
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
高校の化学では物質が一定の規則で出来ていることを教えます。
その規則は原子の構造から出てきます。周期表を見るとその構造がわかりますから規則もわかります。縦に並んだ元素には共通性があることも強調します。「周期表」という名前は似た性質の元素が繰り返して現れるからこそ付いたものだということになります。原子が大きくなれば構造も複雑になるわけですから上の方の元素にない性質を持つようになります。似ているが同じではないというのは当然のことです。でも共通点に着目しなければ規則になりません。行き当たりバッタリの暗記物にしてしまったのでは「科学」ではなくなります。O2があればS2がある、N2があればP2があるということを知ると生徒は驚きます。H2OがあればH2Sもあると言うと感心します。全部一つずつ覚えなければいけないと思っていたようです。S2もあるがそれ以外もある、P2もあるがそれ以外もあるというのは当然だろうと受け入れてくれます。右端の不活性元素の電子配置と同じになれば安定になるという手がかりで結合を考えます。これでイオンも分子もカバーします。こういうモデルでやりますからふつう構造を考えるのは20番までの元素です。水素はヘリウムの電子配置で考えます。残りはNe,Arで考えます。これがオクテット則になります。(ここでまた不活性元素も化合物を作るから不活性ではないと言い出す人が出てくると困ります。)よく出てくる安定な分子はこの規則で考えていくことにします。H2OはあるがH3Oはない、HOもない。でもOH-,H3O+はあるということがすべてこの規則から出てきます。NH3はあるがNH4はない、でもNH4+はあるということも示します。オクテット則が守られているというのは重要な判断基準なのです。例外がぞろぞろ出てきては困ります。数が少ないから例外なんです。配位結合はオクテット則を満たすためには必要な考え方です。と同時にイオン結合から共有結合を考えるという昔よくやられていた方法を避けるためにも必要なものです。結果が同じであれば形式的にイオンを考えても構わないということでS6+1つにO2-を4つ組み合わせて共有結合のSO42-を作るというのは困るのです。中学校ではこの様に教えている先生がいるようです。後で修正できなくて困ります。6+のイオンになんかなるはずがないということは生徒にはわかりません。結果が同じになるからいいではないかと反論してきます。後でSの酸化数+6が出てきてまた元に戻ってしまいます。結局イオンと分子の区別がつかないままになります。あちこちの本にまだNa+とCl-が結合してNaClという分子を作るという記述があるのはこの流れだと思っています。S6+は形式荷電だといわれるかも知れませんが実荷電との違いは化学の初心者にはわかりません。結果が同じになるからといって操作的な表現を専門家がやるというのは困ります。
高等学校の化学では形式荷電で考えるというのは一切出てきません。
NH3+H2O→NH4++OH-
HCl+H2O→H3O++Cl-
の説明で困ります。
ここでは「電子対が片方から提供される」という元々の配位結合の考え方が素直です。ここでそう考えるのであれば硫酸でも硝酸でも使い分けをしないでやればいいと思います。
※ [NH4]+の+は全体としての意味です。でもどの原子の上にあるのかを敢えて答えるとしたらNということになります。その意味での電荷です。結合が成立する前のNH3についてNH3+は考えられません。[H3O]+についても同様です。
硫酸も硝酸もよく出てくる分子です。この規則の範囲内で説明できるのであればそれで説明したいと思っています。専門家はもっと詳しいことを知っているでしょう。でもいちいちそれを持ち込んでは混乱するだけです。
一酸化炭素も配位結合を使えばオクテットを満たすように表現できます。3重結合になります。N2と等電子構造になるので安定な分子であると言うことが出来ます。3重結合よりは2.5重の方が実際に近いのかもしれません。でも配位結合を使えばオクテットを満たさない不安定な化合物であるという印象を覆すことが出来ます。C=Oだけしか頭にないのとは差があります。酸素と混ぜただけでは反応しない安定な物質だと言うと生徒は驚きます。一酸化炭素中毒は酸素とすぐに結合するから酸素不足になると思っている生徒が結構います。
