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Wikipedia(↓の「塩化物イオンによる反応」の欄)に書いてあったことですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%86
塩素に還元性なんてあるのでしょうか?
酸素を奪う性質はあるでしょうが、酸化数を減らす性質があるとは思えないのですが…。

A 回答 (9件)

#2です。



銅片をバーナーで加熱して表面に黒い酸化銅を作ります。
表面の黒くなった銅線をきれいにする方法が3つあります。
(1)紙ヤスリで磨く。
(2)希硫酸に浸す。
(3)加熱してアルコールの蒸気に触れさせる。

(2)と(3)の区別が分からない生徒が多いです。
どちらの変化も 「きれいになった」=「元の銅に戻った」=「還元」 としてしまうのです。(2)は(1)と同じ内容だ、(3)とは違うとは考えられないようです。式でなくて見て判断するときにそう考えてしまうようです。(1)、(2)では酸化銅を作っていた銅原子は酸素原子と共に銅片の表面から離れています。(3)では酸化銅を作っていた銅原子は銅片の表面に残っています。もしかしたらwikiの執筆者も生徒と同じようなとらえ方をしているかもしれないと思いました。

不動態膜がCl-で還元されたとします。膜を作っていた金属元素はそのまま残っています。それがまた酸化されます。元の厚さに戻ります。穴は開きません。錆の進行は起こらないことになります。穴が開いて錆が進行するということは膜の成分の金属元素が表面から離れていなければいけないのです。これは溶け出すか剥がれ落ちるかのどちらかで起こります。私は素朴に孔食、錆の進行を考えました。還元はあり得ないと思ったのです。

MO+Cl-→M+OCl-
は起こる可能性のないと考えてよい式です。Mは錆が問題になるような金属元素なんですから。
Zn2++Cu→Zn+Cu2+
と同じ性質の式です。この式も酸化数の変化は合っています。でも起こらない式です。
だからこの式以外に思い当たるものがないというのであれば「還元が起こったという表現を疑う」ことになるというのが筋でしょう。
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No5です。


ステンレスに関しての古い質問と回答を見ていたら
孔食は「Cl-で不動態が破壊されることによって起こる」という文章に出会いました。金属組織の方が専門の方のようです。

http://oshiete1.goo.ne.jp/qa778894.html

wikiだけではなくてかなり広まっている表現であるように思います。

金属の本も見たのですが酸化剤があまり意識されていません。「溶存酸素があって初めて起こる」現象という表現と「Cl-で起こる」という表現とが同じ本の中に混ざって書かれています。

不動態の定義でも違いがあるようです。理化学事典では「熱力学的には腐食する条件にありながら腐食を起こさない状態を不動態という」と書かれています。どの程度丈夫なのかには触れていません。
酸化被膜によって反応が起こりにくくなったものは不動態と呼んでいるようです。

「Cl-によって酸化される」という表現は間違いであると思うのですが「Cl-と溶存酸素により腐食が進む」という表現はあり得る表現です。溶存酸素の存在はたいてい実現されているということから2つの表現が同一視されているのではないかなという感想を持ちました。

伊藤尚「金属通論」(実教、1983)p120の「孔食」の中の文章です。
 酸化被膜の表面に傷があるとします。そこから孔食が始まります。

「これにはCl-と溶存O2その他の酸化剤が必要である。何らかの原因で表面に局部電池が出来、陽極部にCl-があつまってきて陰極部では溶存O2の復極が進行する。孔食は中性溶液中で進行しやすい。
 陽極部のCl-で食孔ができると(孔の中には)ますますCl-が集まりかつO2の補給は不充分である。(孔の外の)広い表面である陰極はO2の補給がじゅうぶんであるから通気差説の説くとおりに食孔中は陽極であり続け、深さの方向に腐食が進む。この電池の電位差はステンレス鋼で0.3~0.6Vに及ぶという。」
通気差説というのは酸素の濃度差により腐食が進行することを強調した説です。
「電解質溶液の中に鉄を電極として入れる。隔壁を入れて一方には酸素、他方には窒素を通じる。窒素を通じた方では溶存酸素がなくなるので鉄の溶出が起こり陰極になる。酸素を通じた側は皮膜の生成により溶出が起こらなくなるのでO2が反応する。」(エバンスの実験)
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ANo.6の補足です。


<>別の方も書かれていますが、
<具体的に何番目の回答をされた方でしょうか?

