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高校生向け現代社会の問題集の問題について質問です。

「大衆社会では、すべての国民が政治に参加できる( ? )となっている。」

の空欄に当てはまる言葉を記号で選ぶのですが、
選択肢としては「民主制」と「大衆民主主義」の2つがあり、
私は「民主制」を選びましたが、答えは「大衆民主主義」のほうでした。

この2つの違いは、どんな違いですか?
「民主制」と「民主主義」にも、微妙な意味の違いがあるのでしょうか?
解説がないタイプの問題集なので、
理解のために是非アドバイスお願いいたします。

A 回答 (4件)

「大衆民主主義」よりも「民主制」の方がずっと広い言葉です。


「大衆民主主義」は「民主制」の一形態だと捉えることができるでしょう。
他にも社会民主主義とか人民民主主義とか、草の根民主主義とかさまざまな言葉があります。

この設問は前近代から近代への移行を問題にしたものか、近現代の民主政治の特色について問題にしたものだと思いますが、「民主制」は近・現代の大衆社会に限らず幅広く存在するものですので、「民主制」では文意が通じません。
ですから、これは「大衆民主主義」の意味がはっきりとわからなくても解ける設問なのです。
この場合、近代的民主政治の特色を表す言葉として「大衆民主主義」を入れるのが正解となります。

「大衆民主主義」の細かい意味ですが、他の回答者が回答しているように、前近代や古代の民主主義との対比と言えます。大衆民主主義とは、産業革命後労働者の「大衆社会」が生まれ市民革命が成し遂げられたあとに実現する民主制のことです。市民革命前夜のヨーロッパでは、王侯貴族などの特権階級を中心とした政治制度が成り立っていましたが、産業革命や市民革命が成し遂げられることにより、王侯貴族などの特権階級だけではなく、下級の労働者や市民なども含めた社会、「大衆(化)社会(=mass society)」が成立していくことになります。
結果、量的に勝る一般の労働者が社会の中で大きな力を持っていくことになるわけです。
一部の財産や地位を持つものだけではなく、社会の構成員の殆ど全て(=mass)によって成り立つ民主主義、それを「大衆民主主義(=mass democracy)」と言います

一般の労働者が経済力をつけ、「一億総中流」と呼ばれる今日の日本では少し感覚としてわかりにくいかもしれませんが、この時代の一般労働者と貴族や資本家との階層化は顕著で、上流階級中心の前近代と対比する言葉として用いられます。
この時代には階層化が顕著であったことと、産業革命や市民革命により「下」にあった階層が、量的にも質的にも力をつけたことを頭に入れておくと良いと思います。
このような背景の元に「大衆民主主義」「社会主義」「共産主義」などさまざまな発想が生まれてくることになります。

また、受験のテクニックとして、時代や状況など、何か特定の条件のもとに「××」について問う設問が出たときは、「××」を特定の言葉(この場合なら「大衆」)で修飾し、限定した言葉が答えに来ると言って良いと思います。



>もし「大衆民主制」と「大衆民主主義」が選択肢にあったならば
>「大衆民主制」のほうが望ましいのですよね。
用語として一般的なのは「大衆民主制」よりも「大衆民主主義」の方です。
"-cracy"というのは特定の方法、または特定の属性にある人たちで統治される社会や国、政府を表す接尾辞で、"demo-"というのは「民衆」や「人口」を表す接尾辞です。それに対して"-ism"というのは社会や統治機構そのものではなく、「特定の方法」にあたる言葉なので厳密には#2さんの方が正しいのかもしれません。
特に細かい解釈の問題を問題にしている特殊な設問でなければ(国語とかにありそう)、こういう問題が社会科の問題で出題されることは滅多に無いと思いますが(社会科で出題されても多分両方正解)、用語として一般的な方を選んで良いと思います。
用語として一般的に、「○○民主制」と使われるのは主に間接民主制(代表民主制)と直接民主制で、それ以外は殆ど「○○民主主義」として使われると言って良いと思います
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 こんばんは。


 
 大衆民主主義とは、市民社会成立期の古典的民主主義が土地所有者と「教養と財産」を有する社会的名門の上に成立していたのに対し、工業化が進み資本主義のあり方が変わって、大衆社会が出現してきたのに伴って成立した民主主義のことです。
 
