韓国・朝鮮語では日本のヘボン式ローマ字のように決まり切ったアルファベットへの変換基準が無いということは知っています。それを踏まえた上で疑問に思うことは、読みの音と表記があまりにも違うのではないかと感じることがままあることです。
私は韓国・朝鮮語を理解できないので固有名詞で例を挙げますが、例えばよくある苗字の「李」はカタカナの「イ」にかなり近い音だと思いますし、ハングルでもリウルは使わないはずです。しかし多くの人は「LEE」というアルファベットに置き換えています。みんながそうしているからと慣習的に変換する人が多いのかもしれませんが、自由に選べるのだから「YI」とか「YEE」のほうがよっぽど音に忠実な気がします。
あるいは韓国第二の都市釜山も、以前は「PUSAN」表記だったものが現在では「BUSAN」に改められていますが韓国人の発音を聞いてもやっぱり「P」の音に聞こえます。
確か金浦空港も「GIMPO」でしたね。
確かに日本語をローマ字で表現することもかなり無理があると思いますが、韓国名詞のアルファベット表記を見ると耳が悪いんじゃないかと思うほどのズレを感じてしまいます。(因みにアルファベットで表記する場合は英語の音を基準にするものだと漠然と私自身は思っています)
私が実際の発音をよく知らないためなのか、あるいは他のことが原因でそうなるのかご存じの方教えていただけないでしょうか?
よろしくお願いします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>アルファベットで表記する場合は英語の音を基準にするものだと漠然と私自身は思っています
私も基本的にはそうだと思います。しかし、一つ重大なことをお忘れでは。
英語で同じ音に聞こえる場合はどうするのでしょう?
その問題がここで起こっているわけです。
確かにプサンの頭の音は英語ではpに一番近いのですが、韓国語にはもう一つpに近い音があります。
前者のpは平音と呼び、普通のpの発音です。
それに対して後者のpは激音、あるいは有気音と呼び、強い息を伴います。
平音のpの方は語中などでbの発音になります。それに対して激音のpは常にpの発音です。
これを表記し分ける方法は2つ考えられます。
一つは、発音に違いのあるp・b・激音のpの3つに別のアルファベットを振る方法。
もう一つは、発音は違うが表記は一緒のpとbをまとめて、これと激音のpの2つで済ます方法。
ここでご質問のローマ字表記は文化観光部2000年式と呼ばれるものですが、この方式は後者を取りました。
前者の方法を取るローマ字表記も存在しますが、pとbの他に激音のpのためにもう一つの文字が必要になりますので「p'」や「pの右肩にh」、あるいは単に「ph」が用いられます。
余談ですが古代ギリシャ語なら有気音に別の文字がありますのでハングルの転写がうまく出来たりします。
p,b,p'はπ,β,φ
k,g,k'はκ,γ,χ
t,d,t'はτ,δ,θ
ちなみに、キムチは文化観光部2000年式ならGimchiで合っています。
KimchiとかKimcheeとかは文化観光部2000年式でない別の表記法ですね。
恥ずかしながら「文化観光部2000年式」というものを初めて知りました。これによって法則が改められたのですね。自分でもまた検索してみます。ありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
#7です。
少々分かりづらかったようで、ごめんなさい。> 以前から英語のRの音よりもLのほうがまだ少しら行の発音に近いと思っていたからです。これがイタリア語のRということなら納得できます
上手く噛み砕いて説明できないのですが、
子音というのは「k、s、t、n、h、m……」のような音のことです。
反対に、母音は「a、i、u、e、o」のような音です。
よって、日本語の「ラ行」に「R」を用いることと、イタリア語は
一切関係がありません(「R」は子音だからです)。
> ヘボン式ローマ字も、子音は英語を参考に、母音はイタリア語を参考に
これも、かなり端折った説明ですので、もう少しお話します。
そもそも日本語のローマ字表記は、宣教師伝来の頃から存在しています。
それは現在のローマ字表記(ヘボン式・訓令式)とは異なる物で、
スペインなどからやってきた宣教師が、布教のために日本語を学び、
自らの耳で聴き取った音を書き記した物です。
その当時から「ラ行」には「R」の音が当てはめられていたようです。
明治になり、最初に「訓令式」のローマ字が考え出されたそうです。
この時、「日本語話者に分かりやすい表記」を目指し、母音表記は
「イタリア語式」が最も適していると判断されたようです。
しかし、子音表記決定の経緯は私には分かりません。
ただ一つ言えるのは、例えば「タ行」の子音を全て「T」で表記するのは
日本人には分かりやすくとも、「ti」と書けば英語話者は「ティ」の
ように発音してしまう、という問題点があります。
そこで、英語話者に少しでも分かりやすいローマ字を、という視点で
アレンジされた物が「ヘボン式ローマ字」です。
(ちなみに「ヘボン式ローマ字」はヘボン氏が考案したわけではなく、
「ヘボン氏編纂の辞書に採用され、広まった方式」です。余談ですが)
以上は、私が講義や書物などで聞き及んだ知識です。
かなり省略しているため、専門家の方の目に留まればお叱りを
受けそうな内容で恐縮ですが……。
もし質問者様が更に深くローマ字化についてお知りになりたければ、
それに関する書物などもありますので、ご覧になると宜しいかと
存じます。
あららお恥ずかしい、sasa-rindoさんのNo.7のお答えを読み間違えていました。読み返してみて自分のミスに気付きました。
子音と母音がそれぞれどんな音かは解っています、一応日本語のネイティブですので・・・(^^;;
何度もありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
言語学を齧ったことのある者です。
韓国語もほんの少し学んでおります。> 因みにアルファベットで表記する場合は英語の音を基準にするものだと漠然と私自身は思っています
というのは大きな誤りです。ローマ字化(Romanize)というのは、
「ローマ字を使用していない言語をローマ字で表記する」
という意味であり、「英語で表記すること」では決してありません。
植民地時代の名残でフランス語やポルトガル語風に表記する国もあります。
日本のヘボン式ローマ字も、子音は英語を参考に、母音はイタリア語を参考にしています。
だから、英語話者でも文字を見ただけでは的確に発音できない
(その音が英語にない or 英語話者にとって発音しづらいというような場合でなくても、スペルが原因で誤って読まれる)
ケースが発生するのです。
また、ローマ字化された表記は(ロシア語などで特定の文字がないという場合を除いて)
常に一定ですから、英語に限らずフランス語やドイツ語など、
ローマ字を用いるあらゆる言語の人の目に留まるわけです。
説明がなければ、当然、様々な発音をされてしまいます。
(似たような事例はこちらを参考にして下さい → http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3032088.html)
つまり、日本語のローマ字表記も、韓国語のローマ字表記も、
それぞれの言語を知らない人に正しく発音させようと思う方が土台無理な話です。
ローマ字化は、どのように読まれるかはさておき、
「欧米人の共通文字であるローマ字で表記されていること」
自体に意義があり、質問者様のように英語のみを基準として考えた場合
> 耳が悪いんじゃないかと思うほどのズレを感じて
しまうのも仕方がありません。
専門的な話になり過ぎないように書いたつもりですが、如何でしょうか?