ANo.2 さんの次の文章を引用したのですが、いま、読み返してみると私が誤解していたようなので、ANo.6 の文章の内、「別の方も書かれていますが、」の部分を削除します。

ANo.2 さんの文章
<丈夫な酸化物の膜が不動態になっているとします。この酸化物が塩化物に置き換わると不動態でなくなるということであればいいことです。塩化物の方が剥がれ落ちやすい、溶け出しやすいということであれば不動態でなくなります。

<「あくまで」の前については“結果として”でない塩化物イオンによる溶解を指されているようですが、それは例えばどんな反応でしょうか?

「あくまで」の前の文章について:、
不動態酸化物被膜は通常、電解酸化あるいは硝酸などの酸化性酸による酸化によって生成されます。
塩化物イオンによって、腐食(酸化)が進行するような酸化物被膜は元々、不動態ではなく、通常の酸化物によって覆われていたに過ぎないのではないか。
と考えて、wikipedia にあるような現象が起きたたとすれば、、
「(中性の溶液中で)塩化物イオンによって溶解するような酸化物被膜は不動態とは言えないのではないかと思います。」
と記述しました。

私は、鉄などの酸化物が(中性の)塩化物イオンを含む溶液に溶解するとは思っていません。
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ANo.6 の補足です。



<鉄の錆に塩化物イオンがかかわる場合について…

元々の Wikipedia の記事の「鉄の錆」(鉄の酸化物)が Cl- の「還元性」によって溶解して、金属面が露出して、腐食が進む、と取れる記述は正確ではないと思います。

Wikipedia の記事:
<塩化物イオン (Cl-) により、鉄の不動態皮膜は孔食と呼ばれる局部腐食攻撃を受ける。これによって錆が激しく進行し、やがては貫通してしまう。
<これは、Cl- イオンが持つ還元性により、不動態皮膜を破壊し、不動態皮膜による防御作用を無効にするからである。つまり錆が無くなることにより余計に錆びるのである。

別の方も書かれていますが、(中性の溶液中で)塩化物イオンによって溶解するような酸化物被膜は不動態とは言えないのではないかと思います。

あくまで、(中性の溶液中で)この記述のような「現象」があるとすれば、の話ですが:
鉄イオンと塩化物イオンとの間に錯結合を形成し、酸化物から塩化物イオン錯体形成の方向に平衡がずれて、結果として酸化物が溶解した、
と説明できるかも知れません(塩化物イオンの錯形成能はそれ程強くないので、無理があるような気がしますが…)。

鉄と塩化物イオンとの錯体は、
塩化鉄(III)6水和物:[FeCl2(OH2)4]Cl・2H2O、
Fe2Cl6:FeCl4 4面体の複核錯体、
などの結晶構造が知られています。

<鉄の錆に塩化物イオンがかかわる場合について、どういった錯形成が行われているのでしょうか
<…この事例は載っているものなのでしょうか?

(中性の溶液中で)塩化物イオンによって錆が溶解するという、このような事例は「多分」無いと思います。

この回答への補足

よく理解できませんでしたので、補足をお願いできればと思います。
>別の方も書かれていますが、
具体的に何番目の回答をされた方でしょうか?

>(中性の溶液中で)塩化物イオンによって溶解するような酸化物被膜は不動態とは言えないのではないかと思います。
>あくまで、(中性の溶液中で)この記述のような「現象」があるとすれば、の話ですが:
>鉄イオンと塩化物イオンとの間に錯結合を形成し、酸化物から塩化物イオン錯体形成の方向に平衡がずれて、
>結果として酸化物が溶解した、と説明できるかも知れません
「あくまで」の前については“結果として”でない塩化物イオンによる溶解を指されているようですが、それは例えばどんな反応でしょうか?

