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稚拙な質問で申し訳ありませんが、何故アジア、アフリカ諸国は人口が過剰になり、西洋諸国はそうはならなかったのでしょうか。
参考になりそうな文献、書籍もご紹介いただければ幸甚に存じます。

A 回答 (4件)

#2の方が指摘されている「地政学的要因」を前提とした上で、#1の方の指摘されている、「産業構造による影響」は無視できません。

ただ、もう少し踏み込んで言うと「経済状況による影響」といっていいかもしれません。18世紀産業革命以前のことを考えると、少なくともヨーロッパにおける人口動態は経済に影響されていたことがわかっています。
一方で、温暖・寒冷のためと言うのでは温暖である南米などが説明し切れません。

産業革命以前が人口=国力とするなら、ヨーロッパは永久にアラブ世界には勝てません。ヨーロッパは土地が痩せていて十分に人々を養うだけの生産量がありませんから。これが前提になる部分です。

ではヨーロッパが世界経済を席巻し十分人々を養えるようになった時には、他の世界より人口も増えるのではないか?というとそうでもありません。

人々は経済的繁栄を享受すべく、子供は極力持たない傾向にはしります。現在でも先進国では1家庭につき平均1~3人ですよね。逆にいっぱいいると貧しくなるから。これと同じことが15世紀~16世紀にかけての欧州でも見られます(といっても今まで1家族7・8人生んでいたところを5人くらいに減らしたくらいです。結局2・3人は幼児期に亡くなってしまいますから)。

15世紀のペスト大流行後、ヨーロッパでは人口がなかなか回復しませんでした。以前は戦争の世紀に突入したためと言われていましたが、もっと見逃せない説が唱えられるようになってきました。それは「バースコントロール」です。ペスト流行後人口は減った一方で、人々の生活は若干向上しました。人口が減った分、食料が行き渡るようになったのです(荘園領主も少ない人手を確保するため、領民の待遇を改善し領民が外に逃げないようにしたため)。

また、先進国では晩婚化の傾向も示されていますね。晩婚化するということは、1人の女性が一生涯で子供を持つ数が少なくなることといえますね。

これも17世紀オランダや19世紀イギリスなど経済的繁栄を誇った国に見られる特徴です。経済的体力がないと女性には早く家を出て行ってもらった方が助かりますから。

結論として(本当は説明が足りないと思いますが・・・)、ヨーロッパは人口=国力と言う図式を技術力でカバーして、世界経済を席巻した。その経済的繁栄を享受すべく少子化傾向が現れた。一方でアジア・アフリカ地域では、人口=国力の時代が続き、それを支えるだけの生産性や高死亡率があった。ただ近年の人口爆発は、先進国主導による死亡率の低下が挙げられるかもしれません。

モンゴルに関しては、生産性よりも生活形態によるものかもしれません。伝統的遊牧生活では、妊婦や子供は移動の際に不自由しますから。中国領である内蒙古に住むモンゴル人はほとんどが定住生活していて1000万人以上の人口ですが、遊牧生活民も多い外蒙古(モンゴル国)の人口は250万人位の人口しかいませんから。

ここまで書いていて、大事なことを思い出しました。人口動態については「遺産の相続法」も重要なポイントとなってきます。詳しい分与方法を忘れてしまいましたが・・・。

ちなみに本なのですが、記述量は少ないですが中央公論の『世界の歴史』シリーズのヨーロッパに関する巻を読んでもらうと少しは分かるかもしれません。あと私の知っているのになると洋書になってしまいます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
大変興味深く拝見させていただきました。単純な問題でないことがさらによく分かりました。
当初、たいした根拠もなく、民族の情緒性や宗教との関わりなどを漠然と考えておりましたがどうも関係なさそうですね。

お礼日時:2006/08/31 23:37

ズバリ、主食の違いです。



主に主食とされる物として、米、トウモロコシ、雑穀、イモ、小麦、肉があります。

このうち、米は、単位面積あたりの収穫量も多く、条件さえあえば、年間4回の収穫も可能で、連作障害も起こさずに生産できます。
また、土地の栄養価が低くても生産でき、手を加えれば加えるほど生産性が伸びる特徴があります。
そのため、人間が主食とするには、最も適した作物なのですが、一方多量の水を必要とする事、温暖な気候を必要とする事から、乾燥地帯、寒冷地帯では生産できません。
また比較的手間のかかる作物であるため、人口が少なすぎる地域での栽培は難しくなります。

