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受験勉強です。
イオン化エネルギーとイオン化傾向って全く関係ないものなのでしょうか?
またイオン化傾向はどのように決まるのでしょうか。周期表を見ても規則性があるようにみえませんが電気陰性度が関係するのでしょうか?

A 回答 (4件)

イオン化エネルギーは真空中で電子を取り外して無限に遠くに持っていくときに必要なエネルギーです.取り外す電子は別に1つに限りませんが,一つめと二つめではエネルギーに大きな違いがあります.一つめを取り出すのを第1イオン化エネルギーといい,ふつうイオン化エネルギーといえばこれです.二つめを取り出すのは第2イオン化エネルギーといいます.取り出した後のイオンも,電子も,真空中にぽつんと浮いている状態であることに注意してください.



イオン化傾向もたしかに電子を取り外すのですが,取り外された後のイオンの状態が,上の場合と大幅に違います.つまり,イオンは水の中にいるのです.水はイオンを強力に安定化します.だから水の中でイオン状態で存在できるのです.この効果の源はイオンに水の分子がくっつくことです.くっつき方には大きく2種類あって,一種の共有結合と言える配位 (水と錯体を作るということ) と,水分子の負電荷を帯びた酸素原子部分が静電気的にイオンにくっついてくる水和と呼ばれます.厳密な意味での配位がおこるかどうかはイオンの電子構造に依存します.配位の有無に関係なく,水和はおこります.この二つの効果によって,イオンは真空中にあるときより大幅に安定化します.

さて,問題は水によるイオンの安定化の程度が何によって決まるか,なのですが,これはかなり複雑で,イオン化エネルギーのように核荷電とのクーロン力を考えれば想像が付くというほど単純にはいかないのです.そのため,イオン化傾向の順序は一見意味不明に見えてしまいますし,その序列を正確に予想するのは極めて困難です.

なお,水の中でイオンが安定であることには水の誘電率が非常に大きいということも重要な因子ですが,この効果は電荷の大きさが決まればイオン種が何であるかには関係なく同じになるものなので,イオン化傾向の不規則性の直接の原因にはなりません.

また,電気陰性度というのは,イオン化エネルギーと電子親和力の両方の効果を考えたものです (Mulliken の電気陰性度).あるいは化合物の中でどちらに電子が偏りやすいかという事実の積み上げとして,適当に数値を振っていったとも言えます (Pauling の電気陰性度目盛り).ただ,Mulliken の電気陰性度と Pauling の電気陰性度は値はともかくとしてかなりよい対応を示すので,結果的にほぼ同じ意味を持っています.
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受験生と言うことで高校化学レベルで説明してみます。

まず両者の定義。

イオン化エネルギー
→気体状態の原子から電子を一つ奪うのに必要なエネルギー(≒原子が1価の陽イオンになる時に必要なエネルギー)

イオン化傾向
→酸化還元反応のしやすさの指標。(金属の場合、イオン化傾向が高い→酸化されやすい→イオンになりやすい)

高校ではあまり学習しませんが、イオン化傾向とはNo.1の方が書かれているように実際は
「標準酸化還元電位」という物質の電子の放出のしやすさの指標を序列化したものです。
この標準酸化還元電位。どうやって測るか簡単に説明すると、ある基準の電極と、目的の物質(金属など)の電極を用いて電池を作り
その電池で起こった反応を調べます(具体的には電池の電圧を測定します)。
そうすると電流の流れる向き(=電位差が基準に対して+か-か)より目的の物質が基準と比べて酸化しやすいのか還元しやすいのか?
電圧の大きさからどれくらい反応しやすいのか?が分かります。
ここで、基準には何を用いるかと言うと「標準水素電極」という基準を用います。
イオン化傾向に「H」がありますが、それが基準です。水素と比べた酸化or還元のしやすさを並べたのがイオン化傾向です。
因みに、陰イオンに対しても酸化還元電位は定義されているので、陰イオンのイオン化傾向も存在します。
順番としてはSO3>NO3>OH>Cl>Br>Iです。
電気分解でSO3やNO3が酸化されず、OHやH2Oが酸化されるのはこれが原因です。

長々と説明してしまいまいましたが。両者の違いは何か?
イオン化傾向は電池内の化学反応、つまり溶液中での化学反応を扱います。
実際、自然に起こる反応を扱うので、当然AlならAl3+、MgならMg2+になる時の反応を扱います。

一方、イオン化エネルギーは「気体状態の原子」というものを扱っています。
しかも原子の種類にかかわらず「電子を一つ奪う」という定義です。
自然に起こる反応ではなく、上記のような理想的な状態を扱います。
2価陽イオンがが安定な元素でも「1価の陽イオンになる時に必要なエネルギー」です
1価の陰イオンが安定な元素でも「1価の陽イオンになる時に必要なエネルギー」です

要は扱う領域の違いでしょうかね…
名前は似ていますが定義が全く違いますし、一方からもう一方が導かれるものでもありません。
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イオン化エネルギーは、原子の電子を取り除くというか引っ張り出すのに必要なエネルギーです。


つまり、正電荷の大きい核をもつ原子ほど
負電荷をもつ電子を引っ張り出しにくいのは
想像できるとおもいます。
ただ、注意する点は、s、p、d等軌道に
どのような配置で電子が入っているかです。
電気陰性度で、p軌道に電子がそれぞれひとつずつ入っていて安定しているため、傾向が違っているものがありますよね?
あのような感じで、軌道への電子配置も考えてみると
傾向が見えてくるかもしれません。
イオン化傾向というのは、イオンへのなりやすさですので、イオンの方が安定しているものです。
イオン化傾向の大きいものはアルカリ金属、アルカリ土類金属が多いのが分かるとおもいますが、
水、熱湯にいれると、反応する物質がかたまっているとおもいます。
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イオン化傾向が小さいとは? 陽イオンになりにくい→電子を放出しにくい→酸化されにくい


イオン化傾向とは別な指標としてイオン化エネルギー(イオン化エンタルピー)という指標がある。
それは原子核に束縛されている電子が電離するのに必要なエネルギー値であり、
文字通り原子のイオン化のしやすさの指標ではある。
しかし酸化還元電位はイオン化エネルギーから直接導かれない指標であり、イオン化傾向も同様である。
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