補足日時:2006/12/06 00:01
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横から口を挟んで申し訳ないですが…。



<錯形成ということですが、何が起こっているのでしょうか?
<詳しい書物・サイトなどありましたら、紹介いただけると幸いです。

「無機化学」という言葉が入った書名の本の「金属錯体」の項目、または「金属錯体」という言葉が入った書名の本が参考になると思います。
(前者は基礎的な、後者は専門的な知識が得られます。生憎と、現在手元に適当な書籍がありませんので具体的な書名を挙げられません。)
ネット検索もこれらの言葉をキーワードとして検索してみてください。

この回答への補足

言葉が足りず、すみませんでしたが、錯体についてはある程度の理解はしているつもりです。
鉄の錆に塩化物イオンがかかわる場合について、どういった錯形成が行われているのでしょうか
というのが質問の趣旨なのですが、大抵「金属錯体」という名前の本にはこの事例は載っているものなのでしょうか?
手許には「無機化学」の本しかありませんでしたので…。

補足日時:2006/12/03 23:39
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No.1です。

補足します。
Mを2価の金属と考えた場合、単に酸化数を合わせるだけなら、
MO + Cl- → M + ClO-
を考えれば説明がつきます。つまり、Cl-が次亜塩素酸イオンになることによって、Clが酸化され、その酸化数が+1になるということです。

ただ、No.1でも書きましたように、Wikipediaの記述に関しては、納得できない部分がありましたので、「・・・実際に金属が還元されるというのが事実であるとすれば・・・」ということで回答しました。

私は、大筋としては、MO + 2Cl- + H2O → MCl2 + 2OH- のような反応によって、不溶性の酸化物が水溶性の塩化物に変化するのではないかと思います。また、錯形成があるのかもしれません。その辺りは、金属の種類によっても違うかもしれませんし、厳密なことはわかりません。
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酸化還元とはあくまでも相対的なものですから,Cl- に還元性があると言える場合は当然存在します.


たとえば過マンガン酸滴定で溶液を酸性にするのに塩酸は御法度です.
理由は Cl- の還元性によって過マンガン酸が消費されてしまうからです.

しかし,件の wikipedia の記述は間違いです.この場合の Cl- は還元剤ではなく,錯形成剤です.

この回答への補足

回答ありがとうございます。
錯形成ということですが、何が起こっているのでしょうか?
詳しい書物・サイトなどありましたら、紹介いただけると幸いです。

補足日時:2006/12/03 14:38
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wikipediaから引用します。



>これは、Cl- イオンが持つ還元性により、不動態皮膜を破壊し、不動態皮膜による防御作用を無効にするからである。つまり錆が無くなることにより余計に錆びるのである。

この文章からすると「還元」という言葉が不適当なのではと思います。
丈夫な酸化物の膜が不動態になっているとします。この酸化物が塩化物に置き換わると不動態でなくなるということであればいいことです。塩化物の方が剥がれ落ちやすい、溶け出しやすいということであれば不動態でなくなります。溶け出せばその部分に穴が開いて新しい金属の面が出ます。「(錆がなくなる)=(金属に還元された)」とする必要はないと思います。
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2Cl- → Cl2 + 2e-


の反応が起これば、塩素が酸化されたことになります。
それは、強い酸化剤(O2やF2など)があれば起こりうることですし、電気分解でも起こりますね。
ご指摘の金属の不動態皮膜のことはよく分かりませんが、金属酸化物となっていた酸素が塩化物イオンと結合するということのようですね。その説明の妥当性に関しては判断できませんが、実際に金属が還元されるというのが事実であるとすれば、塩化物イオンが還元力を示したといわざるを得ませんね。

この回答への補足

>金属酸化物となっていた酸素が塩化物イオンと結合するということのようですね。
金属と結合している段階で酸素は酸化数-IIの筈ですが、塩化物イオンと結合して酸素がプラスの酸化数を取るということですか?
金属の酸化数がどうなるかという疑問も生じてきますが…。

>実際に金属が還元されるというのが事実であるとすれば、塩化物イオンが還元力を示したといわざるを得ませんね。
たしかに「事実であるとすれば」正しいでしょうが…。
No.2の方が言われるように金属酸化物が塩化物に変わるのでも、あるいは更に酸化数が高くなるのでも良いわけです。
ですから、酸化皮膜が失われた事実が正しいとしても、それがイコール金属の酸化数の減少だとは思えません。
Wikipediaの説明をみる限りにおいては、金属の還元(酸化数の減少)が本当に起こっているのかどうかが
私にとっては明らかでなかったので今回このような質問をさせていただいたわけです。

補足日時:2006/12/03 13:37
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