
アノマロスコープについて調べた際に疑問に思ったのですが、アノマロスコープとは、たとえば、黄色の単色と、赤と緑の混色の光を見比べて、赤や緑に対する色盲の人は混色のほうが赤や緑色しか見えずに、黄色の単色と比較して、別の色に見える・・・という原理を利用しているという認識であっていますか?
私は今まで、赤い光と緑の光による黄色の光というのは、ただの黄色の光と何も変わらないものだと思っていましたが、これは違うのでしょうか? 違うとするなら一体どのような点が違うのでしょうか? (振幅は同じでしょうから、波長の形状とかですか?)
これを利用すれば、健常者には黄色一色でも、色盲の方には絵に見える画像を作ったりもできるのでしょうか?
また、半分ずつ塗り分けた独楽(コマ)をまわすと混色になる、という小学生のお遊びなんかを見ると、赤と緑の混色というのが錯覚的なもののような気がするのですが、光の混色も錯覚的なものなのですか? それとも光の混色と独楽の混色は別の原理なのでしょうか?
詳しくご存知の方教えてください。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
詳しい話は、下記リンクに任せます。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Spotlight/1 …
http://desperadoes.biz/color/color01.php
http://health.goo.ne.jp/medical/search/10A90700. …
http://www.tmd.ac.jp/med/phy1/ptext/vis_col.html
http://web.sfc.keio.ac.jp/~watanabe/cog4.htm
私は、あえて、やや不正確ですが、シンプルな説明をすることにします。
光のスペクトルにおいて
赤(R)の波長は700nm前後
緑(G)の波長は520nm前後
青(B)の波長は460nm前後
です。
人間の色覚は、これら3つの種類の光を検出する、3つの「検出器」が目や脳の中にある、という、概ねのモデルで、まずは考えましょう。
それぞれの「検出器」は、例えば700nmジャストの光にだけ反応するわけではなく、ある程度、幅を持った感度特性を持っています。
ですから、赤と緑の中間の波長の光は、赤の検出器に半分引っかかり、緑の検出器に半分引っかかり、といった具合に検出され、これを人間は黄色と判断します。
しかし、これは、あくまでも単波長の光の話です。
2種類の光、例えば赤の光と緑の光が同時に眼に入ると、これも人間は黄色と判断します。なぜならば、人間にとっては、先程の状況、すなわち、赤の検出器と緑の検出器に半分ずつ検知された先程の状況と、全く同じに感じられてしまうからです。
これが混色です。
色盲の場合、3つの検出器のうちの1つの特性が健常者と違う特性になっている、というモデルで考えることができます。
ですから、単波長の黄色が眼に入射したものと、RとBの2波長が同時に入射したものとで、健常者と違う色に感じられるのは、当然のことでしょう。
>・・・という原理を利用しているという認識であっていますか?
→合っています。
>赤い光と緑の光による黄色の光というのは、ただの黄色の光と何も変わらないものだと思っていましたが、これは違うのでしょうか?
→違います。
>違うとするなら一体どのような点が違うのでしょうか? (振幅は同じでしょうから、波長の形状とかですか?)
→上述の通り、光のスペクトルを見たとき、単波長(ピークが1箇所であるか、2波長(ピークが2箇所)であるかの違いです。
>これを利用すれば、健常者には黄色一色でも、色盲の方には絵に見える画像を作ったりもできるのでしょうか?
→可能です。
>光の混色も錯覚的なものなのですか? それとも光の混色と独楽の混色は別の原理なのでしょうか?
→上述の通り、光の混色自体は錯覚ではありません。
→コマの混色は、上述した普通の混色と、眼の応答速度(遅い)との複合現象です。(残像みたいなものです。)もしも、コマの混色が起こらないぐらい人間の眼の応答速度が速ければ、ブラウン管テレビの画面を見たとき、オシロスコープのように1つの点が走査する「真の姿」が見えてしまうかも。(※)
まあ、ブラウン管のテレビの原理も、あなたの言葉を借りれば、錯覚を利用したものです。
※
余談ですが、ブラウン管の画像をビデオカメラで撮影すると、横線が入ったり画面の半分が暗く見えたり、というように変なことが起こりますが、これは、ブラウン管の画面全体が一斉に光っていないためです。(走査周期とカメラの特性とが中途半端に同期してしまうため。)液晶テレビだと、ビデオカメラで撮っても、そういった変なことは起こりません。(液晶画面は、常に画面全体が光っていますので。)
非常に詳しい説明ありがとうございました。
よく理解でき、なるほどといった感じです。
これから教えていただいたURLを見てきたいと思います。
ご丁寧にありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
> 赤い光と緑の光による黄色の光というのは、ただの黄色の光と何も
> 変わらないものだと思っていましたが、これは違うのでしょうか?
「赤色光+緑色光の黄色」と「黄色光」とでは、波長が違います。
それが同じに見えるのは、光を知覚する目と脳の仕組みによるものです;
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1532708
上記URLで使用したのと同様の図で、赤色光に対して色覚異常がある
場合を、模式図的に示します;
感度
↑____A____B
|____/\__/\ C
|___/__\/__\____ ←色覚異常による感度の欠損
|__/___/\__/\___\
|_/___/__\/__\___\
____a__b__c__d__e__f__g →波長
_____青___緑_黄_赤
(色弱の場合、実際の感度が完全にフラットになるわけではないと
思いますが、作図上の関係で、ピークがない形に描いています)
(色盲の場合は、Cの感度は全領域で0でフラットになります)
1)「強さ1の黄(e)の光が当たった場合」と、
2)「それぞれ強さ1/2の緑(d)と赤(f)の光が当たった場合」での
脳が受ける刺激を考えます。
色覚が正常な場合は
「1)」「2)」の場合とも「A=0,B=1/2,C=1/2」
(→上記URL参照での説明を参照)
となりますが、赤色に色覚異常がある場合は
「1)」の場合は「A=0,B=1/2,C=1/2」
「2)」の場合は「A=0,B=1/2,C=1/4」
(強さ1/2の赤(f)の光に対し、感度1/2なのでC=1/2*1/2=1/4)
とそれぞれで異なり、色覚が正常な人が「同じ色」と見た光強度では、
色覚異常の人には同じ色に見えません。
アノマロスコープは、このことを利用して色覚異常の判定を行っている
ものと思います。
(黄(e)と同じに見えるように、緑(d)と赤(f)の光の強度を変えていく。
上の例では、「緑(d)の強さ=1/2、赤(f)の強さ=1」のとき、
「A=0,B=1/2,C=1/2」となって、黄(e)と同じ色に見えるようになる)
なるほど、感覚器が三つしかないために、波長というよりその三点の波長高が重要となるわけですね。
図まで描いていただいて助かりました。
ご説明ありがとうございます。
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