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カルボカチオンの安定性の話ですね。
単純化すれば、アルキル基が電子供与性の誘起効果を示すために、それが正電荷を持つ炭素に多く結合しているほどカルボカチオンの正電荷を中和されるために、安定化されるということです。
そのために、アルキル基の数が多いほどカルボカチオンが安定であり、それを言い換えると「カルボカチオンの安定性は、第三級>第二級>第一級である」ということになるわけです。
アルキル基が電子供与性を示す理由として用いられるのが超共役の考え方です。
すなわち、通常の共鳴においては、単結合が切れたような構造は考えませんが、超共役というのは、C-H結合の切れた構造を含む共鳴のようなものと考えればわかりやすいと思います。
図はパインの教科書にも書かれていると思いますが、C-H結合が切れた構造においては、形式的に、その結合に使われていた電子対が、正電荷を持っていた炭素原子に移動して、その正電荷を中和しています。その結果、正電荷は、切れたC-H結合を有していた炭素上に移動します。このことは、共鳴の考え方によれば、超共役によって、正電荷が分散した(非局在化した)ということになり、安定化要因になります。
要するに、超共役というのは、単結合の切れたような構造を含む共鳴のようなものであり、その構造がカルボカチオンの正電荷を非局在化させ、安定化に寄与するということです。正電荷を持つ炭素に結合しているアルキル基の数が多いほど、上述の超共役が起こりやすくなり、カルボカチオンが安定化されるということです。
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