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No.4
- 回答日時:
デカルトの「情念論」という本が思い浮かびます。
情念(愛憎とかそういう感じ)について延々と述べています。小さい項目にわけて書いてあるので少し読みやすいかも。スピノザも「倫理学(エティカ)」で情念について述べています。こっちは数学の証明みたいなスタイルで淡々としています。
古代ギリシアではストア哲学かな。禁欲的で心の平静を保つために、情念を退けることを目標としていました。
同時代に快楽派と呼ばれるエピクロス派があります。快楽と言っても情念や性欲などを満たそうという快楽ではなく、苦痛のない状態を保つことがエピクロスの快楽です。情念や性欲は満たしても満たしきれないので、かえってこれらについては禁欲的です。
あとは仏教の禅宗の思想が私としてはとても優れていると思います。信仰というより心理学的な面がとても参考になりました。
私個人としては情念を克服しようとする派ですね。憎しみや性欲なんていらん!と思っていますから。気を抜くとまだまだとらわれてしまいますが。情念が絶対に悪というわけではなく、そのあたりは各々の価値観ですからね。私は要らないってだけで。
No.3
- 回答日時:
愛と憎しみ、そして性欲というのは、
感性あるいは心理的な問題ですので、
20世紀に至るまで哲学的には扱われなかったように思います。
たしかに、プラトンは『饗宴』でエロスを主題としていますが、
ここではエロスは最終的に、
知への愛を具体的にあらわしたものとして、
人間を真・善・美へと駆り立てる超自然力(理性を超えた力)
として語られていますので、おそらくご質問には合わないかと
思われます。
では、いつ、あるいは誰が思想史的に見て転換点となったか、
と言えば、私はフロイトとニーチェだったと思います。
『夢判断』や『精神分析入門』などで有名なフロイトは、
多くの思想的な著作(たとえば、『文化への不満』、『幻想の未来』)
を残しています。
彼は人間を常に、愛・憎しみ・性欲というものに支配された存在と
見なしていたと思われます。
他方ニーチェは、存在の根底を成り立たしめる基盤として、
デュオニソス的なものを挙げます。
デュオニソス的なものとは、節度・理性あるアポロ的なものとは反対に、
苦痛や喜びなどの根源的な生のことです。
これは、初期の著作の『悲劇の誕生』で言われていることですが、
結局ニーチェは、ヨーロッパが築いてきた科学や道徳などは、
人間が何であるかはまったく解き明かしていないことを告げます。
ニーチェは、人間を人間たらしめているのは、
キリスト教の教義や従来の哲学では
説かれなかった、暗い衝動だと考えます。
それゆえ、後の『悦ばしき知識』(Die froehliche Wissenschaft,1882)
においても、
「人間の生活に色彩を与えてきたものの何一つとして、
いまだその歴史を所有していない。
人は恋愛(Liebe)の、貪欲(Habsucht)の、羨望(Neid)の、良心(Gewissen)の、
信心(Pietaet)の、残酷さ(Grausamkeit)の歴史を持ち合わせているだろうか?
これまでのところ人は、
法律の、あるいは単に刑罰の比較史さえも完全に欠いているのだ。」
(第1章・7)
http://gutenberg.spiegel.de/nietzsch/wissensc/wi …
というように、それまでの学問の不備を訴え、
人間の哲学を考えました。
このフロイトとニーチェの影響を受けた人はかなりいますが、
なかでも、愛や性欲というテーマに関して哲学者の名前を挙げるとすれば、
やはりミシェル・フーコーでしょうか。
上記のニーチェの言葉をそのままライフワークにしたような人です。
フーコーは、ニーチェの著作もよく読んでいますし、
大学では精神病理学を修め、若い頃は大学で心理学を教え、
フロイトも扱っていました。
フーコーの著作には、
『狂気の歴史』
『言葉と物』
『知の考古学』
『知への意志 性の歴史1』
『快楽の活用 性の歴史2』
『自己への配慮 性の歴史3』
というようなものがあります。
したがって、私が勧められる著作としては、
フロイトの自我やエロスを扱った著作、
ニーチェの『善悪の彼岸』や『悦ばしき知識』、
フーコーの『知への意志』他、です。
しかし、本当は、
バタイユの『文学と悪』を読んでから、
サドを読まれることをおすすめし、
そしてフロイトなどを読んだ後に
ラカンの『エクリ』をおすすめしたいのですが、
私自身がまったく理解できないので、書けません。
とうにご存知のことかもしれませんし、
答えになっているかどうかわかりませんが、
以上で失礼します
No.1
- 回答日時:
こんにちは。
参考URLをあげてみました。
ここには宗教を超えた回答があり
読む価値のある本だと私は思っています。
物欲ばかりのこの世界ですが
少しの役にでも立てることを願っています。
参考URL:http://www6.ocn.ne.jp/~yukio/index.htm
この回答へのお礼
お礼日時:2006/02/01 20:29
ご回答ありがとうございます。
山村幸夫さんですね。
この方は、イエスが目の前に現れた、など言っている方ですよね?
個人的には少し抵抗を感じてしまいます。
機会があったら読んでみようと思います。
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