はじめまして最近カーオーディオのアンプの選択をするのにタイトルのAクラスABクラスBクラスDクラスと種類がある事を知りました。それぞれのアンプの特徴と実際の音質(雰囲気)などを知りたいのですが、今の所Dクラスはサブウーハーに適していると認識しています。16センチのハイクラスのスピーカーを綺麗に立体的に再生したいと思いますが、Aクラスは綺麗な変わりに少し音の線が細くなると聞いた事があり、音が痩せてしまうとちょっと寂しいと思っています。価格によって音質は変わると思いますが、概ねで構いませんので構造や参考になるサイトで構いませんので、教えて頂きたいです<m(__)m>お願いいたします
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
ご質問の、音質とは関係のない話が続きますが…
◆A級アンプの熱設計の実際
それでは、実例を交えながら、実際のA級アンプについて見てみましょう。アキュフェーズのA60は、間違いなく「純A級」と呼んでさしつかえないパワーアンプです。
http://www.accuphase.co.jp/model/pdf/a-60a.pdf
どうでしょうか?この体躯。大きさが想像できないかも知れませんが、カーバッテリー4個分くらいでしょうか。それから、この巨大な放熱器の容量をご覧ください。これでたったの60Wしか出ないんです。これがA級アンプです。
もしもこれがB級、AB級であれば、間違いなく250W-400Wクラスのパワーアンプに使われるような放熱器です。どうしてこんなに大きな放熱器が必要なのでしょうか?
http://210.155.219.234/ASO.htm
半導体は、過渡的な、不連続の電力を加えられても瞬時にしか熱が上昇しません。したがって熱平衡という見方をしたときずっと小さな放熱器で済みます。ところがA級アンプは常時高い電力消費をしているため、B級に比較すると4~8倍もの熱容量を持つ放熱器が必要になります。
このアンプで60W。もしも120W, 240WのA級アンプを作ったらどうなるか?放熱器は2倍の大きさ…4倍の大きさ… で済めば良いのですが、実際にはそんなに単純ではなく、加速度的に大きな放熱器が必要になります。また熱容量は稼げても熱抵抗(接触面積)が不足しますので終段を多数パラレルにする必要が生じます。結果、ストレーが増えて特性の良いアンプを作るのが難しい。
結論:超ハイパワーの純A級アンプは作れない。
(作るなら作ってもいいけど好きにすれば)
半導体には高温で降伏、熱暴走する特性があるため、放熱設計に「アクロバット」はありません。たった60Wでもこのくらいの放熱器が必要になってしまいます。
もっとも、このアンプは純A級動作領域が60Wなので定格60Wと謳っているだけです。実際には8Ω負荷で低歪み100Wくらい楽勝で出るでしょう。また、A級動作と呼べるのは8Ω時だけで、4Ωのスピーカーをつないだ時にはAB級動作と言えます。それでは、このアンプに4Ωを繋ぐと急激に音質が変化してA級らしい良い音では無くなるのでしょうか?そんな事はないですよねぇ。相変わらず「アキュフェーズ節」を聴かせてくれるに違いありません。
…とすると、いったい「A級アンプの音質」とはどこにあるのでしょうね?
