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利益処分方式の圧縮記帳で、会計上の処理と税法上の処理の違いについての質問です。
例えば、国庫補助金500万円の交付を受けて、1,500万円の機械(耐用年数5年、残存価額10%、定額法)を購入した場合(自己資金1,000万円)、法定実効税率40%とすると、次のような仕訳を切ることになると思います。
【利益処分方式】
1.当期
(決算整理)
 減価償却費 270/減価償却累計額 270 ←1,500×0.9÷5
 法人税等調整額 164/繰延税金負債 164
 (積立額が500万円なので、取崩額=500×0.9÷5=90。一時差異=500-90=410。
 よって繰延税金負債=410×40%=164)
2.翌期
(利益処分)
 (a) 未処分利益 300/機械圧縮積立金 300 ←500-500×40%
 (b) 機械圧縮積立金 54/未処分利益 54 ←取崩額90-90×40%

で、ここからが質問なのですが、2(b)の取崩額(90)は、法人税法では、益金になると思うのですが、これってどちらの期の益金になのでしょうか?たぶん翌期のほうだと思うのですが(じゃないと計算が合わない)、それでいいのでしょうか?
というのも、2(a)が、当期の別表4減算項目なので(利益処分圧縮記帳積立金積立)、同時に行う(b)の仕訳が、また翌期に属するものだとすると、ちょっと違和感があるので、お聞きしました。

それと、もう一つ確認なのですが、同じようなものに「特別償却準備金」がありますよね。これは法人税法上、一定期間での取崩しが強制されているのに、圧縮記帳積立金には、こういう義務みたいなものはないのでしょうか?「圧縮記帳積立金取崩不足額」というのを見たことがないので・・・。
また義務じゃないとしたら、会社は、期中経理でも利益処分でも、好きなように取り崩していいのでしょうか?
お手数ですが、少しでも分かる方、宜しくお願いします。

A 回答 (3件)

こんばんは。



計算が合わないというのは直接減額方式の場合と比べると所得金額がずれるのでは?という疑問だとお見受けしましたのでその前提での回答です。

説明の都合、売上総利益を5,000、納税充当金なしとします。

@直接減額の場合

(P/L)
売上総利益    5,000
減価償却費     △180 
圧縮損        △500
当期利益      4,320

(別表4)
当期利益    4,320
 (加算・減算なし)
所得金額    4,320

と、所得金額は4,320となります。会計上で利益処分方式をとっていても所得金額はかならず一致するはずですが、ためしにやってみると差異が発生します。

@利益処分方式
 (P/L)
売上総利益    4,320
減価償却費     △270  
法人税等調整額  △164 ←(法人税等調整額/繰延税金資産200 と繰延税金資産/法人税等調整額36の差額)
当期利益      4,566

(利益処分)
圧縮積立金取崩    54
圧縮積立金積立   300

(別表4)
当期利益           4,566
 (加算)
利益処分圧縮積立金取崩    90  ←54÷0.6
減価償却超過額          90 ←270-(1,500-500)×0.9÷5
法人税等調整額         164
 (減算)
利益処分圧縮積立金積立  △500  ←300÷0.6

所得金額            4,410

と、90の差額が出てしまいます。またこれだと圧縮の効果も享受できません。そこで税法では業績開示義務のある大企業でも圧縮記帳の適用がうけられるように次の通達で対応すすことができるとされています。

法人税法基本通達10-1-3
http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kihon/houji …

関係ない部分を削って金額を加えて書き直すと、

『圧縮記帳による圧縮額を積立金として経理している法人が当該積立金の額の全部又は一部(90)を取り崩して益金の額に算入した場合において、その取り崩した積立金の設定の基礎となった資産に係る償却超過額(90)があるときは、その償却超過額のうち益金の額に算入した積立金の額に達するまでの金額(90)は、当該事業年度の損金の額に算入する。』


よって別表4はこのようになります。
当期利益             4,566
 (加算)
利益処分圧縮積立金取崩     90
減価償却超過額           90
法人税等調整額          164
 (減算)
利益処分圧縮積立金積立    △500
減価償却超過額認容       △90 ←追加 損金算入

所得金額             4,320

ちなみに当期に積立てた圧縮積立金をいきなり取り崩すのは会計側の要望によるものです。
なので税務上、圧縮積立金は特別償却積立金と違って均等取崩しの規定はありません。(法人税法基本通達10-1-2)

受験生時代から少々時間が経ちましたので正確でない記載があるかもしれませんのでその点はご容赦ください。
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この回答へのお礼

意図を汲み取っていただいて感激です!素晴らしい回答ありがとうございました!
なるほど。そういう通達がありましたか・・。知りませんでした。というのも、私が使っている法人税のテキストには、その辺りの話が全く触れられておらず、「利益処分圧縮積立金取崩」の加算も、「減価償却超過額認容」の減算も記載が省略され、ただいきなり「減価償却超過額」の加算があるだけです(まあ合計は合いますが)・・・って、これでもいいのでしょうか?という感じです。

