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高校生です。今私は、総合科学の授業で「イギリス王室と日本の皇室」について研究しているのですが、イギリス王室の財政のシステムがよく分からなくて困っています。
過去の質問を検索してみたところ、「イギリス王室の収入源は地代収入が主だ」という記述を見つけました。ということは、国家予算があてられている日本の皇室とは違って、イギリス王室は自分達で稼いだお金を使って生活しているということでしょうか?
また、同じ立憲君主国なのになぜそのような違いがあるのですか?

詳しく教えていただけると助かります。

A 回答 (2件)

 戦前の皇室は、大山林地主でもありました。



 敗戦直後の昭和21年の天皇家の財産は、土地がおよそ1万3400平方キロ(大体長野県位ですね)あり、殆どが山林(御料林)でした。それから、この当時は山に生えている木が売れますから、これも収入を支えることになります。
 また、株などの有価証券、美術品、現金、などさまざま引っくるめて、当時37億円あったようです。
#但し、宮内庁職員や、学習院や帝室博物館の運営、勲章の授与などの栄典などの現在国などが行っている業務もこの資産の運用益で賄われていました。これらは「神聖不可侵」の皇室に対して国会などが介入することを防ぐための措置です。

 ところが、敗戦後に、「財産税」ということで、33億円が納税されます。そのほかにも払いさげなどで1500万円ぐらいにまで目減りしたようです。
 これではやっていけない、ということと、公的な性格を持つ皇室の経済は国会を通すべき、という考えから、現在のように国家予算で皇室経済を賄うようになりました。
(以上は「天皇家の財布」  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106100 … より)

 一方、英王室の方ですが( http://www.u-net.city.nagoya.jp/international/bu … によると)

●英国皇太子の華麗な台所事情が初公開-年収は25億円- メトロ 03- 6-30
チャールズ英皇太子の年収は1,304万5,000ポンド(約25億4,000万円)。30日に皇太子家が初公開した資料で英王室の華麗な「台所事情」が明らかになった。26ページに上る資料によると、収入のうち994万3,000ポンドは、1377年以来皇太子が領主を務めることになっているコーンワル公領からの収入。この収入の運用で、株から債券などに乗り換えるという投資戦略の成功を背景に前年度を約27%上回った。国からの補助は約300万ポンドだった。

 注目すべきは収入の柱である「コーンウォール領」からの収入です。
 英皇太子は職務として皇太子につくと、「コーンウォール公爵」に自動的になります。
#同様にプリンス・オブ・ウェールズ(ウェールズ大公)、ロスシー公のタイトルも得ます。
 で、この「コーンウォール公」というポストには現在の所これだけにしかない特典、即ち領地がついてくるのです。領地ならば、当然”年貢”を取りたてることができるのです。
#あと、発掘された遺物の所有権を得たり、海岸で取れたチョウザメの献上を受ける権利なんて物もあります。後者の権利は近年、自然保護のために、密漁者を取り締まるための法令として活用された例があります。

 これらはポストについてくる収入で、個人の所有物ではないので、相続税というものはかかってこないのだと思われます(例えば、市長が変わっても、市の課税権は次の市長に引き継がれますよね。似たような物だと思って下さい)。

つまり違いは
1)王室の基礎財産の違い。特に皇室は戦後納税のために財産を失った。また、英王室は領地を依然として持っているので、相続税がかからない
2)王室に対する考え方の違い。日本の場合は、敗戦後に、皇室自体も国会でコントロールすべきと考えて、その様な法制となったが、英国の場合はそう言った過程がなかった
であると思います。
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この回答へのお礼

とても分かり易いご回答ありがとうございました。

チャールズ皇太子の収入情報も公開されていたのですね、驚きました。ポストについてくる収入がたくさんあるのですね。

詳しく解説していただいて、本当に助かりました。これからの研究にしっかり役立てていきたいです。
ありがとうございました。

お礼日時:2006/02/27 17:19

イギリス王室はこれまでの歴史から領地を持っておりそこからの収入がありますのでそれで運営できます。

またこれらの領地は個人的なものではなく、国王や皇太子の地位に付属していますので相続税で目減りしたりしないので安定した収入があります。
領地を持つのは王室に限らず帰属も同じですが、こちらは相続税などで目減りしたり、浪費して没落して土地を失った貴族もいます。
日本の場合はもともと政治権力や経済基盤を江戸時代には失っていましたから、固有の領地はなく、また戦争に負けて皇室財産も国のものになってしまいましたので、国家財政から支出することになったのです。
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この回答へのお礼

詳しいご回答、ありがとうございます。


>これらの領地は個人的なものではなく、国王や皇太子の地位に付属していますので相続税で目減りしたりしないので安定した収入があります。

私の勉強不足で申し訳ないのですが、相続税というものがまだよく分からないのです。簡単に言うと、他の貴族とは違って、王室は税金を支払っていないということなのでしょうか・・?


>日本の場合はもともと政治権力や経済基盤を江戸時代には失っていましたから、

日本の皇室が財政基盤を江戸時代に失っていたからというのは、「なるほどな」と思いました。それなら国家財政から支出するのも分かります。それがずっと現在まで続いているんですね。

お礼日時:2006/02/26 21:38

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