対比とし今度は30Wの純A級アンプをご覧ください。
http://www.accuphase.co.jp/model/pdf/a-30.pdf
ずいぶんと小振りにはなりますね。それでも30Wでこの放熱器です。以上、パワーが大きくなればなるほど、放熱器は鬼のように巨大になっていきますし、また終段を多数パラレルにしないと壊れてしまう事が分かりました。
さてここで、質問者様がカーオーディオで購入を検討されているような「自称A級アンプ」は何ワットでしょうか。また、どのくらいの放熱フィンを持っているでしょうか。URL等を示して頂けると助かります。
もしも、それが妙にハイパワーだったり、妙に放熱器が小さかったりしたら、あるいはファンも付いていなかったら、本当にA級なのかな?と疑ってみる必要があります。もちろんこれは「悪いウソ」ではありません。A級「並みの高音質」だよーと言い張るのなら、それはそれで立派な主張と思います。(個人的にそちらの方が好きです)
続きがありますが、分割投稿はやめれと注記があるのだからこれくらいにしておきましょうか。
この回答への補足
お返事が大変遅くなりました。m(__)m 未だ具体的にどれにしようかとあれこれなやんでいる最中なので、特にこれというアンプがあるわけでは無いのです。一応自分なりにカーオーディオに付いてアンプ調べていましたが、恐らくご教授頂いた内容で判断すると、カーオーディオアンプに、A級はごく少数稀でA級と謳っていても、恐らくほとんどはAB級だと思います。
放熱関係の例を取ってみても、どう考えても、大きさ的にA級とは程遠い物しか見つかりません。一台だけありましたが、1台2CHで60万円と、私には手の出ない代物でした。冷却を求めてファンを付ければ、騒音の原因となりますし、今回あまり表記を気にせず、選びたいと思います。色々と技術的なお話を聞けて大変勉強になりました。また機会がありましたら、宜しくお願いいたします。
お返事が大変遅くなりました。m(__)m 未だ具体的にどれにしようかとあれこれなやんでいる最中なので、特にこれというアンプがあるわけでは無いのです。一応自分なりにカーオーディオに付いてアンプ調べていましたが、恐らくご教授頂いた内容で判断すると、カーオーディオアンプに、A級はごく少数稀でA級と謳っていても、恐らくほとんどはAB級だと思います。
放熱関係の例を取ってみても、どう考えても、大きさ的にA級とは程遠い物しか見つかりません。一台だけありましたが、1台2CHで60万円と、私には手の出ない代物でした。冷却を求めてファンを付ければ、騒音の原因となりますし、今回あまり表記を気にせず、選びたいと思います。色々と技術的なお話を聞けて大変勉強になりました。また機会がありましたら、宜しくお願いいたします。
No.3
- 回答日時:
> もう少し詳しいお話を聞かせて頂けると大変助かります。
ご要望があるのでこれから何回かに分けてClassの説明をしますが、きちんと理解して頂ける自信がありません。なるべく回路の話は避けるようにして、実装面の実例など見ながら少し説明するようにはしますが…。
それから、カーオーディオでのご利用を考えられているようなので、それものちほど補足的に。
前述の通り、ホームオーディオの電圧増幅段は一部の例外はあってもほぼA級動作です。
※電圧増幅段 == 電力の小さい回路 と考えれば結構です
モノリシックICの一部は終段がB級動作でも驚異的な超低歪みを誇っているものがあり、必ずしもA級がmustというわけでも無いでしょう。
それでは、アンプのカタログに「A class」「AB class」などと書いてあったとき、これは何を意味しているのか? その場合は終段のバイアス電流量の違いを示していると考えればいいでしょう。ただし、後で説明しますがその記述を鵜呑みにしてはいけません。真のA級アンプは数えるほどしか無いと思います。
それでは、終段の回路とバイアス量の違いについて見ていきましょう。
オーディオアンプの終段は、スピーカーを適切に駆動するために非常に大きな電力消費を伴います。一般的なアンプの終段は、正/負それぞれ独立したペアのトランジスタで、押したり引いたりしながら出力を得ます。これをSEPP(Single Ended Push-Pull)回路と言います。
◆B級
バイポーラトランジスタ(以下Tr)を例に取ると、一般にベースにバイアス電圧というものを掛け、コレクタ~エミッタ間へバイアス電流というものを流して動作させます。バイアスを掛けないとTrがon/offするとき信号が歪んでしまうからです。
ところが、前記SEPPに交流信号(音楽)を入力したとき、微弱なバイアスを掛けていても、正/負のトランジスタが「受け持ち」を切り替える時に応答の遅れが生じ、波形に歪みが生じてしまいます。これをスイッチング歪みあるいはクロスオーバー歪みと言います。発熱はフルパワー時に最大になります。
◆AB級
前記、B級で生じるスイッチング歪みを減少させるために、終段のバイアス電流を多めに流したものです。(バイアスを深くするとも言います)