あとすみません。もう一つだけ確認させて下さい。
当期に積立てた圧縮積立金をいきなり取り崩す「会計側の要望」というのは、税効果会計の一時差異を解消するということですよね?つまり、一時差異である減価償却超過額(90)が制度的に認容減算(積立金取崩額が上限)されるので、その解消に伴い、その応分の圧縮積立金(90。会計上は90×60%)も、自動的に取り崩される、ということでいいのでしょうか?・・・
ただ、先程の通達が、「取り崩しがあるから認容減算する」というニュアンスであるのに対し、この私の考え方だと、「認容減算するから取り崩す」という風になってしまうので、何だか二つが矛盾するようにも思えるのですが・・・。つまり、卵が先か鶏が先かみたいな議論ですね。認容減算が先か、取崩しが先か・・・。
こういう時は、同時に発生するんだ、と割り切って考えるべきなのでしょうか?
そのあたりをまた、手の空いた時間にお願いします。

お礼日時:2006/05/02 02:45

回答が遅くなりまして申し訳ございませんでした。

この時期は決算集中で一年で一番忙しくこちらを覗くことができなかったもので。

追加の質問に関してですが、法人税のテキストとのことなので、省略されているのは逆に正しいと思います。そもそも圧縮積立金は法人税法では毎期の取崩を要請していません。

積立てていきなり取り崩すのはあくまで会計上の理由です。なので「取り崩しがあるから認容減算する」が正しいです。

その理由ですが、このへんは会計士さんの専門分野なのでこれから書くことは少々あやしいので参考程度にお願いします。

税務上は損金経理、利益処分経理をとわず圧縮限度額を控除した額を取得価額として減価償却していくため、その後の期では減価償却費は圧縮しなかった場合とくらべ少なくなります。

会計上は支出額を取得価額として減価償却していくため、圧縮しなかった場合と同じになります。
先日の例でいえば、

<税務上>
(1,500-500)×0.9×0.2=180
 期末簿価は820

<会計上>
1,500×0.9×0.2=270
期末簿価は1,230
と、減価償却費も簿価も異なります。

まず減価償却ですが、取得価額が異なることによる減価償却による差が90。これは単純に減価償却超過として加算されますが、この差は会計上のルールに従ったが上に生じたものであるため、上場企業も圧縮の効果がうけられるように先日の通達があるわけです。

また圧縮積立金ですが、先ほどの繰り返しになりますが、法人税では圧縮積立金は取り崩さずに300(500×0.6)のままでよいとしています。

まず会計では税効果考慮後の300を圧縮積立金としました。そして減価償却後の1,230-820=410の簿価のズレですが、この410の意味合いは違う取得価額で減価償却したことよる会計と税務の差額です。税務上は簿価の差が500のままでいいといっているのに会計のルールに従った結果410に減っているということは会計と税務のズレが結果として90減少したことになります。

会計自らのルールでさらに税務のズレをつくってしまったわけですが、税効果会計ではこれをも捕捉しなければなりません。その意味でいきなり積立てたときと同時に90×0.6=54を取り崩すということになり、これを逆の面からみれば、簿価差額410×0.6=246が税効果後の差額であり、300積み立てたのを246にするには300-246=54取り崩せということになります。

税効果会計は、別表5(一)が出来てから留保項目について計算していくので、スタートは税務のようですが、将来減算・加算一時差異を期間損益に反映させより正確な利益を算出するのが目的であり、これはあくまで会計上のことであるため税効果を適用している法人としてない法人とに不公平が生じないように法人税法では会計でどのような処理をしても対応が取れるようになっているわけです。というわけでまずは会計ありきということですね。

正確なところはもっと専門知識をお持ちの方にご確認いただければと思いますので、このへんでご容赦ください。
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この回答へのお礼

お忙しいのに、丁寧に解答してくださり感謝いたします。
なるほど。減価償却を行った結果、解消された一時差異を取崩しという形で、会計上補うということですね。
分かりました。このへんで納得しておきます。有難うございました。

お礼日時:2006/05/27 16:19

疲れているので、ごく簡単にお答えします。



前者の答えは、当期の益金になります。
先行的に取り崩して加算します。

というよりも、確定決算主義なので、利益処分はすでに固まっています。したがって、先行的というのも本当は違うのですが。BSから見ると先行的な処理になってますね。でも、利益処分は当期の利益の処分なので、決算の一部なのです。

後半の質問はちょっとパスです。
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この回答へのお礼

お疲れのところ、本当にありがとうございました。
なるほど。当期の方なのですね。

ただそうなると、なぜ当期に積み立てたものをいきなり当期に取り崩すのか・・・という疑問が湧いてくるのですが(後半部分の答えと絡んでくるのかも知れませんが・・・)。

もし事情が許すようであれば、数日後でも結構ですので、残りの回答をお待ちしています。
とりあえずは有難うございました。

お礼日時:2006/05/01 07:41

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