)、部族の祖先等を神としたからでしょう。
なぜ一神教にならなかったかと言うと、祟りを恐れた征服者側がその土地の神を丁重に扱ったからかと思います。更に征服者側が被征服者側を懐柔させるために被征服側の先祖を祭った神社を建てた事例もあると思います。
第二次大戦後、戦勝国側が皇室を存続させたのも似た理由からかと思います。
古事記や日本書紀はそういった事例を征服者(大和朝廷、特に藤原氏)の都合のいいように整理したものだという説もあるようですが、私もその通りなのかと思います。
No.10
- 回答日時:
世界的に見ても、歴史上は多神教の方が普通です。
実のところ旧約聖書を見ても、最初のあたりですがどうも神が複数形になっていたりします。つまりユダヤ教といえどもその当初はどうやら多神教だったようです。それが民族間の征服・被征服、またとりわけペルシアでのゾロアスターからの二元論などの歴史の中で、次第に一神教になっていったらしい、ということです。結局これは歴史の問題です。キリスト教やイスラームはユダヤ教からの派生ですから、規模の大きい一神教はユダヤ教しかない、ともいえます。(ちなみにキリスト教の創始者はイエスではないし、キリストという人物はいません。イエスの名字などではないのでご注意)しかしその後もこの一神教・多神教という分類は多少の揺れを経験するわけです。たとえば密教。ある意味大日如来一元論になっていますが、結局一神教になりませんでした。また日蓮宗は仏教ですが一神教ならぬ一経教といえるかもしれません。法華経だけが真理を伝えている、という考えですから。浄土教についてもいささかそういう傾向は持っていると思います。一方でキリスト教でも聖人とか聖母とかいったものは、日本ならさしずめ神様になっていたのでしょうが、「神はただ1人」という教義の元、そういう特別な人とされるようになりました。これは実質多神教への揺れです。
まあもっとも日本の神とキリスト教の神が同様の概念か、というのも一つの問題です。「神」「主」などというのはつまり明治以降の翻訳語ですから、日本伝来の神なるものとそもそも同様なのかどうか、というのは別問題でしょう。
結論として。日本が特異というよりもむしろユダヤ教が特異なのでしょう。ただし、そもそも神の概念が違うので比較する事に意味があるとしての話でもあるわけですが。
No.9
- 回答日時:
ほかの方々もかかれているとおり、古代では多神教が中心です。
しかしながら、一神教であるユダヤ教から派生したキリスト教やイスラム教を始めた人たちは、積極的にこれらを布教していき、世界の半数以上がキリスト教またはイスラム教の信者、という状態になったため、日本の多神教が奇異に感じられているだけだと思います。
現在も続いている、有名な多神教の宗教、というとヒンズー教あたりが該当しますかね?(自信ないですが)
No.8
- 回答日時:
世界のほとんどの国や地域では、多神教の世界でした。
エジプト、メソポタミア、インド、ギリシャ、ケルト、北欧、日本、アスティカ、マヤなどなど。
全てのものに神が居る世界が、当初一般的でした。
(中国だけは特別)
神々の抗争の中で、勝ち続けた神が、敗れた神から神の名を取り去り、独裁的になったのが、一神教です。
そのため、一神教にも、かつて神であった名残が数多く残っています。
神に臣従した天使や聖霊、神に敗れても敵対する悪魔や魔人、神の手を逃れひっそりとする精霊や妖精などなどです。
日本の神話においては、天照による一神教的方向での統一途中で、文明が開けてしまい、不完全な形となっているため、天照を中心とした多神教の世界になっているだけです。
神話時代が、もう少し長ければ、天照を中心とした一神教的世界になったでしょう。
ギリシャ神話においても、ゼウスによる一神教化の途中ですし、北欧神話でも、オーデーンによる統一の途中と解釈できます。
一度特定の絶対神ができると、今度は分裂し、二神教的多神教へと向かいます。
日本においては、一神教化の始まりの段階で、文明社会となってしまったにすぎないのです。
No.6
- 回答日時:
日本の多くの神は、産土神と呼ばれるその土地の神や先祖神です。
小さな部族が他の地域の部族を統合するとき、その土地の神には敬意を表し、温存?させました。最近、神棚のある家は少なくなりましたが、神棚には、違う神社のお札を共存させても、大丈夫というのが、日本の神です。
