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「新しい歴史教科書をつくる会」の作成した教科書は実際に教育の現場に入っていっているのでしょうか?
ぜひ教え下さいませ。

A 回答 (3件)

とりあえず中高一貫校など、教科書が広域採択ではなく学校採択のところでいくつか「新しい……教科書」の採用例を聞くくらいです。


具体的な数字でいえばNo.1さんのおっしゃる通りです。

当然、授業研究(教研集会等)で授業実践例を聞くこともありません。
現在のところ、教育現場レベルでは通常の教科書としては無視されているといって過言ではないでしょう
(むしろ、教育界では「つくる会」の派手な事前運動が「『外部』からの教育に対する『不当な』干渉」の象徴として捉えられているかもしれないです。噂レベルですが、『国民の歴史』ばらまきとか、もうちょっとあれな話とか、ちとやりすぎでは、という話を耳にしました)
もっとも、「読まずに批判するのは……」という意図や、「掲載図版や資料は使えるから資料集がわりに」という動機で市販本を個人的にお持ちの先生も少なくないようです。

恐らく、今後も扶桑社から出ている「つくる会」の教科書の採用数が伸びる見込みはかなり薄いでしょう。
理由は(採択反対運動の存在を除けば)主に下の3点によります。
・対応副教材が少ない(ワークブック、単元テストなど)
 ※かなり致命的な欠点で、しかも今後こうした副教材が出てくる見込みは薄い(採用数が伸びる見込みもない……マイナスのスパイラルですね)
・地理教科書がなく、他社教科書と編集方針がかなり異なるので地理・歴史・公民、三分野の関係づけが難しい
 ※上に劣らず致命的欠点。ちなみに左派系な出版社から出ている授業研究本などでは「外部からの教育に対する不当な支配に抵抗するにはまず地理教育から」などと書いてあったり(汗)
・記述量が多く、現行の授業時数で扱うのはやや困難
 ※現在の生徒の実態と授業時間数を考えると、たいていの公立中学校で使うには若干ためらいを覚える程度に記述量が多い

無論、現場としては採用決定となれば扶桑社の「新しい……」教科書を使うのにやぶさかではありませんし、授業もいくらでもできますが(教科書「を」教えるのではなく教科書「で」教えるものです)、生徒にとってより負担の少ない教科書(何も教科書本体の記述の質と量ばかりではありません)を選ぶとすると扶桑社の教科書は選択肢から外れやすいと思われます。

仮に「近隣諸国」や「良識的」市民による採択反対運動がなくても、扶桑社の教科書を使う地域はごく少数でしょう……まあ、パーセントでコンマ以下、という現在の採択率は、各種報道を総合的に判断すれば、明らかに教科書採択権者に対する「不当な」「外部からの」圧力によるものですが(微笑)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
とても分かりやすいご説明で大変納得が出来ました。

「新しい……」は上述された3点を克服しようと活動はしているのでしょうか?
もしお分かりでしたらぜひお教えくださいませ。

お礼日時:2007/05/30 17:07

No.2です。



「つくる会」が小生の挙げた点について改善努力をしているか……というと、おそらく「つくる会」自身ではどうにもならない、あるいは採択側の論理を考慮していない側面もあるように思われます。
以下、小生の見解を述べますが、小生は「つくる会」関係者ではないので、あくまで外部から見た想像である点をお含みおきください。

◎副教材
 従来から副教材を作っている出版社では、この教科書向けの副教材の注文は受けにくいでしょう。採択率がコンマ以下では、他の教科書用の教材と(生徒1名当たり単価を)同価格で受注した場合、まず確実に赤字が予測されます。扶桑社自身で出版するにしても同じ問題が付きまといますから、市販本の売り上げで赤字補填が期待できる教科書本体はともかく、単元テスト(ほぼ、中学校でしか用途がありません)などは、営利企業としては出版をためらわざるを得ないでしょう。

◎地理教科書
 高校では地理と歴史で教科書の出版社が違うのはむしろ当然なので、「つくる会」では大きな問題と受け止めていない可能性があります。
 さらに言うと、大学レベルでは地理学専攻は文学部よりはむしろ理学部に置かれることが一般的です。「つくる会」の人脈はどうも文系に偏っているように思われますので、地理教科書の執筆を担当できるだけの質・量そろった地理専門家(たち)が会にいないのではないでしょうか。
(ついでに言えば、地理を専攻した教員は(大学教官から小・中学校教員に至るまで)歴史や公民分野専攻の教員に比べごく少数ですので、教科書を書けるような人材が他社によって既にほとんど占有されている可能性も指摘しておきます)

……傍証として、現在に至るまで『国民の地理』ないし『国民の地図帳』が出版されていない点を指摘しておきます。『国民の歴史』『国民の道徳』『国民の思想』『国民の芸術』と、「つくる会」は教科書と関連したハードカバー書籍を出していますが、この中に地理教科書向きの記述は(絶無とは言わないにせよ)少ないです。この点から考えると『国民の地理』を書ける人がいない、すなわち地理に堪能な(地理学会の重鎮クラスの、教科書の執筆者としてふさわしい)人材が「つくる会」に不在であるか、少なくとも地理教科書を書く準備が整っていないと想像されます。

※あるいは質問者さんの他にここをお読みの方の中で、「なぜ地理の教科書がないと不利なのか」という疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれませんのでこの点について述べておきます。
実はこと中学社会に関する限り、現在扶桑社以外の出版社7社は3分野すべての教科書をそろえております。すなわち、「地理・歴史・公民各分野の連携を重視する」という、社会科教員的には拒否不能な一句を教科書採択の条件に入れるだけで、ほぼ自動的に扶桑社教科書は選択肢から脱落します(各教員の授業の実態がそこまで分野間の連携を重視しているか、はさておき)。

・記述量
 初期にはA5判だったものをB4判(近年の中学教科書の標準)に改める、記述量も精選された節が見られる、など、企業努力(?)は認められますが……
 一度張り付いたレッテルをはがすのは難しいものです(嘆息)
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
本当に分かり易いご説明に感謝いたしております。
内容がどうのというよりもこういうことが問題だったのですね。
本格的に採用されるのは長い道のりになりそうですね。

お礼日時:2007/05/31 18:55

新しい歴史教科書が0,4%


新しい公民教科書が0,2%だそうです。
http://www.tsukurukai.com/02_about_us/05_adopt_0 …
http://www.tsukurukai.com/02_about_us/05_adopt.h …
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
あれだけ話題になったのにも関わらず、まるっきりですね。
前途多難ですね。

お礼日時:2007/05/30 17:28

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