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NIPA(イソプロピルアクリルアミド)を合成して1HNMRをとりました。
有機化合物のスペクトルデータベースSDBSで6種のHのシフト値を調べ、
合成したNIPAのスペクトルと照らし合わせました。

しかし、本来6.2ppmと6.155ppmにあるはずの2本のピークが現れず、
代わりに6.135ppm、6.1015ppm、6.0785ppm、6.0445ppmに4本のピークがあります。
この場合、本来のピークよりもピークが低ppm側に移動したと考え、
6.135ppmと6.1015ppmのピークが本来の6.2ppmのピークを表し、
6.0785ppmと6.0445ppmのピークが本来の6.155ppmのピークを表していると考えればよいのでしょうか?
もしそうであるのなら、ピークが低ppm側に移動した理由はなんでしょうか?

また、取ったスペクトルにはそれら4本の積分比が1.00と記されているのですか、
この場合は2本ずつが両方とも積分比1.00ということでいいのでしょうか?
NMR初めてなのでへんな文章ですみません。
よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

カップリング下からと言ってシフト値は変わらないと思います。


シフト値に変動を及ぼすのは溶媒や温度、共存している物質などの外的な要因です。
そのほか、データ処理上の問題があります。
プロトンみたいに高感度な核種だとあまり問題になりませんが、低感度な核種だと、FFTの位相の合わせ方でも結構ずれてしまいます。
私もたまにSDBS使いますが、0.1 ppmくらいは余裕でずれます。

四本線を1Hとしたら、イソプロピルが6.9Hになっちゃった、ということだと思います。
四本線の根本にアミドプロトンの1H分がブロードして重なっていますので、これとごっちゃに積分をとっていれば、1H以上2H以下となりますから、その分相対的にメチル基の積分値が増大しているのだと思います。

四本線の高さが内側(というか低磁場側)が高くなっている、というのは、ちょっとハイレベルな話なのですが、ABXスピン系だからでしょう。
詳しくはNMRの本(東京化学同人や化学同人からスペクトルによる同定法などといった定番の教科書が出ています)。
カップリングしているプロトンの化学シフトが近接してくると起こる現象です。
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そもそもの話として、SDBSに記載されているスペクトルは解像度が低くて細部まではわかりませんよね。


NMRスペクトルを読むときの基本として、スピン結合によって、どのような分裂が起こるかということを予測する必要があります。これは、構造を決定する上で極めて重要な手がかりになります。
その際に分裂間隔も重要ですが、その間隔は装置の磁場の強さによって変化します。たとえば、SDBSの例では1Hの共鳴周波数が400MHzとなっていますが、それが自分の用いている装置と同じかどうかを確認する必要があります。これが異なっていれは分裂間隔も違いますし、スペクトルの形状も変化します。
二重結合の周囲のスピン結合は特に重要です。Hの位置関係が、シス、トランスのいずれであるかを決定することもできます。そういうことも勉強した上でなければ、単にピークの帰属のみを尋ねてもあまり意味はないと思いますし、質問自体が意味をなしていないようにも思います。
取り敢えず、1H NMRのスピン結合について勉強されることをお勧めします。その際に、結合定数Jについても理解するようにして下さい。
それを理解した上で、6.257のピークの分裂間隔から、スピン結合の相手とその位置関係をたどっていけば、近辺のHの帰属がはっきりします。
NIPAのNMRはこうした演習の問題としても面白いと思いますので、この機会に勉強してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、6.135ppm、6.1015ppm、6.0785ppm、6.0445ppmについて、6.135ppmと6.1015ppmの間隔と、6.135ppmと6.0785ppmの間隔のうちの一方は6.257ppmのピークの間隔と一致するはずですし、もう一方は5.602ppmのピークの間隔と一致するはずです(多少の誤差はあるかもしれません)。No.1のご回答にもありますように、これらは4本とも同一のHのものです。強度比は1:1:1:1になるはずですが、内側の2本が強めに出ることが普通でしょう。
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追記しますが、SDBSのチャートを私も見てみたところ、6-6.5 ppmのシグナル群の根本が盛り上がっています。

これが、No.1で書いたアミドのブロードシグナルだと思います。質問者さんの測定したデータもこんなふうになっていませんか?

この回答への補足

測定したスペクトルを見てみると、確かに6.0-6.16 ppmのシグナル群の根本が盛り上がっています。
これがアミドプロトンのブロードしたシグナルだとすると、やはり4本線のピークに重なってしまっているということでいいのでしょうか?
この場合はカップリング定数及び積分比はどう求めればいいのでしょうか?

補足日時:2006/10/21 13:36
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濃度や温度が違ってもシフトは変わりますので、この程度のずれは普通に起こりえます。

同じサンプルを違うマシンで測定してもいくらかずれますし。
あと、そもそもレファレンスの値が少し違うかもしれません。
私もSDBSのやつを見てみましたけど、このスペクトルは残留CHCl3であわせているようです。
残留CHCl3のHのシフト値の入力した値が違えば、当然ですが全体にシフト値がずれてきます。

質問者さんはH-Hのカップリングのことを考慮されていますか?
マシンの周波数をかかれていないので、こちらでカップリング定数を判断できないのは困り者です。
四本線と書かれていますが、強度は全て同じですか?
また、イソプロピル基の積分比と比べてみていますか?
イソプロピル基のメチル基が6Hあるとして、これらの四本線が水素原子何個分に対応するのか、積分値を比べてみていますか?

SDBSでは、6.2にアミドプロトン(N-H)、6.155にビニル水素Cとなっています。

私が思うに、質問者さんの観測された四本のピークは、全て水素Cによるものでしょう。
アミドプロトンがブロードして見えていないのではありませんか?
スペクトルをよく見れば、ベースラインが盛り上がった1H 分のシグナルがそのあたりにあるかもしれません。
あるいは、上述の四本線にたまたまかぶっているのかもしれませんが、それなら積分値から分かるでしょう。

なぜ水素Cが四本線に見えるのか?というのは、水素Cは水素AおよびBとそれぞれ18, 11Hzくらいでカップリングするため、ダブルダブレット(強度が全て等しい四本線)になるためです。

この回答への補足

ご解答ありがとうございます。

H-Hカップリングというのは隣接炭素上の水素との相互作用ですよね?
それを考慮すると、シフト値に変化が生じるのでしょうか?周波数は300MHzです。
4本線の強度は6.1以上のの2本のピークの方が6.1以下の2本よりも2倍ほど強いです。
1.19ppm付近のイソプロピル基の積分比は6.86となっているので、この4本線が水素1個分に相当すると考えました。
でも、積分比6.86というのは大きい気がします。本来は約6.00になるはずですよね?なぜ大きくなってしまったのでしょうか?

取ったスペクトルを見直してみると、6.19ppm及び6.17ppmにとても小さい山(尖ってはいません)があります。これがアミドプロトンでしょうか?
また、関係ないかもしれないのですが、SDBSでは見られない5.75ppm付近に大きな山(2次関数のようになだらかです)があり、積分比0.82とでています。
これは何か関係があるのでしょうか?

4本線になる理由は、水素Cがtransにある水素Aとcisにある水素Dとカップリングするということでしょうか?
機器分析のてびきという本でみたところ、CH=CHのH-Hカップリング定数はtransで12-19、cisで7-11となっていますが、正確なカップリング定数はどのように求めるのでしょうか?

補足日時:2006/10/21 13:35
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