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講義で
「ピリジンの塩基性が一般のアミンに比べて低いのはなぜか」
と問われました。そこで私は
「アルキル基から窒素へ電子が押し出されカチオンを安定化するためアミンの方が塩基性が高い」
と答えたのですが
「間違いではないがそれではアミンの塩基性が高い理由に過ぎない」
とあっさりつき返されてしまいました。

答えを知りたく、講義が終わってから質問に行ったところ、
“窒素上の孤立電子対”“s性”というヒントだけ頂けました。
が、s性と聞いても“電子がs軌道上にいる割合”というイメージしかなく、
ピリジンの塩基性とのつながりが良く分かりません。

どなたか、ご教授いただけないでしょうか。
よろしくお願いします。

A 回答 (5件)

脂肪族アミンがアンモニウムになると、Nの混成はsp3になるのに対して、ピリジンがアンモニウムになったピリジニウムの場合には、Nの混成はsp2になります。



たとえば、sp2混成のエチレンとsp3混成のエタンとを比較した場合に、前者の方が強い酸であることはご存じですよね?
そのことからも類推できますように(というか、それと同様の理由によって)sp2混成であるピリジニウムの方が強い酸であるということになります。
これは、裏を返せばピリジンの方が弱い塩基であるというのと同じ意味になります(ブレンステッド-ローリーの酸塩基の定義を思い出して下さい)。

それでは、なぜ、エチレンの方がエタンよりも強い酸であるかということは、s軌道の方がp軌道よりも小さいために、原子核の近いところで強く引きつけられているからであると説明されます。つまり、s性の大きい軌道(ここではsp2)の方が、電子対が中心原子に強く引きつけられており、結果的にH+を放出しやすくなり強い酸になるということです。

・・・少し難しかったでしょうか?

この回答への補足

ご教授ありがとうございます。

sp3混成軌道ではs性25%、sp2では50%でしたっけ?
講義では確か“s性”=“電子がs軌道にいる割合”というニュアンスで説明を受けました。

sp3混成とsp2混成とでは、sp2混成の電子のほうががs軌道に沢山いて、
平均的に見ると、sp2混成軌道のほうが電子が原子核の近くにいる
というイメージで捉えて差し支えないのでしょうか?

質問を重ねてしまい申し訳ありません。

補足日時:2006/02/01 17:24
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おじゃまします。

最近ご無沙汰なんで覗かせていただきました。
#2(4)様が相変わらず的確な答えをされているので、出番がないです。(爆)
さて、炭素や窒素の混成の場合(もっと重い元素でも良いのですが)s性、p性を考えるとき、四つの軌道全部を考える癖を付けてください。
そうすると、軌道一つの性質だけでなく軌道間の角度や原子の問題になっている原子以外の原子と結合状態も良く理解できます。
s*1+p*3ですとpは一番大きく広がり、もちろんs性はゼロ、p相互の角度は90度。
sp*2+p*2ですとspのs性は50%、sp同士は同一直線上にあり180度、pとの角度はやはり90度。
sp2*3+p*1ですとsp2のs性は33%、sp2同士は同一平面上で120度、pはこの面に垂直。
sp3*4ですとsp3のs性は25%、全てのsp3軌道が正四面体の頂点方向へ向いています。
なおこの考え方はライナス・ポーリング先生が化学者に結合の概念を理解しやすくするために導入して下さったものだと、思うのですが…。(ポーリング先生有り難う)軌道は自分とユニタリ共役な函数と全空間積分したとき一になり、他の軌道と同じ積分したときゼロになる(これは絶対ではないハズ)セット、物理学で言う直交基底でありさえすれば、どんな組み合わせで「混ぜて」も良いので、反応時には「頭を柔らかく」しましょう。^^
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます

> ユニタリ共役な函数と全空間積分したとき

う゛ぅぅぅ・・・(汗)
まったく未知の言葉のオンパレードです(滝汗)

お礼日時:2006/02/04 00:36

No.2です。


補足の部分に関しましては、No.3でご回答いただいているとおりだと思いますので、特に付け加えることはありません。念のため(^ ^;)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

S性の高さと軌道の形との関連性が
なかなかイメージすることができないといいますか、
消化不良を起こしている感じです。

電子軌道についてはまだ詳しく学んでおらず、
(無機化学の講義で概論をかじった程度ですし・・・)
やはり今の知識量で、この事柄を完全にイメージしようとするのは
無理があるのでしょうね。

お礼日時:2006/02/04 00:17

もうすでに回答が出ていますので参考にならないかもしれませんが・・。



なるべくわかりやすく説明したいです。

脂肪族のアミンはsp3で、芳香族のアミンはsp2ということはおわかりですね?
この際、S性もしくはP性で解決できます。

S性を考える場合・・・
sp3(S性は25%)、sp2(S性は33%)、ちなみにspのS性は50%。sp3はsp2に比べてS性が小さいですね。これはどういうことかと言うとS軌道を見てわかるようにギュッと原子の周りに電子を固める(閉じこもる)性質です。このギュッと閉じこもる強さはsp2の方が強い(S性が大きいから)=原子に電子が閉じこもる=プロトンが解離しやすい=酸性が強い。つまり塩基性が弱いということになります。

P性を考える場合・・・
塩基を考える時はこちらの方が良いかも。
今回は逆です。
sp3のP性は75%、sp2のP性は66%、spのP性は50%。
P性はsp3が強く、sp2が弱いですね。
これはどういうことかと言うと、P性はP軌道を見てもわかるように、大きく突き出した形をしています。つまり電子という手が長いイメージです。手が長い方がプロトンを取りやすいですよね?つまりsp3の方がプロトンを取りやすい=塩基が強いということになります。




ちなみに、sp3のS性は・・sが一つ、pが三つあるからそれぞれ25%、75%です。
下の方で計算が少し違っていましたので・・。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

> 下の方で計算が少し違っていましたので・・

うる覚えだったので・・・お恥ずかしい(汗)
どうせなら書かなければ良かったですね(滝汗)


> S性、P性

軌道の形と塩基性の関連性は皆様のお蔭様を以って
十分に理解することができたのですが、
やはり、混成軌道のS性が高いとなぜ軌道の形がヘしゃげるのか
言葉の上での理解はできたのですが、イメージがうまく掴めません。

丁寧に説明していただいたにもかかわらず
申し訳ないです・・・

お礼日時:2006/02/04 00:01

ピリジンの塩基性が低い理由は、N原子の電子状態、詳しく申しますと混成軌道がもっとも大きな原因でしょう。

通常のアミンはsp3ですがピリジンは複素環を形成するためにsp2混成軌道です。
そのためN原子上の非共有電子対(孤立電子対)がより強く核に束縛され(s性が強くなり)、プロトンに与えたがらなくなります。

恐らく担当教官の意図する回答ではないでしょうか。
私も数年前に同じ質問をされたことがありましたのでww

この回答への補足

ご教授ありがとうございます。

そうそう、sp3混成、sp2混成…とs性が高くなるんでしたね。
すっかり忘れていました。

孤立電子対が原子核近くに引き付けられていると
塩基性が高くなることは理解できるんですが、
なぜsp2混成軌道のほうが電子を原子核近くに引き付けるのか
さっぱりイメージがわきません(汗

補足日時:2006/02/01 17:08
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この回答へのお礼

誤って補足にお礼を申し上げてしまいました。
申し訳ありません・・・。

前にも同じミスをしてしまったことがあって
気をつけようと思ったのですが・・・

本当に申し訳ないですm(_ _)m

お礼日時:2006/02/04 00:04

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