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OH-(水酸基) と CH3O-(メトキサイド)の安定性を比べた場合ってメトキサイドのほうが不安定ですよね?ちょっと疑問に思ったのですが、エステルの塩基による加水分解のとき、塩基がカルボニル炭素を攻撃した後に、なぜ攻撃した水酸基ではなくR-O-が抜けるのですか?脱離能のよさは、その抜けた基の安定性でしたよね!? それとも水酸基が抜けたらまた最初のエステルに戻るわけで、これを分解されるまで繰り返すのですか?それだったらその反応はそれ自体行かないはず(エステルと塩基として存在していた方が安定)では?
 いままで当たり前だと思っていたので考えることありませんでした。
ひょんなことから昨日気づきましたので。

くだらない質問かもしれませんがすいません・・・。
お願いします。

A 回答 (5件)

用語の問題と言えばそれまでですが、エステルのケン化におけるOH-の作用は塩基というよりは求核剤と考えるべきでしょう。

ここでのOH-の作用は塩基としてのもの(すなわちH+を奪う作用)ではなく、求核剤としての作用(C=Oへの求核付加)です。

さて、本題ですが、OH-とCHO3-の塩基性は同程度ですから、両者の脱離能が同程度であると考えるのは妥当でしょう。
つまり、下式においては平衡が成り立っており、両辺がほぼ同等であると考えられます。
R-COOCH3 + OH- ←→ R-COOH + CH3O-
しかしながら、この反応の平衡はこれだけではなく、下式のような酸塩基平衡も存在します。
R-COOH + CH3O- ←→ R-COO- + CH3OH
すなわち、ご存じのようにカルボン酸はアルコールよりもずっと強い酸ですので、この平衡は一方的に右に偏っています。

これら2つの平衡が存在するために、全体の平衡としては、カルボキシラートアニオンとメタノールが生じる方向に一方的に進むことになります。
R-COOCH3 + OH- → R-COO- + CH3OH

要するに、この系で重要なのはOHとOCH3の脱離能の差ではなく、R-COOHとCH3OHの酸性度の差ということになります。

ちなみに、酸触媒のエステル化あるいはエステル化の加水分解の場合には、後半で述べたような平衡は重要ではありませんので、OHとOCH3の脱離能の差が重要になってきます。
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#2,4様が詳細に述べられているので、蛇足だけ。


まず。
>OH-(水酸基) と CH3O-(メトキサイド)の安定性を比べた場合ってメトキサイドのほうが不安定ですよね?
これが理解できないのですが、これは標準生成エンタルピーのことですか?それとも共役酸のpKaの事ですか?その他のことでしょうか。
もう一つ、
このようないわゆる鹸化やエステル交換などの場合、生体内でうまく立体的に阻害されている場合を除き、「熱力学支配」で進みますので、濃度の問題を忘れないで下さい。
おしまいに、
酢酸などのカルボン酸の二つの酸素は、非常にうまく酸解離を抑えてやらないとスクランブルしますので、#4のお答えにある18OH2の実験はかなり大変だった様に覚えています。
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この回答へのお礼

共役酸としてのお話です。説明不足でした・・・(泣)。反応機構における中間体一点にとらわれすぎていたようです。ありがとうございました。

お礼日時:2006/02/03 04:20

No.2です。


念のために追加します。No.2で示した、
R-COOCH3 + OH- ←→ R-COOH + CH3O-
は、OH-とCH3O-の脱離能の大きさに基づく平衡で、
R-COOH + CH3O- ←→ R-COO- + CH3OH
は、R-COOHとCH3OHの酸性度の差に基づく平衡です。
全体をまとめれば、下式のようになり、右側の平衡の偏りに基づいて全体が右に偏るということです。
R-COOCH3 + OH- ←→ R-COOH + CH3O- ←→ R-COO- + CH3OH

ついでに書いておきますが、エステルのアルカリ加水分解の機構は多くの有機化学の教科書に書かれています。極めて特殊な場合を除き、エステルのアルコール側のC-O結合(ここではCH3-Oの結合)が切断されることはありませんし、メチルエステルはその「極めて特殊な場合」には該当しません。こういったことは、質量数18の酸素を含む水で加水分解する実験で確認されています。
したがって、OH-とCH3O-の脱離能の差を議論することには意味があると思います。ただし、全体の平衡の関係で、それが決定的な要因にはならないということです。
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この回答へのお礼

すごくわかりやすかったです。全体的な平衡としての考え方はこれから役に立つと思います。ありがとうございました!

お礼日時:2006/02/03 04:16

アルカリ下でのエステルの加水分解機構が以下のようなものだとしたら、


OH^-・CH3O^-の脱離能にも矛盾を生じないと思いますが;

CH3-C=O
     |
     O-CH3

     ↓+OH^-

     OH
     |
CH3-C-O^-
     |
     O-CH3

     ↓+H2O

     OH
     |
CH3-C-OH + OH^-
     |       |
     O-CH3 ←┘

     ↓

     OH
     |
CH3-C-OH
     |
     O^-  + CH3OH

     ↓-CH3OH

     OH
     |
CH3-C  + OH^-
     ||
     O


この機構で正しいのか、CH3O^-での脱離が正しいのかは、

CH3-C=O
     |
    *OCH3    

の「*O」を「18O」にしたもので実験を行えばわかるとは思いますが・・・。
(CH3O^-で脱離するならメタノール側に18Oが、上記機構で進むなら
 酢酸側に18Oが残るはず)


なお、蛇足ですが、「R-COOH + CH3O- ←→ R-COO- + CH3OH」の平衡の偏りは、
CH3O^-が発生した後に効いてくるもので、エステルからの脱離のしやすさとは
別の話と思います。
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この回答へのお礼

このような反応機構も存在するのですか?勉強不足でした・・・。ありがとうございました。

お礼日時:2006/02/03 04:14

脱離能のよさは、確かに脱離基の安定性によるものですが、上記のエステルの場合、反応を実際に書いてみてください、塩基がカルボニル炭素を求核攻撃した後、脱離するときには単純に離れるのでしょうか?もしそうだとしても、水酸基とメトキサイドを比較するのではないのでは?O2-とメトキサイドもしくはO-とメタノールを比較する必要がありませんか?実際には反応中間体を考えると良いと思います。

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この回答へのお礼

比較する対象がちがうのですね?単純に離れるように教科書ではみえるんですが・・・(笑)
もう少し勉強してみます。

お礼日時:2006/02/03 04:12

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