回路にもよりますが、AB級でもはやTHD 0.01%以下の超低歪み特性は極めて容易に得られます。ちなみに人の歪み検知限は0.05%内外と言われています。B級よりも無信号の発熱量は多めです。
◆A級
前記のスイッチング歪みを完全にゼロにするよう、大量のバイアス電流を流した物がA級です。
一般に、フルスイング時の半分以上のバイアス電流を流した物がA級と呼ばれます。厳密な規定があるわけではありません。常にフル出力に近い電流を流しているので常時無駄に電力を消費しています。無信号時には電力が音圧エネルギーへ変換されないため、音が出ていないにも関わらず発熱量が最大となります。アンプは300-500Wの電熱器のようなものです。(普通のアンプとは逆です)
◆疑似A級
むだ電力を消費せずにA級と同じ効果を得ようとする回路。色々な回路形式がありますが考え方は同じで、次のようなものです。
「入力された信号の上下動に同期して、バイアスの電流量を予め増やしたり減らしたりして可変制御するもの。」
発熱量はA級よりかなり低くなります。世の中の「A級」と書いてあるアンプの多くが実はこの疑似A級だったりします。本物のA級かどうかを見破るにはコツがあります。
◆C級
バイアスを一切流さない回路。Trがカットオフを繰り返すので高歪みであり、オーディオアンプでは使われません。
◆D級
これが一番説明が難しい。非常に古くからあるものです。音声信号をパルス幅変調(PWM)して最大振幅のスイッチング信号へ変えます(1bit Digitalと説明すれば分かりやすいか)。
その出力は、Tr,あるいはMOS-FETを高速でon/offすることによって得ます。
この高速スイッチングしているPWM信号を、ローパスフィルタで濾過することにより通常の音声信号を得る仕組みになっています。
半導体が高速でカットオフしているわけですから、ものすごい歪みの量ですが、その歪みは高域へ集中しているため、ローパスフィルタによって出力には現れないという仕掛けになっています。スイッチング電源とペアで実装されることが多く、省電力でハイパワーが得やすい。
最も電力利用効率がよくハイパワーが得意なのがこのD級で、それと正反対に電力がむだでハイパワーアンプを作りにくいのがA級アンプ、という事になります。
次回は、消費電力と熱設計の実際について見てみましょう。
No.2
- 回答日時:
最初は長ったらしく解説を書くつもりでしたが面倒になったので結論だけ。
A級であるかB級であるかAB級であるか、あるいは疑似A級であるかは、音質に対してほとんど関係の無いことと考えて間違いないでしょう。
回路技術に精通していない人間の作ったA級はひどい音がしますし、回路技術に長けるだけでなく実装/要素技術に長けた人間が作ったB級アンプは立派な音がします。それぞれの回路方式に相関はほぼ無いと考えれば良いでしょう。
なお、「私は純A級」と明記してあるアンプのうち多くは、純A級ではなく可変バイアスの疑似A級であることがほとんどです。例えばMLAS, KRELL, etc...
オーディオアンプにおけるA級云々とは、ほとんどが終段のバイアス量に関する記述です。電力消費が問題となるポータブル機器を除き、電圧増幅段はほぼすべてがA級であると考えてもいいでしょう。B級にする意義が全くないからです。
一方、終段をA級動作とすることに関してはほとんどの優秀なエンジニアはそれを「無駄な努力」とするでしょう。スリューレートが十分に取れているアンプにおいては終段のスイッチング歪みはほぼ問題になりません。また、大電流が欲しいのであれば効果として疑似A級で十分です。
”熱雑音””ストレー”といった言葉を知っていれば、その馬鹿げた熱抵抗設計、無駄な電流許容量設計も含めてA級がいかに馬鹿馬鹿しいか、知っている人間は知っています。
世の中に転がっている説明「A級は歪みが低い、だからA級サイコー」という解説は、誤りではありませんが回路を知らない人間が書いていることであり、そのまま鵜呑みにしない方が良いでしょう。
大変参考になるご回答ありがとうございます。終盤の振幅の違いと、待機電流の違いという事までは、理解できました。
しかし文章から察すると、終盤の動作はあまり意味がないとの事で、
多分入力から中盤までが大切な過程という事なのですね。お恥ずかしながら、私は回路の知識がないので、もう少し詳しいお話を聞かせて頂けると大変助かります。よろしくお願いいたします。
No.1
- 回答日時:
A級・B級・・・とは、アンプのバイアス回路による分類(設計)です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A2%97%E5%B9%85% …
http://okazaki.incoming.jp/danpei2/rf/abcd.htm
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