 これを自由主義と対比すると、「国家からの自由」と「国家による自由」の違いですね。
 
 現在は高度工業化により国民の大部分が労働者になったともいえますが、その実態は国民の大半が餓えと弾圧に苦しむプロレタリアートから中間層に移行し、大衆が一定の教養と財産をもつものとなった訳です。また古い議会政治は地域利害の代表を原理としています。これは大衆化時代に沿いません。現在の大衆の意見といわれるものはジャーナリズム、マスコミ等で造られるもので、本質的な大衆の個人の意見は現れていません。このような条件の下に於いて、大衆的意志を統一した圧力団体を強化し、現在の社会・政治をより改良しようとするものや、資本主義の存在そのものを否定し、大衆を主体にした社会を実現し、直接民主主義にすべきであるとするものなどに分かれています。
 
 “民主主義”は単に“Democracy”の邦訳とされていますが、“主義”を表す“~ism”ではありません。“民主制”という邦訳が本来の意味に近いといえるでしょう。このDemocracy自体が君主制や貴族制と対応する概念ですから、民主主義という邦訳は誤訳といっても過言ではありません。日本ではDemocracyが主義や理念のように考えられていますが、本来は「国民が参加する政治体制」という意味しか有していないと考えるべきでしょう。

>「大衆社会では、すべての国民が政治に参加できる( ? )となっている。」
 
 おそらく名望家政治(≒古典的民主主義)と大衆政治を対比する意図での問いだったのではないでしょうか。
 
 言葉足らずで申し訳ありませんが、お役に立てると幸いに思います。
 
ウィキペディア>民主主義:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%91%E4%B8%BB% …
 
>>
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この設問を理解するためには、民主制というだけでは、必ずしも全国民の参加を表現しているわけではない、ということを知っている必要があります。



たとえば、古代アテナイの政治も民主制といわれますが、政治参加できる市民は限られていました。また、時代が下って市民社会成立の頃の民主制においては、政治参加できる資格が性別や納税額などで制限されていました。

大衆民主主義とは、これらの民主制と異なり、「すべての国民が政治に参加できる」という特色があります。

この設問では、「すべての国民が政治に参加できる」という特色を踏まえた用語を選ばなければならないので、「大衆民主主義」が正答なのです。

ちなみに、日本ではdemocracyを一般に民主主義と訳しているので、研究者レベルならともかく、高校のレベルで「主義だから誤りだ」ということはありません。

また、すべての国民が参加できる制度を、直接民主制に限る見解は、間違いです。直接民主制と間接民主制の違いは、参加の態様にあるのであって、参加できる資格の違いにあるのではありません。
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この回答へのお礼

ご回答どうもありがとうございます。
なるほど、参加できる人が限られる民主制と
全員が参加できる民主制の両方があるので、
民主制というだけでは「すべての国民が参加できる」
制度を示す言葉としてはふさわしくないわけですね。
とてもよくわかりました。

派生した疑問のほうなのですが、この問題の場合、
もし「大衆民主制」と「大衆民主主義」が選択肢にあったならば
「大衆民主制」のほうが望ましいのですよね。

お礼日時:2006/02/13 15:59

すべての国民が参加できる民主制というのは、直接民主制を意味します。


現在ではスイスが唯一直接民主制かどうかという状況です。
日本など大多数の国は、間接民主制ですから、、、

大衆民主主義という言葉は初めて聞きましたが。
○○制というのは、制度のことですから、間接民主制が正しいです。

○○主義というのは、明文化された物ではなく、全体的な方向性を指し示していますので、大衆の参加が可能であるのは、制度ではなく、方向性であると言えると思います。
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この回答へのお礼

ちょっとよくわからないのは「間接民主制が正しい」というご指摘です。
これは、この問題の回答としては
「間接民主制」が最適、ということでしょうか??

また、ご回答の最後では、大衆の参加が可能であるのは
民主「制」ではなく民主「主義」・・・とも読みとれますが、
民主制というのは民主主義という方向性を明文化した制度で
それならば一部あるいは全部の大衆の参加も可能になるのではないですか?

うーん、なにかとんちんかんなことを言っていたらご指摘ください。
ご回答どうもありがとうございました。

お礼日時:2006/02/13 15:58

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