
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
「思考を盗聴する」ために必要な条件は以下のとおりです。
(1)他人の思考が反映されていると考えられる何らかのデータを得る
(2)データの変動から現在思考していることを推定する
思考が反映されている何らかのデータとは、明白にわかるものとしては言葉や表情がありますね。
感情がすぐに表情に出る人は、それを隠したいと思っていても他人にわかってしまうので一種の盗聴といえなくもないですね。
他人の発言からその元となる思考傾向を推定する技術もあります。
表情に近いものとしては、感情が脈拍やホルモン分泌の生理指標として表れる現象があります。
これは感情が交感神経系に働きかけることによっておきる現象です。
いわゆる嘘発見器、一般的にはポリグラフと呼ばれる、さまざまな生理指標を同時に測る機械は、
感情を盗聴する機会とみなせるでしょう。
ただし測れる物は大まかな感情だけで、しかも精度が低いときていますが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA% …
「思考盗聴」という言葉から一般にイメージされるものは、
脳に電極を刺すとか何とかして神経系の動作を直接計測し、
視野を映像化したり、口に出さない考えを言語的表現として出力したりするものでしょう。
個人的見解としては「あと100年のうちにできるとは考えられないし、300年たっても無理」と考えます。
理由としては「ある神経細胞の活動(など脳活動データ)が何を意味しているかまったくわからないし、
近い将来のうちにそれが分かる科学的根拠がないから」です。
たとえばある神経細胞が「脳」を意味していて、「脳」について考えたり「脳」と発話すると
必ずその神経細胞が活動し、そうでなければ絶対活動しないということであれば話は早いのですが、
現在の研究はそういった単一細胞による符号化に否定的で、
数万個以上の神経細胞の組み合わせによって実現されているといった考え方が主流です。
神経細胞は毎日たくさん死んでいますが、
「脳」を符号化する責任細胞が死んだら一生「脳」について考えられなくなるなどという
壊れやすいシステムではなかろうと考えられています。
よしんば神経細胞と特定の思考の間に一対一関係があるとしても、
ある人の思考を読むためには神経細胞のミクロな活動をすべて計測しなければならないのですが、
本人に気づかれずにすべての神経細胞の活動を測るのは、あと500年は無理でしょう。
コンピューターのようにゼロから作るのであれば神経細胞並みに細かい構造も作れますが、
いまある神経系を壊さずに同等のミクロな計測器を作るのは原理的に困難です。
このスケール的問題はいかんともしがたく、アポロのころ宇宙時代が来るといわれて今でも無理なのと似た理由です。
もうひとつ、「実はわれわれ自身が、思考とは何かについてまったく無知である」という理由があります。
人と人の間で行える通信はよくて「言語化されたもの」であって、
思考を言語化する前の段階の構造は哲学的にさえまったくわかっていません。
従って実際の発話や書字を実行している最中の脳活動でないと他人の脳活動に正しく反映することができません。
その脳活動が何を意味するかわかっていないのですから。
40年ほど前「人工知能はあと10年で5歳児ほどの知能を持つ」といわれましたが、
まあ現実は知能と思しき片鱗さえ見えません。思考の構造を数値化できないからです(哲学的・論理的に)
NHKスペシャルのアレは、脳の部位で運動野と呼ばれる、
運動神経と接続する部位の神経活動を計測して操縦に反映しているようですが、
あれは神経細胞の活動が義手の運動を意味するようを人為的に関係付けているのであって、
そういった物理的に明白に見える関係がなければ神経活動の意味はわかりません。
たとえばスポーツの練習をすると球を蹴ったり棒を振ったりするのが上手くなりますが、
あれは運動野の神経接続・活動パターンを変えるメカニズムが備わっているからだと理解されています。
あのサイボーグ実験でも被験者の自発的意思によって学習が成立しているだけであり、
運動神経の先につながっているものが生身の手か機械の義手かが違っているだけです。
あの番組について監修の立花隆に直接話を聞いたんですが、
彼のスタンスとしては「科学者ではない立場からの取材」と割り切っているそうで、
私は自然哲学的知見から言える範囲に比べてジャーナリスティックに演出され気味だと感じています。
あの研究は「40年前からわかっているがヤバいので誰もやらなかったことを、
自分を被験者にしてやる研究者が現れた」程度に思っています。
この回答へのお礼
お礼日時:2006/11/30 16:20
こんにちは。専門家の方の意見が聞けて、大変光栄です。
とても分かりやすい文章で説明してくださったので、僕でも理解できました。ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
んと。
最近読んだ新聞記事によりますと、脈拍の動きを読む装置によって「明示的に思考されたYES/NO」の判別くらいはつくそうです。
ただし、装置を肌に密着させる必要があり、かつ正解率は70~80%程度だそうです。
選択肢が2つのケースでは、この装置の正解率が50%を下回ることはないわけですから、まぁ、嘘発見器程度の性能ということですね。
ちなみに、手術で電極を埋め込むことによってコンピューターを思考制御することはもうでき、医療現場で実際に使われています。
ですがこの装置のインターフェイスは、「腕の筋肉を脈動させるパルス」といったものを使っており、脳の信号を読み取っているわけではなさそうです。
No.1
- 回答日時:
医療分野で、超精密な義手を脳で思ったとおり、
つまり自分の手と同じように使えると言う技術があったと思います。
(完成まではいっていないようですが)
「盗聴」の定義からずれるかもしれませんが、
「脳の信号を読み取って、データとして機械の中に送る」
と言う視点からすると、あながち出来なくはない気もします。
脳の仕組みが100%解明されれば可能かもしれませんが、
必要性はいささか疑問です。
この回答へのお礼
お礼日時:2006/11/29 17:03
こんにちは。回答ありがとうございます。
NHKスペシャルで僕もみました。大変なショックを受けました。
脳の仕組みが解明される日が迫っている、人類はもう破滅ですね。
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