ある研修医が脳死臓器移植法改正について若手医療従事者の意見を求める、行政機関主催のアンケートを受け取ったとします。
質問にはドナーカードのフォーマット、脳死判定を開始する条件や手続き、関係者のプライバシーの保護など様々な問題が含まれています。
中でもその研修医が回答に最も苦慮した質問は「脳死患者が書面で臓器提供の意思を明確に表示している場合には、患者家族(遺族)が臓器摘出・提供を拒否しても、当該脳死患者から臓器提供が出来るように法改正をすべきだろうか」というものです。
1997年施行の臓器移植法ではたとえ臨床的に脳死状態に陥っているとして、その患者が書面で臓器提供の意思を表示している場合でも、患者家族の拒否があれば正式な脳死判定は行えなくなっています。
私個人の意見としては臓器はやはり脳死患者のものであり、本人の意志を尊重するべきでそれが理に当ると思います。ただ、そこで悩むのは、法改正をして家族の拒否が無効になった場合を考えるとして、もし突然愛する家族の一員を失った時に、遺族の思いを考えると拒否は出来ないのですからすんなり提供に踏み出せるのかどうかということです。しかし臓器を待っているレシピエント候補の方の存在など勘案すべきことが多いのです。
そこでみなさんの意見をお聞きしたいと思い今回投稿しました。
質問を簡潔に書きますと、
(1)上記に述べたように法改正には賛成か反対か、またその理由。
(2)脳死患者の臓器は一体誰のものだろうか。
(3)移植に関して誰の希望が最も優先されるべきか。
以上の3点についてご回答をよろしくお願いいたします。
A 回答 (6件)
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No.6
- 回答日時:
ドナーに近い立場の田舎医師です
(1) 時期尚早です 法改正には社会の理解が必要です
充分な世論のバックアップ無しで改正した場合 むしろ反発や批判を浴びる可能性が高いと予想します 傾向としては少しずつ世間の理解は改善されつつあると感じますが 日本人の死生観倫理観の問題ですからそうそう容易ではない話です
将来的には可能と考えます 他国ではやっているわけですから
(2)故人のものです。しかし、故人は何も語りませんが遺族は訴訟を起す権利を持っています。
(3)最優先はもちろん本人です。家族の希望と一致しない場合の対処には社会的合意の形成まで必要になると考えます
お礼が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
皆さん、中には専門家の方々からの貴重なご意見をいただくことができ、私の中での脳死判定についての考え方に幅が広がりました。
医療技術の進歩は絶え間ないものであり、それに従い脳死判定に関する法律なども今後議論され続けるものだと思います。
このサイトではお礼と共にポイントを付与する機能があるようですが、皆さんの意見はどれも参考にされるべきものであり優劣をつけがたいというのが本音であります。そのため、ポイントの付与はなしということでご了承ください。
最後になりますが、皆さんへのお礼が遅れこの欄にまとめて書くこととポイントの付与に関しては申し訳ありません。
今回は本当にありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
現在アメリカに留学中の移植に関わる医師です。
早速ですが質問に回答いたします。
(1)ご遺族からの反対があれば臓器提供はあり得ません。問題は日本では臓器提供をしてもいいと思っておられる方々が多いにもかかわらず臓器提供意思表示カードがないと臓器提供ができないという障害が大きな問題となっています。カードを持っていなくてもご家族と臓器提供について話し合い、亡くなられた場合に臓器提供の意思を示していたにも関わらずカードが見当たらない、あるいは適切に記載されていないなどのために臓器提供ができずにご遺族が歯がゆい思いをされるという話も聞いたことがあります。今回の問題の逆のパターン、つまり「臓器提供意思表示カードを保持していないあるいは見あたらないが、家族と話し合って臓器提供意思を表示している場合にはご家族の同意の下に臓器提供を可能にするべきであるという議論がなされています。アメリカでも臓器移植意思表示カードのようなシステムがありますが、持っていなくても、ご家族の意思で臓器を提供することができます。
