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・アルカリ法でIII液を加えた後、転倒混和していますが、某本では「ボルテックスで混和する」とありました。
・アルカリ法の原理から考えれば、別に激しく攪拌しても問題ない、どころか、攪拌した方がプラスミドの回収率が良いと思われます。
・そこで質問ですが、III液を加えた後、攪拌してはいけない理由、或いは攪拌しても良い理由を、どなたか教えて下さい。
・今までは、攪拌したらゲノムがコンタミするのだろうと漠然と考えていましたが、そういうものではないのでしょうか。

A 回答 (3件)

ANo.1、2です



>筆者は、本の随所で度々原理・理論を謳っていることから、ゲノムの
>コンタミについて、気付いてないとは思えないんですよ。従って、
>敢えて(?)攪拌している理由が、やはりあると思われるんですよね。

おっしゃるとおり、敢えて攪拌している理由はあると思います。
バイオ実験イラストレイテッドという本は、分子生物学実験初心者が失敗せずに実験ができることに重きを置いて書かれていると認識しています。
III液による中和が完全でないと、その後の遠心で上清と沈殿をうまく分けることができませんから、これは完全な失敗になりますよね?ゲノムDNAが多少コンタミしてでもプラスミドが回収できることを重視すれば、ボルテックスなり激しく振るといった処理の仕方になるのではないかと思います。

>写真のスメアが薄いのは例えば、攪拌によりゲノムが断片化しても、
>ほとんどは数10Kb以上の大きさで、且つ一本鎖であるため、
>フラックスに取り込まれている事実を反映しているんじゃないでしょうか。

スメアの濃淡、プラスミドDNAバンドの濃淡は、最終的にDNAのペレットを何μLの水に溶解させるかによります。件の写真は、おそらくColE1 oriの高コピープラスミドを取り、やや多目の水に溶解させていると思われます。ゲノムDNA<<プラスミドですので、スメアが薄く見えるのではないかと・・・。
質問者様がやろうとしているのはBACとのことですから、これは多くて数コピー、モノによっては1コピーです。高コピープラスミドとまったく同じ菌体量・手法で取ったとなると、ほぼ同じ量のゲノムDNAに対してプラスミドは1/1000程度しかありません。これは相対的にゲノムDNAのコンタミ量が増加することを意味します。

従って、高コピープラスミドならば、III液添加後ボルテックスでも激しい攪拌でもそれほど問題ないが、低コピーおよび超低コピープラスミドに関しては穏やかにしっかり混合するほうがよい、というのが回答になるのかなと思います。いかがでしょうか?
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この回答へのお礼

胸のすく様な回答、有難うございました。
また何度も丁寧にお答えいただき、本当にありがとうございました。
ところでBACについてですが、回収の手技を少し変えてみたところ、
十分量採れ、かつシークエンスも何とか出来ました。
また何かありましたら、是非宜しくお願いします。

お礼日時:2007/03/28 12:36

ANo.1です



バイオ実験イラストレイテッド2、見てきました。
確かに書いてありますね、小スケールではボルテックス、ラージスケールでは激しく振る、と。
ただ、処理後の電気泳動写真も見てみましたが、ややスメアになっていてゲノムのコンタミが見受けられるような気がします。激しく振ったりボルテックスするとゲノムDNAは間違いなくコンタミすると思います。ハイコピープラスミドなら問題ないかもしれませんが、BACだと相対的にゲノムDNAコンタミ比率が増えるのでやめた方がよいかと思います。
お使いのBACベクターがわからないのでなんとも言えませんが、ものによっては誘導物質を使ってコピー数を上げられるものもありますので、まずはコピー数の向上を行った方がよいかと思われます。
あとは、菌体量に応じたスケールでの回収を考えるべきです。大量の菌体を小スケールで溶菌させるとなると、いかに激しく攪拌しようと溶菌しない部分が残ったり中和が中途半端になるのは間違いないです。
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この回答へのお礼

お返事有難うございます。仰ること、一々尤もだと思います。攪拌する気は、大分失せてきました。
僕も写真を確認しました。確かに、少しスメアになってますね。
でも思ったよりは、かなり少ないですよね。
筆者は、本の随所で度々原理・理論を謳っていることから、ゲノムのコンタミについて、気付いてないとは思えないんですよ。従って、敢えて(?)攪拌している理由が、やはりあると思われるんですよね。
写真のスメアが薄いのは例えば、攪拌によりゲノムが断片化しても、ほとんどは数10Kb以上の大きさで、且つ一本鎖であるため、フラックスに取り込まれている事実を反映しているんじゃないでしょうか。

お礼日時:2007/03/27 18:31

III液を加えて生じたフロックにゲノムDNAを絡みつかせ、遠心によりフロックとゲノムDNAのみを沈殿させるのが目的です。


ボルテックスのような激しい攪拌はゲノムDNAの断片化を招き、遠心後の上清へのゲノムDNA混入を引き起こします。ボルテックスはやらない方がよいですね。
攪拌した方がプラスミドの回収率が良いとお考えのようですが、プラスミドの回収率はIII液よりもむしろII液添加後の操作の方が重要です。II液添加後に温和に混ぜながらもしっかりと溶菌させていれば、III液でボルテックスの必要はありません。どろどろの部分が無くなり、全体的にたまごスープのような感じになっていれば十分です。

とはいえ、小スケールならボルテックスしてもたかが知れているので、一度やってみても良いかと思います。私はボルテックスしたことないですけど、十分量回収できています。

この回答への補足

この質問の意図です。僕は現在BACをテンプレートにシークエンスしようとしていますが、コピー数が少ないせいか、プラスミドが十分量回収できません。
従って大量に培養しなくてはならないのですが、代わりにリッチな培地を使って大腸菌を十分増やし、プラスミドを回収しようと思っています。
しかしそれでは溶菌が不十分になることが考えられるので、III液を加えた後、激しく攪拌できれば、攪拌不十分のため、ドロドロになる事が無いだろうと思ったのです。

補足日時:2007/03/27 16:07
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この回答へのお礼

お返事有難うございます。
仰る通り、普通は激しい攪拌はゲノムDNAの断片化と混入を招く、と思われますし、僕もそう思ってました。しかし本当にそうなんでしょうかね?何となれば、試した事無いですからね。
因みに某本とは「バイオ実験イラストレイテッド(2)」です。また「教えて!goo」の過去の質問を参照しても、ボルテックスをしている例は結構ありました。

お礼日時:2007/03/27 16:06

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