
お世話になります。
ニーチェの『道徳の系譜』を論じたもので、『これがニーチェだ』(永井均、講談社現代新書)のp101に、こういう記述があります。
「やましい良心の起源は人間の内面化にある。残酷さに祝祭的な喜びを覚えるような人間の攻撃的な本能が、何らかの力によって外に発散することを妨げられ、はけ口を失って内へと折り返したとき、そこにやましい良心が成立するのだ。自分の心の中の苦悩に自虐的な快楽を感じること――それがやましい良心の本質である」
この中で分からないのは、「自分の心の中の苦悩に自虐的な快楽を感じること――それがやましい良心の本質である」のくだりです。どうして、自虐的な快楽が「やましい良心」になるのでしょうか?
A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
残酷さに祝祭的な喜びを覚えるような人間の攻撃的な本能を自らの頭の中に存在させている事を知っている本人が、そんな自己の一部との決別を、きちんと心のしこり無く割り切れる方法を自己自身の中で編み出す過程にいて、模索と挑戦は日々機会あれば心全身で試行してはいるが、百発百中なんて神のような者は一切おらないので、やはり割り切れず終わった心は、諦めはしないが、割り切れなかった残酷さに祝祭的な喜びを覚えるような人間の攻撃的な本能を、対外方向に出しては、これまた、社会秩序がおかしくなる事知っていて、そうする事に対して、価値のない事と、そうしない事の価値をも心は十分知っていて、結局、割り切れず残ったその残酷さに祝祭的な喜びを覚えるような攻撃的な心の解消の為、自分自身がその対象となる事によって、内へと折り返したとき、同時にやはりその被験者になる身の辛さを味わうから。
かも。
やましい良心=やましい心(残酷さに祝祭的な喜びを覚えるような攻撃的な心)と良心(そうしてはいけない事の価値を知りえた心の現時点での最善の策が、まだ自分という人を対象としてのみしか解消が出来ない状態。対外的に行う事への歯止めの精神。良心の心はもっと良策があるだろう事に、薄々気が付いているが、探し当ててはいない状態。)の共存
??という事だと思います。
No.5
- 回答日時:
ニーチェは道徳をよくよく考えた人ですね。
カントも理性的に道徳を考えた人ですが、長いし難し過ぎる(苦笑)
ニーチェは「愛する事が力への意志」と情熱的だったようですね。
「善悪の彼岸」でニーチェは
人間の本来の姿は「快感原則=幸せへの意志」
という価値観としていました。
それが「力」ということらしいです。
力は自然や生理、本能、欲望、衝動に秩序を与え
人に幸せをもたらすものとして正当な論理性をもつもの。
ニーチェは
「青信号だからといって、人が渡っているのを確認もしないで
交差点に進入するとは何事だ」と当時の道徳を覆そうとしました。
現実から離れた道徳という価値(共同幻想)に拘って
命を粗末にする道徳は、
人間本来持っている正しさからでないと洞察したようです。
幸せに生きる欲望と情熱で与える力も発揮して、
意識の内面を活性化することが大きな喜びであるのに、
自分から創造することも出来ないものに関わっていくこと、
その価値観を「権力への意志」と言っています。
道徳は、人の本性を発揮するための道筋を与えるもの、
希望と力を与えるものでなければならないと言って
道徳が人を抑圧したり、
権力者が人を支配する為の道具に使ってはならない。
「やましい良心」は疾しい良心?不健康な良心とするなら
誠実で真実の人=「貴族」、嘘吐き=平民
と人間の品格を階位で示す時代が恐らくあって、
ニーチェが生きた時代には高貴な人間を見出すことが出来ず、
ルサンチマン(恨みの人)ばかりだと兆発していました。
>「自分の心の中の苦悩に自虐的な快楽を感じること
――それがやましい良心の本質である」
どうして自虐的な快楽が「やましい良心」になるのでしょうか?
