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地震の初期微動ってどうして起こるんでしょうか?
それと、どうして震源から遠いほど初期微動継続時間が長くなるんですか?

A 回答 (1件)

まず,地震という現象は波である,というところから始めましょうか。


「波」と「振動」の違いを押えておきましょう。「振動」は,ある1点が上下とか左右とかに揺れることで,「波」はその振動の仕方が次々と隣へ(周りへ)伝わっていくことです。
よくスポーツの競技場で観客席にウェーブがおきますね。ウェーブ(まさに「波」です)を遠くからみると,大きな流れがスタンドを一周して行くようにみえますが,実際の観客一人一人はというと,手を上下に動かしたり,立ったり座ったりしているわけで,実際にスタンドを一周しているわけではありませんよね(そんなことしていたら大事故になる)。
この手や体を動かすタイミングが,左の人→自分→右の人,とほんの少しずつずれているので,全体としての動きが波になるわけですね。(もしずれていなかったら,ただの起立と着席だ)
また,海の波も,沖合いから海岸にやってきますが,海面に葉っぱか何かを浮かべておいても,勝手に沖合いから陸に向かって動いているわけではなく,同じところで行ったり来たりしています。

次に,波は「振動」が「伝わる」現象なので,「振動の向き」と「伝わる向き」があります。
さっきのウェーブの例でいうと,振動の向きは上下,伝わる向きは左から右,です。(右から左のこともあるでしょう)つまり,両者の向きは垂直の関係にあります。こういう波を「横波」といいます。
これに対して,みんなが肩を組んで左右に揺れてるんだけれど,その揺れのタイミングが少しずつずれている,なんていうウェーブ(あるかな)なら,両者の向きは平行です。これが「縦波」です。

(注意! ここで時々,「左右に揺れるのなら横じゃないの」という人がいます。縦・横は,揺れている向きが上下だとか左右だとかで決まるのではなく,あくまでも「伝わる向き」との関係で決まります。
伝わる向きが左右で,各点での揺れも左右なら,縦波です。)

さて,地震は地面(や地下の岩石)が振動し,それが波となって伝わっていく現象です。この波にはスタート地点が存在します。それが震源,つまり最初に動きが始まった地下のある場所です。
地震の揺れは,上下・前後・左右といろいろな向きに揺れます。この揺れが地面の中を伝わるのですが,固体の性質(地面の中は岩石ですからもちろん固体)として,「縦波は横波より早く伝わる」というのがあります。
そのため,スタートは同時でも,地上に伝わってくる時は,先に縦波だけが届いて揺れ始め(初期微動),あとから横波が届いて主要動になるのです。

(ここでさっきの注意!の続き。初期微動は上下に揺れることが多いので,だから「縦波」だ,と思っている人がいます。違います。
さきほどの注意!でおわかりのように,あくまでも伝わる向きとの関係で決まります。地震の震源は地下にあるので,伝わる向きは下から上。縦波はこれに平行に振動するので,地面の一地点の揺れも上下方向,となっているだけです。
従って,震源が足元の真下にない場合は,初期微動であっても斜めに,あるいは前後左右に近くなったりします。)

次に,2番目の質問ですが,要は簡単な算数の問題です。
たとえば,私と高橋尚子さんがマラソン大会に出たとしましょう。私は時速10キロ,彼女は時速20キロで走るとします。
スタートから10キロ地点に立っている観客は,まずスタートの30分後に彼女が通過するのを見るでしょう。私が通過するのはスタートの1時間後ですから,時間差は30分です。
今度は20キロ地点にいる観客の立場になると,1時間後に高橋選手が通過し,さらにその1時間後に私が通過するということになります。
高橋さんがケガでもしてリタイアしない限り,遠くに行けばいくほど両者の差は広がる一方です。
高橋さんが縦波,私が横波,と考えれば,あとはおのずと答えが出ますね。

長くなってしまってスミマセン。おわかりになったでしょうか。
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この回答へのお礼

詳しい説明をありがとうございました!
すごく分かりやすくて、助かりました。
説明うまいですねぇ。一般人の定義はもったいないです!

お礼日時:2002/02/19 22:01

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