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会社の業務の関係で、粉末X線について勉強しています。
関連の雑誌を見ていた際、表題に関する記事が掲載されていたので興味深く読んでいました。内容は以下の通りです。
ある有機化合物には2種類の結晶多形が存在し、一方だけが単結晶としてとれ、他方は粉末結晶しか得られません。したがって、前者のX線構造解析の知見を生かし、後者については粉末X線のデータから、結晶構造を推定しようということで、実際に結晶系や格子定数まで導き出しています。
私の疑問は、粉末X線の各ピークをどのよにして各格子面に紐付けするかという点です。格子定数が分かっていれば計算で同定することは可能ですが、上記の論文では、格子定数が分かっていない状態から見事に推定しています。おそらく単結晶でとれた方の情報をうまく活用するのだと思いますが、どうもよく分かりません。この辺の学問に詳しい方、是非教えて下さい。
ちなみにこの記事は、「Pharma Tech Japan」という雑誌の本年はじめの号に載っていたと記憶しています(手元にないのですみません)。

A 回答 (3件)

粉末サンプルのディフラクトメータの回折線だけの場合は


結晶構造を仮定すると
・回折線の間隔が結晶ごとに異なる(あたりまえか)
・回折線として出てこない指数の線がある(あたりまえか)
のでそれをもとに推定します。
その場合大体でも対称性がわかっていると大まかな
指数を決めることができて助かります。
(対称性がなくなっていくと、回折線がだんだん分かれていきます。)
たとえば、シンプルキュービックの回折線の系列の出る
相対位置関係は決まっているので、
四角い結晶(?)と予測がつけば、比較的大きなピークに注目する
(基本となる構造の作る面には原子が多くある場合が多いので
 多分ピークが大きくなる)と
それに似た相対位置関係にあるに回折線の系列がでる可能性が高いです。
すると格子定数は大体わかって、指数がつけれるようになります。
格子定数がわかると回折線の出る場所が大体予測できます。
そのうち回折線が複雑なことろや角度の低い位置に回折線があれば
長周期のもっと大きいユニットセルをもつ結晶だったりとか
角度の高いところにいっぱい回折線が出たら、
内部構造が複雑な結晶だったりとか(自信をもって自信なし!)
わかったような気がします。

要は、簡単な構造からゆっくりと形を変えていけばわかるように
単純な結晶のプロファイルを知っていれば
ある程度予測がついて結晶を絞っていけます。
(昔のことですが、同じ結晶系では
 面間隔が格子定数に対して比例関係にあるので
 ピーク位置の系列を目盛った定規のようなものがあって
 それが(逆サイン関数で)伸び縮みすればなと思ったものです。
 でも、いまやパソコンがありますからね(昔もあったけど)
 比較的容易でしょう。)
また、結晶系や格子定数が決まったら、組成が決まっているのであれば
それをユニットセルの中に適当に「配置」して原子散乱因子(?)と
結晶の構造因子(?)からピーク強度が求められたはずです。
「配置」の仕方は経験によるところが大きいのでしょうが、たぶん、
骨組みの部分や分岐のつき具合を
考慮して決めていくのでしょうね(このあたりは全然わかりません。)

そんなわけで、ご質問の場合には
同じ分子の場合おそらく結晶構造の対称性が近いとか
パッキング (密度)が近いので格子定数が近いとか
予測があってそういう情報を利用しているのでは?
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この回答へのお礼

丁寧なお返事ありがとうございました。
回折指数の求め方がまだ少し分かりませんが、もう少し勉強してみます。
分からなかったらまた質問しますので、その時はお願いします。

お礼日時:2002/05/25 14:12

XRD (粉末 X 線) のデータがあれば,結晶系と空間群,格子定数の同定が可能です。

また,各ピークに面指数をつけることも可能です。詳しい原理については XRD 関係の成書をご覧になってください。

> ある有機化合物には2種類の結晶多形が存在し、一方だけが単結晶としてとれ、

という場合,XRD は 2 種の結晶由来のピークが混ざって観察されると思います。しかし,片方の結晶構造は完全に構造が解けているため,計算することによって,XRD を 2 つに分離することが可能です。そして,分離された純粋な未知試料の XRD からは,この結晶系,空間群,格子定数を同定することができます。

oilpapa さんがお読みになった論文は,ここまでで終わっているとのことですが,もしさらに分子動力学計算を用いれば,完全なパッキングまで推定することもできます。

結晶構造解析は 4 軸 X 線が最も強力ですが,XRD も使いようによっては非常に強力です。

この回答への補足

お返事ありがとうございます。
私も一冊参考書を買いましたが、ピークと回折指数を対応させる方法がどうも分りません。格子定数が分っていれば、各晶系についてピークが出る角度が計算でき、晶系を決定したりできます。ただ格子定数も分っていない状態から、どうやって推定するのかが分りません。この辺のことが詳しく書いてある参考書をご存知であれば、教えていただけると助かります。

補足日時:2002/05/21 15:18
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>粉末X線のデータから、結晶構造を推定しようということで、



これは「リートベルト法」のことでしょうか?

単結晶のX線構造解析は何度か経験したことがあるのですが、
粉末については前に講義で聞いただけなので「自信なし」です。

参考URL:http://homepage.mac.com/fujioizumi/index.html

この回答への補足

お返事ありがとうございます。
リードベルト法よりももっと簡易的な話だと思うのですが、私はド素人なのでなんとも言えません。何か分ったら教えて下さい。

補足日時:2002/05/21 15:15
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