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証券分析で、ポートフォリオ理論のところに出てくる、危険資産のポートフォリオに安全資産を組み入れると、投資家のリスク許容度に関係なく、一意に安全資産とリスク資産のウエイトが決まる、これを分離定理という、という説明がありますが、どういうことなのか、色々本を読みましたが、さっぱり分かりません。どういうことをいいたいのでしょうか。

A 回答 (1件)

質問者の方がどこまで理解できて、どこから理解できないのかがわからないので、何とも説明しづらいですが、



まず危険資産(例えば株式)だけのポートフォリオを考えると、ポートフォリオの分散効果が働いて、これらの危険資産ポートフォリオの有効フロンティアが描けるというところは理解できているのでしょうか。
Y軸に期待収益率(リターン)、X軸に収益率の標準偏差(リスク)をとると、左上に向かって凸となる曲線です。
この有効フロンティア上の点は、いずれも、あるリスクが与えられたときに、最も高いリターンをもたらすポートフォリオとなっているので、理論上、この線上にないポートフォリオはまず選ばれることはありません。
では、この有効フロンティア上のどの点を選ぶのか(すなわちどの株式をどの位のウェイトで保有するのか)ですが、これはそれぞれの投資家のリスクとリターンの選好関係を表す効用曲線(右下に向かって凸)によって変わってきます。
よって、「危険資産のみのポートフォリオでは、投資家のリスク選好度によって、ポートフォリオを構成する危険資産の中身(種類とそのウェイト)が異なる」ということができます。

しかし、ここに安全資産(リスクがゼロの資産、Y切片の点)が入ると、この「危険資産の有効フロンティア上の点A(無数の点)」と「安全資産B(一点のみ)」で構成される新たなポートフォリオCをつくることが可能になります。そのときの点Cは、点Aと点Bを結んだ線上にあります。
点Aが危険資産の有効フロンティア上に無数にあるので、これと点Bを結んだ線も無数に引くことができる訳ですが、ここでも「同じリスク(X)であれば最も高いリターン(Y)をもたらすポートフォリオが望ましい」のですから、その線A-Bのうち、最も左上にある線(つまり点B=Y切片から危険資産の有効フロンティアへ引いた接線)だけが生き残ることになり(資本市場線といいます)、危険資産について言えば、有効フロンティア上の無数の点のうち、資本市場線との接点A*が唯一残ることになるわけです。

安全資産が入ることによって、結局、資本市場線上の点Cしか投資対象とならず、最終的には、投資家の効用曲線(右下に向かって凸)と資本市場線との接点C*が、その投資家の最適なポートフォリオとして決定されます。
ここで、この点C*は、危険資産の点A*と安全資産の点Bとのウェイトによって決まるのであって、どんな点Cであっても、点A*は変わらないのですから、危険資産の中身については常に同じです。
よって、「安全資産と危険資産からなるポートフォリオでは、投資家のリスク選好度によって、安全資産と危険資産のウェイトが異なるものの、危険資産の中身については、投資家のリスク選好度に関係なく一意に決まっている」ということができます。

ですので、ご質問中の「投資家のリスク許容度に関係なく、一意に安全資産とリスク資産のウエイトが決まる」という文はおそらく誤解ではないかと思われます。

図示できないので、わかりにくいと思いますが、下記URLを参考にして下さい。

参考URL:http://www.sumitomotrust.co.jp/PEN/research/pdf/ …
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この回答へのお礼

詳細なご回答ありがとうございます。
当方の勘違いにいたるまで、筋を追った回答を頂きましてありがとうございました。
この回答を読んだ後、各書籍を読み返しましたら、各書籍で何を伝えたかったのか、よく分かりました。句読点をどこに打つかでも非常に分かりにくくなるということも分かりました。
当方、証券アナリストの勉強をしており、藁をもつかむ思いで、質問しておきながら、試験後、お礼を忘れておりました。
大変失礼致しました。

お礼日時:2006/06/12 22:08

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