先の回答者さまの指摘のユダヤの神のように、人間個人をどこでも護るという神とは、日本の場合は違うようです。
人に付く神か土地に付く神か、そのような違いから、多くの神が存在するのでしょう。
また、農耕文化ですから、太陽だけでなく、雨も大切ですし、農耕に関する森羅万象に神が宿るという精神文化と狩猟は独りでも出来ますが、農耕は集団作業なので、和の心が生まれたのではないでしょうか。
No.5
- 回答日時:
文明が発展途上ですと、人は「世界の仕組み」のわからないことを理屈付けるためにある存在を作り出しました。
それが「神」です。地域によっては精霊であったり、妖精であったり、他のものであったりしますが。そうしますと「神のせい」にすることで、よくわからないことに煩わされずに生活に専念できるわけですね。ところが、生活区域が違いますとこの「神」が、他の部族とは違っていることがあるわけです。雨が恵みをもたらすのか、川の氾濫を招いて災いをもたらすのか、というような違いですね。そうしますと「あそこの神とこちらの神は違う」ということになるわけです。また、自然現象によって性質が異なるために、「それぞれの神」が生み出されることになります。炎の神と、雷の神の違いなどですね。
こんな風にして「さまざまな神」が生み出されることになっていったわけです。現在世界の主流となっている一神教は元をたどればユダヤ教に由来します(ユダヤ教の元もありますが)。このイスラエル地域は決して豊かとはいえませんので、自然現象についても他地域に比べて多くはなく、「さまざまな神」が生み出されることもなかったのでしょう。また、少数民族ゆえの劣等感に由来する感情も手伝って、唯一絶対神を生み出したのではないかと思われます。古代エジプトなどでも時折「一神教」になったりしておりますので、神の数の背景には「自然の多様性」があるのではないかと思います。ほかにも「民族的な寛容性」なども関係しているかもしれませんね。
決して「一神教のほうが進化している」とは私には思えません。近年の「一神教徒同士の不寛容に由来する戦乱」を見ますと特にね。
なるほど
>決して「一神教のほうが進化している」とは私には思えません。近年の「一神教徒同士の不寛容に由来する戦乱」を見ますと特にね。
この点についてはとくに共感しました。最近の世界情勢には宗教が少なからずとも関係しているようですしね。
ありがとうございます!!
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
ANo.1さんのとおり、日本には神道(しんとう)と言う、固有の多神教の宗教があるからですね。他国にも多神教はありますよ。
また、「菅原道真」や「徳川家康」なども、「天神さん」や「東照大権現」として神としてまつられているぐらいですから、日本では「神」と「人間」が厳密に切り離されていないからだと思います。つまり「偉大な人間は亡くなれば神としてまつられる」と言うことで、極端な例では、先の大戦中は天皇は「現人神」という立派な神様でしたし。
これが、キリスト教でしたら、「ザ・クリエーター(造物主)」のような唯一無二の神が存在し、他の神は存在し得なくなるんですが。
No.2
- 回答日時:
ひとつには、一神教にならなかったからです。
西洋(イスラム含む)の神は、唯一神ですが、
一神教でない世界では、
妖怪-精霊-神
のラインが、あまり分断されず混じり合っています。
遠野の「ザシキワラシ」は妖怪に含まれますが、
場合によっては神とされます。
西洋の、「妖怪」「妖精」「悪魔」が、日本では神とされます。
もう一つには、増えたからです。
珍しいことが起こったとき、優れた人がいたとき、
神に祭り上げることが行われました。
たとえば、仙台にある小さな神社では、伊達政宗の乗った馬が神様になっています。
「老いて戦争に出られないのをはかなんで、崖から身を投げた馬」
となってます。
まあ実際には単に崖から落ちただけかもしれないのですが、
そういうのでも神に祭り上げた時代がありました。
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