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様々な論文で、astrocyteのマーカーとしてGFAPの抗体を用いているのをよく見かけます。ある細胞がastrocyteかどうかを知るには、GFAPの抗体で免疫染色するしかないのでしょうか? そもそも、GFAP発現=astrocyteはどの程度確かなのでしょうか?

A 回答 (1件)

今手元に文献がないので、経験上で書き込んでいますので、ちょっと正確には自信がないのですが、回答がすぐに得られていないようだったので、どなたかgliaご専門の方が覗いていただけるのを期待して…。



私もastrocyteの染色の際にマーカーとして当然のように抗GFAP抗体を使用していましたが、文献上ではGFAPは通常、astrocyteの他に末梢神経組織のシュワン細胞や網膜の一部の細胞(ごめんなさい。名前忘れました)に存在するとされます。しかしマーカーとして使用するにはこれ以上ないというほど特異性に秀でている物質でしょう。中間径フィラメントファミリーの一つで、ビメンチンやデスミンと類似性を持つ蛋白であり、astrocyteの胞体から突起の先端にわたって形態が明確に染色され、非常に汎用性が高く、説得力のあるマーカーであることは確かです。

しかし、Alzheimer病等で検出される神経原線維変化(最終段階のghost状のものは特に)等の異常構造物にGFAP陽性物質の沈着が認められます。これはgliaの反応の痕跡と言われたりしていますが、神経原線維変化の場合、その細胞体の全体にベタッと陽性に染色されます。GFAP自体の存在意義はノックアウトマウス等の実験によってもまだ完全に解明されている訳ではない(GFAPノックアウトマウスでも特に神経系、生殖系の異常はなかったらしいですが、ちょっと古い情報ですので参考までに)ので、どうしてそのようなフィラメント蛋白がそのように沈着するのかはあまり明確に説明されていないのが現状です。(このような神経の異常構造物にはglia由来の多種の蛋白や免疫グロブリン、サイトカイン、補体成分等も検出されますが、免疫反応に関与する物質についてはそれなりに納得のいく説明ができるのですけど)

しかし、astrocyteであっても、神経原線維変化のように完全に変性したもの(glial fibrillary tangles)では、GFAPが陰性化してしまうことがあります。
この場合、GFAPの他にもastrocyteの生存を示す物質(CD44等)も共に陰性化したりしますし、これらは神経原線維変化と同様に細胞骨格関連蛋白のタウ蛋白が変性してしまいます。

価格的にも、また論文でastrocyteの存在や関与を説明する際にも、非常に扱いやすく、説得力のあるマーカーであることには違いありません。その他の物質は他のoligodendrogliaやmicrogliaにも共通して分布したりすることが多く、GFAP以外をマーカーとして使用することは却って難しいかも知れません。

だらだら長く書きましたが、私自身はgliaの専門家ではないので、どなたかgliaについて知識を持たれている方がこの質問を覗いていただいていたらいいのですが、PubMedで一度検索されてみるか、glia関連の専門書(これだけでもかなりの厚さの本があったりします)を参照していただけたら、ki-mさんの望まれている詳細な情報が得られるかも知れませんね。

いまいち参考にならない回答でした。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
実際に抗GFAP抗体を使ったということで、大変勉強になりました。
glia関連の書籍にもあたってみたいと思います。

お礼日時:2002/01/08 03:20

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