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原子力の専門の方だけでなく一般の科学者の方は核融合の将来をどう見ていますか?

ニュースや通俗の書物を見ると、実用化への悲観的な道程を示すことばしか見られません。

今世紀後半になってからでないと無理とか聞きました。

また素人からは、地球に擬似太陽を作るなんて怖いとの意見も聞かれます。

プロの科学者の皆さんはどういう見通しを持っていらっしゃいますか?

A 回答 (3件)

ちなみに炉心材料の事ですが、確かに耐熱性は必要なんですけど、燃料自体は真空ドーナツの中に強力な電磁気力でプラズマを浮上させて閉じ込めてるから良いんですが(細かい事を言うと炉心材料からの揮発物質でガスが冷えちゃって困るというのもありはしますが…)、そもそも核融合では高速多量の中性子が発生し、それによって炉心材料がスエリング破壊してしまうのです。


砂のお城を作って、それに強風を当てた状態を思い浮かべてください、砂のお城はあっという間に吹き飛ばされてしまいます。熱核融合炉の炉心は耐熱性を完璧に実現しても高速、多量の中性子によって炉心材料の原子が吹き飛ばされていってしまうのです。ちなみに核分裂反応の原子炉も中性子が出ますが、そよ風程度なので壊れるまでの時間が十分長いので実用になっています。


ところで余談ですが、上記のように熱核融合では多量の中性子が発生します。炉心を破壊しないためにはこの高速多量の中性子は邪魔者なのですが、現在の核分裂を使った原子炉の高レベル放射性廃棄物を無害化する力を持っています。現在の原子力技術というのはアクセルしかない自動車のようなものです。アクセルしかないものを走らせてしまったものだから、アクセル緩めたって止まるまで何億年もかかるという始末です。人類が原子力を使い始めてしまった以上、熱核融合を完成させるか、他のブレーキを発明しない限り、見境なく走らせはじめてしまった原子力自動車は止まりません。
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核融合炉開発に着手した初期には、核分裂炉(原子力発電)と同じような感じで直ぐに開発出来るものと楽観視されていたのですが、意外と問題点が多くて手間取っており、悲観論が強いのももっともでしょう。


確かに、回答1さんのおっしゃるように、核融合を普通に保持出来る耐高温材料なんて有りません。それで、現在は主に核融合をプラズマの中で発生させ、そのプラズマは磁場を使って炉壁から浮かせる方法が使われています。それでも、高温部分から強力な放射線が発生するために、それに長期に耐える材料開発が必要です。
また、核融合を起こすには高い温度と高いプラズマ密度の両方を達成した上で、その状態を出来る限り長時間安定に保持しないといけないのですが、現在はその3条件の同時達成が難しくいろいろな手法で挑戦が続けられている状況です。それでも、数年前に、投入したエネルギーと同じだけのエネルギー発生を得られた「イーブンゼロ」と呼ばれるところまではこぎ着けています。次の目標は、自己点火出来るレベルまで上記の3条件を上げることらしいです。
「疑似太陽」と言えば恐ろしそうに聞こえますが、現在の原子力発電も核反応を利用した発電という意味では同じようなもんですよ。しかも、設計と運転を間違うと熱暴走する危険が有り、放射線による汚染物質が大量に出る核分裂炉よりは、核融合炉の方が安全なようですし。地球温暖化とエネルギー枯渇問題には避けて通れない技術とも思われます。
なかなか、実用化までには巨額のお金と長い開発時間がかかりそうですが、原理的に実用化不可能な致命的な問題が有るわけでは無さそうに思います。
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今現在熱核融合炉の炉心に使える材料が見つかっていません。


少なくとも何かしらの大発明が無い限り、今の切り口からの熱核融合炉は作れないでしょう。熱核融合自体は時間と予算の問題ですが、“炉”が出来ないんです。
今世紀後半にならないととの文章は見たことがありませんが、もしそう予測している人があるのであれば、それは現在が延長した50年先ではなく、50年後にブレークスルーが見つかるという希望的観測なのでしょう、現在は全く先が見えていません。

>また素人からは、地球に擬似太陽を作るなんて怖いとの意見も聞かれます。

これも逆ですね。
本物のミニ太陽を作れればそれに越した事はありません、太陽は容器に入っていませんので。容器が無ければ存在できない太陽なのに、太陽を閉じ込めつづけられる容器が作れないのですから。核爆弾と違って容器が壊れた途端にミニ太陽の火は消えてしまいます。
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