(2)誰のものかというと明確な基準があるかは憶えていませんが、残された臓器は本人のものでありますが亡くなられる以上、ご家族のものと考えるべきでしょう。
(3)移植に関しては本人のご希望がもっとも優先されるべきです。その次にはご遺族の方でしょう。
先月のLA timesに腎移植を受けて透析を離脱されて臓器移植を待っている患者さんの精神的な支えとなっているLAの牧師さんの言葉が記載されていました。元の英文は忘れましたが内容を訳すと「神は肉体を望んでいない、精神を望んでいるのだ。」
No.4
- 回答日時:
(1)反対。
ただし国家に登録する厳格な制度なら賛成です。書面などという曖昧なものではいけません。・・・遺族といっても中の良い家族も有ればそうでないのもあります。故人が遺族が反対しても提供するんだという意思を、疑いようのないほど明確に示すなら、その家族はそれまでの間柄であったのでしょうから故人の意思を尊重したいです。(2)フランスを明確に意識した質問ですね。やはり私は故人の物で、故人の意思を最優先すべきだと思います。誰々に移植してくれという遺言もありだと思っています。故人が託した先が臓器の持ち主だと思います。それが国家であれ遺族であれだれか無関係の個人であれ。
(3)故人。ただし家族をないがしろにしても○○してくれといった意思表示がない限り、家族が類推するのが筋だと思います。
No.3
- 回答日時:
「脳死患者が書面で臓器提供の意思を明確に表示している場合には、患者家族(遺族)が臓器摘出・提供を拒否しても、当該脳死患者から臓器提供が出来る」などという法律は論外でしょう。
家族が反対する中を、脳死患者を手術室に運び臓器を摘出するなどというのは民主国家では不可能です。現在の法律で言えば、変死体を司法解剖する際は遺族が拒否しても国家権力で解剖可能ですが、それと同じように移植医療を行うおこなうのは無理です。移植医療を推進する人にもこんな法律を作ろうなどという意見はないと思います。こういうことを思いつくのはSFや映画の影響でしょうか。(1) 自明 (2)患者本人 (3)本人だが家族の同意も必要
脳死移植推進には、「生前に拒否の意思表示がなければ、ドナーカードがなくても家族の同意で脳死判定や判定後の臓器移植可能」という方へ法律を改正するべきです。
No.2
- 回答日時:
(1)反対です。
現在の日本の移植医療の現状を考えるとそのような法改正は行きすぎだと感じます。法律でそこまで強引なことを決めてしまうとそれに反発する人も沢山出てくるのではないでしょうか?中々進まないとはいえ、せっかく脳死移植法ができ、数はきわめて少ないながらも、脳死移植がようやくできるようになったというのが今の日本の状態ですよね?あせりは禁物なように思います。ゆっくり大事に進めていくべき時だと思います。
大事なのはドナー希望のある人が健康な時から家族と話し合って、家族にいざと言う時の自分の気持ちを伝えることだと思います。そして全ての人が自分がドナーになりたいのか、なりたくないのかという意思表示をすること。私個人がもし法律を改正するならここを改正してほしいと思うのは、免許証や保険証など何でもいいと思うのですが、ほとんどの人が持っているようなものに必ず自分の意思を記入しなければならないというふうにしてほしい。そして法律で決めるのはおかしいと思うのですが、国を挙げてそのことについて家族で話し合うことを推奨してほしいと考えます。
質問から話がそれている点もありますが、ご容赦ください。
(2)脳死患者である本人のものだと思います。
(3)ドナーとなる脳死患者の意思が一番優先されるべき。
No.1
- 回答日時:
1、反対
日本人の遺体に対する考えは揺るがない。検死制度は廃止されない。
2、生まれ持った本人のもの。
3、ドナー登録者=家族の意思=レシピエント 優先順位はない。
ヨーロッパは事故でもうだめだろうで即移植です。倫理観はとことんちがいます。
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