精神の健全性や高貴さの階位が、権力の階位に転落して
自分を粗末にしながらまだ権力を有難がるのは不健康
と示唆したのかもしれません。
貴族が
>残酷さに祝祭的な喜びを覚えるような人間…
だとニーチェは映っていたのでしょうか。
ニーチェはアンチクリストで、
神の権力(?)を使って残酷な裁きを批判したのではないでしょうか。
ニーチェについても哲学についても浅学ですが、
私が唯一最後まで読めた哲学関連の本は
「目からウロコのニーチェ入門フロイトから読み解く」
という本を参考にした参考意見です。
実際に哲学が必要になれたのは平然とした存在。
習いたくなる(真似したくなる)魅力的な人に感銘を受けれたからですね。
やはり人は人を愛するから道徳も生きるのでしょう。
例え愛する資格さえ私になくても(泣)。
No.3
- 回答日時:
おはようございます、kouta_koutaさん。
●自虐的な快楽が
「やましい良心」になるのでしょうか?
「うずき」胸の痛み …恋かなぁ?
うん、恋だと思う。アチッチッと、
山鳩 芥川龍之介
↑
この本の中で
… この時一発の銃声が、突然林間に響き渡った。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/180_1 …
keep in mind
No.2
- 回答日時:
外部に向かうことができなくなって「欲望」(「野生欲望」と呼ぶことにします)が、内側に向かったとき「良心」という新しい欲望を創造します(「良心欲望」と呼ぶことにします)。
「良心」というと「良いこと」のように感じますが、もともとあった「野生欲望」が転化したものですから、本来、良い悪いに関係ないエネルギーみたいなものです。従って、その実現もひとつの「快楽」です。そのため、「良心欲望」は自分の中の「野生欲望」を攻撃するとき「快楽」を感じます。この「快楽」を永井均さんは「自虐的快楽」と呼んでいるのではないでしょうか。それは、勝手に人のものを盗もうとする「野生欲望」に対して、「正しい人間としての誇りを守る」快楽のような形で現れます。ところが、「良心欲望」は常に「野生欲望」に勝つとは限りませんから、その場合、「良心欲望」には敗北感が、「野生欲望」には「すっきりしない」後味の悪さが残ります。これが、「良心の疚しさ」です。「自虐的快楽」も「良心の疚しさ」も、自己分裂が起こっているという意味で、基本的に同じものです。
「道徳の系譜」のII-16,17に「良心の疚しさ」の起源について書かれていますが、「良心の疚しさ」が創造される背景は、この部分を読んだほうが、むしろ、わかりやすと思います。
No.1
- 回答日時:
ニーチェは全く知らないのですが、ご質問内容に興味を持ったので私見を述べてみます。
引用文にもあるように、自虐的な快楽は、本来であれば外向するはずの攻撃エネルギーが内向することによって(蓋然的にでしょうが)もたらされます。
自分を苛めることが快楽になる、ということでしょう。
(なぜ自分を苛めることが快楽になるかと言えば、神経症的ではあるわけですが、苛められていることに耐えているという点に自身の価値を見出すからでしょう。)
自分を苛めるということは、自分を貶めるということですから、少なくとも(表面上は)相手を否定する方向性は持っていないことになります。
相対的には他者を利するという側面を持っているわけです。
良心というものを「他者へ及ぼす正善」と捉えた場合、このような側面から見ると、「自虐的快楽では他者への良心が成立している」という理屈も一概に否定はできなくなります。
しかし、自虐が快楽であるのは自己都合によるものですから、「他者へ及ぼす正善」という良心の本質からは少し逸れる、つまり偽物の良心と言えます。
偽物でありながら本物(の良心)であるかのように主張する(または受け止められる)わけですから、その点が「やましい」ということになるのだと思われます。
なるほど。おおすじ納得がいきます。「偽の良心」であることに気付かされる、ということですね。自分が欺瞞的であることに気付いてしまう、気付きたくないけど気付いてしまう。そのことに「やましさ」を感じてしまう。
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