水質検査の本を見ていてアンモニア性窒素のところでNH4と書いてあるのが目についたことがあります。一冊ではありません。NH4+と書くかNH3と書くかのどちらかなのですがそのような区別がわからないようです。きちんとオクテットで結合を判断することが出来ていればわかることなんです。単なる記号の問題としか理解していないのではないでしょうか。この表現を高校の生物部がまた真似をします。研究発表の図表に出てきます。

No.5
- 回答日時:
「原子価殻の拡大」は不評のようですが(笑)・・
それはさておき、配位結合で表す場合には、下記のように表す方法もあります。
つまり、中心原子をS^2+とし、それに、-OHと-O^-が2個ずつ結合しているという書き方です。
そもそも配位結合というのは、電子2個が共有されるという点では共有結合と同じですが、その共有される電子対を片方の原子が提供しているということです。すなわち、あらかじめSが2個のOに1個ずつ電子をあたえ、それぞれ、S^2+および、O^-となった上で共有結合を形成したと考えれば上記の表現になります。配位結合の表現法としては、矢印で表す方法と、上記の方法の2種類があります。
No.4
- 回答日時:
硫酸と硝酸について質問されてますが、同じような酸に塩素のオキソ酸がいますね。
次亜塩素酸HClO、亜塩素酸HClO2、塩素酸HClO3、過塩素酸HClO4です。
これらも、塩素と酸素の間に二重結合を書いてやることもできます。
しかし、これらの化合物は塩化水素HClの塩素原子が酸化されたもの、と考えたほうが性質も構造も理解しやすいものです。
塩素原子のローンペアが酸素原子(より正確には一重項酸素原子)に配位結合して、自分の電子をとられてしまっているのだ、と考えることができます。
No.3
- 回答日時:
ht1994さんの説明のほうが妥当だとおもいます。
第三周期以降の元素だとd軌道も使えるから、8電子以上を持つことができる、という考えも確かにあります。
しかし、理論計算から、近年ではd軌道の関与はほとんど無いという考え方が主流です。
同様のことは、スルホキシド(R2S=O)、スルホン(R2SO2)、ホスフィンオキシド(R3P=O)の二重結合にも当てはまります。
別の説明としては、硫酸イオン(SO4^2-)の構造があります。
このイオンにおいて、SとOの間の結合は四本とも同じ長さであり、イオンは正四面体型になっています。決して、二重結合と単結合になっているわけではありません。むしろ、S^6+とO^2-四つからできた配位結合化合物だと考えたほうが近いです。

No.2
- 回答日時:
No.1の回答のように配位結合を考えるのが無難ですが、第3周期以降の原子に関しては、「原子価殻の拡大」という概念に基づいて、二重結合部分を4電子が共有されているように書く場合もあります。
結果的にオクテットは満たされず、形式的に価電子数は12になります。なぜ第3周期以降かといえば、d軌道の関与が可能になるのが第3周期以降だからです。
「原子価殻の拡大」という概念に基づいて形式的に価電子数は12になるということですね。d軌道の関与が可能になるのが第3周期以降だからというのは考えさせられました。3P軌道のあとに3d軌道があるので電子はその分多くなるということでしょうか?丁寧な回答ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
次の質問の硝酸と同じように考えます。
配位結合です。H-O-S-O-HのSには使っていない電子のペアーが2組あります。その一つを使って酸素が1つくっつくと亜硫酸です。さらにもう一つくっつくと硫酸です。これでもうくっつくことは出来ません。これ以上酸化しようとするとSではなくてOが酸化されます。過硫酸H2S2O8は-O-O-結合ができています。オクテットで考えた結合です。10電子形だという説明もあるかも知れませんが高校ではこれで充分だと思っています。
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