現在世界的に人口密度の高い地域は、米を主食とする地域です。
主に東アジア、東南アジア、南アジア地域になります。

イモは、米に次いで優れた主食で、単位面積あたりの収穫量は、米の次に多く、旱魃・冷害などにも比較的強い作物で、世界中で生産されています。
主に主食とするのは、南米高地、アフリカ、太平洋諸島などで、ジャガイモが、ヨーロッパにもたらされてから、ヨーロッパの人口が3倍に伸びました。

トウモロコシや雑穀は、イモ類よりもさらに乾燥に強く、手がかかる作物です。
単位面積あたりの収穫量は、コメやイモ類には及びません。
しかし、やせた土地などでも生産できるため、メキシコや中米、中国北部などで主に栽培されています。

小麦は、乾燥や旱魃、冷害などに強く、高緯度地方や乾燥地方での栽培の中心となっています。
ヨーロッパは、この小麦地帯です。
ただし小麦は、連作障害を起こしますので、二圃式農業や三圃式農業のように、一定期間の休耕を必要とし、単位あたりの収穫量も少なく、多くの人口を養えません。
そのため、中世から近世のヨーロッパでは、ペストなどの疫病で人口が大幅に減少する事が何回かあっても、少し回復すると、すぐに人口過剰に悩まされる事になります。
十字軍活動、ドイツ東方殖民、大航海時代、植民地活動は、ヨーロッパの人口過剰から引き起こされた面も有ります。
1500年中期のポルトガルの人口が100万、スペインで700万、最も人口の多かったフランスでも、1200万程度の人口であったのに対し、当時の日本では、2000万人以上の人口がいたとされています。
つまり、小麦と肉を主食とする限り、その程度の人口しか養えないのです。

肉を主食とする場合、さらに単位面積あたりの扶養人口は少なくなります。
モンゴルをはじめとする遊牧国家の人口がそれを示しています。
(キルギス人とカザフ人は実質同じ民族でしたが、遊牧を中心としたカザフ人は、移牧を中心としたキルギス人の2倍程度の人口しかいません。国土は14倍あり、山がちなキルギスに対しカザフスタンは平野部ばかりなのに対して)

このように、各国の人口の多い少ないは、食生活に大いに関係してくるのです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
ヨーロッパがかつて食糧事情のため人口過剰に悩まさたとの記述、大変驚きました。

お礼日時:2006/09/01 22:31

温暖の国だから。


病で死ぬことはあっても、気候そのモノでで死ぬ事は少ない。と思います。

越冬が無いのはかなり良いんじゃないんでしょうか。

暑さには日陰や水辺で冷やす。
服がそれほど必要でない。
一年中生物が居るのでその気になれば食うに困らない。
いざとなれば虫という選択肢が・・・。

寒さには火というエネルギーがいる。
寒さに耐える防寒服が要る。
越冬する為に食料を貯蔵する必要がある。

気候的に温暖な地帯は人間に限らず、生物がたくさん居る。
越冬のある気候は冬に生物が極端に減る。
冬眠の無い人間は越冬が大問題。

後はこれに1さんのお話が加わるところでしょう。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
暑くて一次産業中心でも人口の少ない国がありますので、単純ではなさそうですが、温暖な気候と人口増加の関係は確かに説得力がありますね。

お礼日時:2006/08/31 14:38

1つのポイントは産業構造, もっと端的にいうと「子供を労働力として使えるかどうか」だったと思います.


例えば農業や漁業などの第一次産業では, ある程度成長すれば子供でも労働力として使うことができるため, 多く子供を産むことが有利になる可能性があります. それに対し, 第二次産業や第三次産業ではそれなりに教育を施さないと労働力として期待できず, 従ってある程度産む子供の数を制限した方が有利になります.
ということで第一次産業中心だと多産, 第二次・第三次産業中心になると少産になるという「おおざっぱな傾向」が現れます.
一方, 人口動態のもう 1つの要素である「死亡率」については, (それなりに) 医療が普及したことで (特に乳幼児の) 死亡率が減少してきました.
その結果, ヨーロッパや北米・日本など高次産業が中心の地域では「少産少死」のパターンで人口増加率が減少し (あるは人口減少すら起きる), 一方で第一次産業中心の地域では「多産少死」のパターンで人口が増加するという傾向があります.
経済発展とともに「多産多死→多産少死→少産少死」と変化する, といわれていたりしますが, この変化の途中で止まっちゃってるって感じでしょうか.

この回答への補足

ご回答ありがとうがざいました。
産業構造ですか。
第一次産業中心のモンゴルに人口増加が見られないのは厳しい気候(低い生産性)のせいなのでしょうか。

補足日時:2006/08/30 19:15
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