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先日は、未知数の数だけ方程式が必要な理由で、証明方法も教えていただきました。しかし、私としては、まだ何か引っかかる感じがしたので、いろいろ調べてみましたが、連立一次方程式の場合は、「唯一解をもつ必要十分条件は rank(A B)=rank(A)」という定理がありますので、解決です。しかし、もっと一般的な場合は、特殊な場合として、未知数がいくつあっても、一つの方程式で、未知数が決まってしまう場合があります。たとえば(a-1)^2+(b-2)^2+(c-3)^2=0とすると、方程式は一つですが、a=1, b=2, c=3 と解けてしまいます。しかし、このような方程式は、a-1=0, b-2=0, c-3=0 という方程式が三つあるのと同じだとみなすことができます。というように、私が勝手に考えてもラチがあきません。もっと、数学的にちゃんとした理論があるのではないかと思います。皆様、何かご存知ありませんか?

A 回答 (1件)

あまり特殊な方程式を考えない方がよいと思いますし、それに未知数の数だけ方程式が必要というのはある意味で標語的なものでもあるので、一般論だと思ってきちんと証明しようとかしても意味がないようにも思います。



ただそうはいってもそれだけでは身も蓋もないので、僕なりの見解を述べさせてもらいます。まずこの手の議論をするには、実数に話を限るべきではない、ということです。とにかく代数閉体(たとえば複素数)で考えるべきです。そうじゃないと代数方程式(つまり多項式方程式)で考えてもいろいろ面倒な場合分けが必要です。

例:一変数の場合。
ax+c=0(a≠0) 実数では解1個、複素数では解1個。
ax^2+bx+c=0(a≠0) 実数では解0~2個、複素数では解2個(重解は別に数える)。

といった感じです。つまり複素数で考えておけば、n次方程式にはn個の解がある、といえるわけです(代数学の基本定理)。実数で考えると時と場合によって、0個~n個の解が出てくる可能性があります(ただしn奇数のときは必ず解は1個以上です)。

以上の考察でもわかるように、1次式以上の代数方程式を考えると、式1つ、未知数1つでも解が複数でてくることを意味します。2次方程式なら2個、といった感じですね。そういうわけで、高次方程式を一般論に乗せるのは無理です。またより一般的な超越方程式、たとえばsin(x)=0などを考えると解は無限個存在したりするし(この場合は可算無限個)、あるいはガウス関数を用いた方程式[x]=0では、[0,1)すべてが解になって、この場合は非可算無限個の解を得ることにもなります。いずれにせよ、方程式といったとき、何でもいいというのでは数学にはなりえないので、ちゃんとした議論をしたければ方程式の意味する範疇をきちんと指定すべきです。

そのうえで、代数方程式に限定するのだとすれば、たとえば未知数が二つあるとき方程式一つでは未知数を求めることは出来ない、というのは複素数の世界では正しいです。(a-1)^2+(b-2)^2+(c-3)^2=0の解がきちんと求まってしまうのは実数に話を限るからです。複素数であれば、a-1=i、b-2=1、c-3=0だって解になりますし、他にも無限個の解があります。考える範囲を変えることによって、方程式の解の個数というのは如何様にも変わりうるのです。たとえば高校の整数問題でもよくやりますが、不定方程式x+y=5といった方程式は解を自然数に限れば有限個しか出てきません。だけど、整数解(あるいは実数解でも同じ)なら無限個あります。また二次方程式x^2+1=0には実数解はないですが、複素数解は2つあります。さらに四元数解を考えれば実は非可算無限個あることも分かります。

そういう事情ですので、一般論を考察して意味があるのは連立一次方程式の場合だけであると思われるので、それ以外の場合は標語的な意味ぐらいしかもたない、と思っていたほうが無難だと思います。
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この回答へのお礼

早速、ご丁寧なご返事大変ありがとうございます。
たいへん分かりやすいご説明ありがとうございました。これで、当分は悩まないですみそうです。

お礼日時:2006/08/16 16:38

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