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半導体を卒研テーマに選んでいる者です。各種半導体の特性一覧表を見ていて
気づいたのですが、正孔の有効質量という項目があったのです。しかも、重い
正孔と軽い正孔に分けられていました。
正孔に質量があるっていうことが概念的に理解できないんですが・・・。
正孔って電子の抜け殻(?)ですよね。だから実際には存在しない物のはずなのに
とおもったりしています。

A 回答 (2件)

これは、正孔そのものに質量があるのではありません。


あくまでも正孔がもつ、見かけ上の質量です。

正孔=電子の抜穴ですが、たとえば、電圧を印画することで、周囲の電子を移動させ、見かけ上、この正孔を移動させることができます。エネルギーを与えて正孔を動かすわけですが、実際は電子を動かすわけですから、当然のことながら、「正孔の動きにくさ』というものが存在します。これが見かけ上の質量です。

参考URL:http://www.tuat.ac.jp/~katsuaki/z2000-8.html
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この回答へのお礼

なるほど!って感じでした。ありがとうございます。
実際には電子の動きってことは、正孔の質量は電子より重いんですね?

お礼日時:2002/03/04 12:55

正孔というのは,上に凸のバンド(横軸は波数 k,縦軸はエネルギーε)で,


電子が抜けたところを言います.
takamako1 さんの言われるとおりです.

自由電子ですと,
(1)  ε(k) = (h/2π)^2 k^2 / 2m
で,1/2m がバンドの曲率と関係します.

正孔ですと,バンドの形は上に凸で,
しかもεが完全にkの2次関数というわけではありませんが,
少なくともバンドの頂点付近では2次関数で近似できます.
このときのバンドの曲率は
(2)  d^2 ε/ dk^2
で与えられます.もちろん頂点なんだから dε/dk = 0 です.
これと(1)の式との類推から
(3)  m* = (h/2π)^2 / |d^2 ε/dk^2|
と書いて,これを有効質量(efffective mass)と呼んでいます.
(1)を用いて(3)を計算すると,まさにmが出てくることに注意してください.

正孔をもたらすバンドは1つとは限りません.
違うバンドから正孔が2種類出てくれば,バンドの形の違いから m* は当然異なります.
重い正孔,軽い正孔というのはそういうことです.

また,上の話は簡単のため1次元にしてしまいましたが,
実際の物質は3次元なのでもう少し事情は複雑です.
固体中ですから,方向によっていろいろ違いも出ます.

有効質量の重要性は,例えば磁場をかけたりしたとき,
正孔あるいは電子があたかも m* の質量をもつ自由電子であるように振る舞う,
ということです.
したがって,サイクロトロン共鳴などで m* がわかり,
それからフェルミ面の形が推定できたりします.

バンド構造と有効質量については,例えばキッテルの「固体物理学入門」などを
ご覧下さい.
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この回答へのお礼

ありがとうございました。ちょっと難しいですが、
頑張って理解してみます.

お礼日時:2002/03/04 12:53

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