NaOHとHClの廃液が混合された漕があります。
pHを測定した後で、NaOHかHClを添加して中和するのですが、量は適当にやっているので、なかなか上手くいきません(何度もやり直したり、HClを入れすぎてNaOHを入れたりしている)。
事前に「この程度を入れれば良い」というものがあれば便利なのですが、計算可能でしょうか?
1バッチあたりの廃液量は200~300t、HClは35%、NaOHは25%を使用しています。1回中和するのに数百リットルを使用しています。
例えば、中和前の液量200t・pH9の廃液をpH7にするには、どの程度の塩酸を添加すれば良いのか?pH3の廃液をpH7にするには、どの程度の苛性ソーダを添加すれば良いのか?
pHと液量が判れば、35%HClや25%NaOHをどの程度入れれば良いのか、ざっくりとした目安になるものが欲しいです(最終的にはpHを測定しながら微調整します)。
よろしくお願い致します。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
廃液の全量を V(l_)、 (l_はリットルを表わす)
pHを x とします。
(1) x<7 のとき、加えるべきNaOHを y(l_NaOH液)とすると
水素イオン濃度は、10^(-x)(gr当量H+/l_廃液)なので、
10^(-x)(gr当量H+/l_廃液)・V(l_廃液)
=(25/100)(grNaOH/grNaOH液)・(1/40)(gr当量OH-/grNaOH)・{y(l_NaOH液)・1000(grNaOH液/l_NaOH液)}
(40 は 1gr当量のNaOHの重量です)
次元のみを表わすと、
(gr当量H+/l_廃液)・(l_廃液)=(grNaOH/grNaOH液)・(gr当量OH-/grNaOH)・{(l_NaOH液)・(grNaOH液/l_NaOH液)}
次元を抜いて式を表わすと
10^(-x)・V=(25/100)・(1/40)・{y・1000}
これから、log(V)-x=log(y)+0.7959 (0.7959 は log(25・1000/100/40))
従って、log(y)=-x+log(V)+0.7959
(2) x>7 のとき、加えるべきHClを y(l_HCl液)とすると
水素イオン濃度は、10^(-x)(gr当量H+/l_廃液)、つまり、水酸イオン濃度は、10^{-(14-x)}(gr当量OH-/l_廃液)
なので、
10^{-(14-x)}(gr当量OH-/l_廃液)・V(l_廃液)
=(35/100)(grHCl/grHCl液)・(1/36.5)(gr当量H+/grHCl)・{y(l_HCl液)・1000(grHCl液/l_HCl液)}
(36.5 は 1gr当量のHClの重量です)
次元のみを表わすと、
(gr当量OH-/l_廃液)・(l_廃液)=(grHCl/grHCl液)・(gr当量H+/grHCl)・{(l_HCl液)・(grHCl液/l_HCl液)}
次元を抜いて式を表わすと
10^{-(14-x)}・V=(35/100)・(1/36.5)・{y・1000}
これから、log(V)+x-14=log(y)+0.9818 (0.9818 は log(35・1000/100/36.5))
従って、log(y)=x+log(V)-14.9818
このようにして得た xとyの関係を、Vをパラメーターとする(200,000~300,000(l_)までを、10,000(l_)間隔で)グラフを
対数用紙にプロットしておくと、廃液のpH、廃液量が分かれば、グラフから加えるべき NaOH(l_)、あるいは、
HCl(l_)が求まります。
Vの字型のグラフになります。
これを実施するに当たり注意すべき点を列挙します。
◎この計算を厳密に行うには、単にグラム当量濃度を計算するのではなく、活量を用いる必要が
あるので、大体の目安として扱うべきであること。
◎ 理屈の上では、計算で求めた量のNaOH、あるいはHClを加えれば、pH=7 となる筈ですが、
pHが7近くなると、加えるべき量は、桁違いに少なくなるので、目的とするpHを、例えば、6~8、
あるいは、6.5~8 とするなどの許容幅を設けないと実際的でないこと。
◎ 廃液を貯蔵する施設が空気と接するものであれば、気中の炭酸ガスが溶け込むことにより、
pHが低めに出ること(これは実際におこなってみて、臨機補正するしかないでしょう)。
No.6
- 回答日時:
計算式を見直しましたが、式には間違いはなさそうです。
苛性ソーダ溶液、塩酸溶液の密度を、1として、1000(grNaOH液/l_NaOH液)}、及び、1000(grHCl液/l_HCl液)}としていましたが、計算上、さほど大きな誤差を生じないと思います。
アンモニアはpHの変動に影響するように思われます。どれほどの緩衝効果があるのかは知りません。どなたか、詳しい方にお聞きになってください。
結局、大きく食い違った原因の主な調査として、
◎ 攪拌を充分時間をかけておこなったか?
