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鎌倉とかでも見たことありますが、「一円知行」とは、正確にどういう意味なのか知りたいのです。「誰も入れずに、すべて自らの手で管理する」みたいな意味かと解釈しているのですが、いかがでしょう。詳しい方、教えてください。

A 回答 (2件)

一円知行ということはまとまった領域のすべての権限を一元的に掌握して支配することです。


中世の支配は、たとえば荘園でもひとつの地域をまとまって支配するのではなく、あちらの田、こちらの畠と分散的に支配権を持っているのが普通でした。これだけなら江戸時代にもありましたが、それだけではなく土地の支配とそこにいる人民の支配が違ったり、収穫物の一部についての支配権を持っていたりと、ひとつの土地でも重層的な支配があるのが普通でした。
そういう重層的、分散的な支配権のすべてを掌握したのが一円知行です。
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手持ちの電子辞書から引用します。



◆広辞苑
中世、他人の支配をまじえず、単独で完全に所領を支配したこと。一円領知。

◆百科事典
中世、一個の支配権力が、一定の地域を独占的に支配すること。その土地を一円地・一円知行地などという。荘園や公領の土地、得分にたいしては、さまざまな支配権が重層していたが、南北朝期以降次第に整理され、一定の土地に対する領主の独自な支配が行われるようになった。

◆日本史事典
一定の土地を単一の領主が完全に知行し領有すること。
一円地行の土地を一円地というが、中世の荘園では一円地は少なく、領家・預所・地頭などの諸権利が複雑に重なっていた。その後、武士勢力が強まり、特に地頭の荘園侵略が進むと、請所・下地中分・半済などの方法により、しだいに領家の勢力は排除され一円地行の実現に向かった。

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中世において、荘園(私有地)から上がってくる年貢・公事・夫役などの税金の類が、中央の公家や有力寺院、またそれらから派遣された集金人のような事務方、荘園を開発した地元の領主などに分配されていた訳です。

これら重層的な収益権を1人の支配者が握ったことを一円地行と言います。南北朝から戦国に至る間に徐々に進み、太閤検地で一地一作人一領主が実現して荘園が消滅しました。
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