pHが7に近いと反応速度が小さく、時間がかかります。
◎ 加えた苛性ソーダ溶液が既に炭酸ガスを吸収していて、(グラム当量OH-)が減っているということはなかったか?
◎ アンモニアの緩衝効果はどれほどか、つまり、pHの変動を抑える効果がどの程度あるのか?
を取り上げる必要があるのではないでしょうか。
わざわざ再確認までして頂いて、申し訳ありません。
・pHがどうであろうと攪拌時間は同じだったので、見直してみます。
・苛性ソーダが炭酸ガスを吸収したという点ですが、苛性ソーダは濃度確認して問題ないことを確認しています。
・アンモニアの影響は大きいかと考えています。
調べてみると、苛性ソーダと塩酸は等量に入っているらしく、pHはアンモニアが支配しているように思います。つまり、塩水の中にアンモニアが入っている状態かと。
質問の条件が変わってしまったので、新たに質問させて頂くことにします。
No.5
- 回答日時:
もう一つ注意すべきことがありました。
タンクは大きいようなので、タンク内の攪拌に、かなりの時間を掛ける必要があることです。
この回答への補足
ANo4と同じ方なので、こちらに捕捉を書かせて頂きますと、教えて頂いた式は、実績データと大きく乖離しているようです。pH9の廃液230tonをpH8まで処理したところ、約500Lの塩酸を必要としました。
調べてみると「アンモニア」が多量に含まれていました
つまり、処理前の廃液には「塩酸」「苛性ソーダ」「アンモニア」が含まれているということになります。
多量のアンモニアがあると、この式は使えないと考えた方が良いのでしょうか?それとも、pH<7なら使用可能でしょうか?
なお事前にアンモニア濃度を把握することは可能のようです。
せっかく丁寧に教えて頂いたのに、当初の質問と条件が変わってしまい、申し訳ありません。
No.3
- 回答日時:
直接の回答ではありませんが酸・塩基廃液の中和処理には
NaHCO3(重曹)が便利ですよ。
酸性の廃液にNaHCO3を添加していくと
NaHCO3 + HCl -> H2O + NaCl + CO2↑
となり、二酸化炭素の泡が出てきます。
泡が出なくなったら、中和完了。
溶液の pH は炭酸の pKa1 = 6.3 付近になっています。
一方、塩基性の廃液にNaHCO3を直接添加していくと
NaHCO3 + NaOH -> H2O + Na2CO3
となるのですが、この場合溶液の pH は
炭酸の pKa2 = 10.3 付近となるので駄目です。
「塩基性の廃液は一旦HCl等で酸性にしてからNaHCO3を
泡が出なくなるまで加える」
のがポイントです。
ちなみに重曹は10kgで数千円と非常に安価です。
参考になれば幸いです。
この回答への補足
残念ながら、塩酸と苛性ソーダしか注入できない系統ので、重曹はムリです・・・・・マンホールを開けて突っ込むことは可能ですが(^^;
No.1
- 回答日時:
チェックシートを作ってはどうでしょうか?
廃液を入れるたびにその濃度と量を記入します。
中和作業をするときは、
塩酸の濃度×塩酸の液量=水酸化ナトリウムの濃度×水酸化ナトリウムの液量
が等しくなるように、不足分の塩酸または水酸化ナトリウムを投入すればいいのです。
あらかじめエクセルなどで塩酸の総量、水酸化ナトリウムの総量、その差、中和の必要量の式を求める式を作成しておけば、計算の手間は省けます。
ただ二酸化炭素などによる誤差も考えられますので、その辺は微調整しておいて下さい。
この回答への補足
今更ながら始めたので、まだまだ試行錯誤の段階です(データ取りの最中)。
この試行錯誤を少しでも楽したいというのが、この質問の趣旨です。
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