>日本のヘボン式ローマ字も、子音は英語を参考に、母音はイタリア語を参考にしています。
なるほど、と思いました。
と言うのも、ヘボン式ローマ字では日本語のら行に子音Rを当てています。
しかしながら、以前から英語のRの音よりもLのほうがまだ少しら行の発音に近いと思っていたからです。これがイタリア語のRということなら納得できます。
>「欧米人の共通文字であるローマ字で表記されていること」
逆に言えば日本で【McDonald's→マクドナルド】のように欧米の名詞を無理矢理近い音のカタカナにあてはめているようなものですね。
ご回答ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
No.3 です。
> これは日本語の名詞でも同じ(「髪質」→「巻き髪」など)だと思います。この「髪」を最初から「GAMI」としてしまったら、自国の人間でもわけがわからなくなってしまうのでは?
日本人だからそういう発想になるのですが、KAMI も (MAKI) GAMI も同じ文字になるハングルを使用している韓国人にはわけが分からなくなることはありません。
日本語の文字ではもともと「カ」と「ガ」の区別がありますから、髪単独では「カミ」巻き髪の場合は「ガミ」と表記できるので問題ありません。「プ」と「ブ」の区別がないハングルをアルファベット表記するときどうするかが問題なのです。従来は欧米人から見た発音に忠実にアルファベット表記していたのが、政府の定めた標準ではハングルの表記に忠実になるよう変更したため、欧米人には Pusan と聞こえる語が Busan と表記されるようになったということです。ちなみに私の韓国語辞書でもプサンの発音記号は「pusan」です。
なお平音の「プ」以外に濃音や激音もありますが、ここでは話が複雑になるだけなのでこれらには触れないことにします。
> それに「キムチ」なんかは「KIMCHI」あるいは「KIMCHEE」なんですよね。上記の例に則ればこれも「GIMCHI」が適当かと???
まったくそのとおりです。「GIMCHI」と表記します。
質問とは直接関係ありませんが人名の「柳」は「ユ」と発音しますが一部の柳さんは我々は本来の正確な発音を採用しようということで、「リュ」と発音し、ハングルでも「Ryu」と表記し、アルファベットでも「Ryu」を採用しています。タレントの「リュー シオン」さんなんかがそうです。こういう考えが広まれば「李」さんの状況もまた変わってくるかもしれません。
No.4
- 回答日時:
#2です。
>要するに子音に続く母音によって変わってくるという意味ですよね。
ん、、すいません、ちょっと意味が分かりません。。
韓国語の発音を勉強されたのでしたら、私の説明がまどろっこしくてすみません。
つまり、激音に相当するのをpやkで表記するようになりました。
そうなりますと、同じpで平音を表記するのはおかしいということで、bが用いられるようになりました。
日本人のヘボン式でpa行の発音をすると、激音に近くなります。
「文中で使うときの音を想定して」というのも半分、元来の音に近づけるという意味も半分です。
日本語のkとg、pとbほどはっきりとした音の区別が無いので、「巻き髪」の例のようにはならないのです。
つまり、結局は発音の種類が多いので、韓国人も表記に四苦八苦している、言い換えればこれ、という表記方法が決まらないので何でもありというわけです。
>結局は発音の種類が多いので、韓国人も表記に四苦八苦している、言い換えればこれ、という表記方法が決まらないので何でもありというわけです。
なるほど、そういうことですか。何度もありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
「LEE」について、以前韓国人から聞いた話ですが、
韓国語では語中のRは発音しますが、語頭のRは発音しません。たとえば料理は「ヨリ」と発音します。従って李氏は「イシ」と発音します。英語で表現すると、敬称が前について Mr.李のようになり、李が語中に来るため常に「リ」と発音されることになります。このため李のアルファベット表記は「LEE」にしているとのことです。信憑性は分かりませんがある程度説得力のある説だと思います。
「PUSAN」について、
ハングルの「BU」は語頭では日本語の「プ(PU)」に近い発音ですが、語中では日本語の「ブ(BU)」に近い発音になります。日本人や欧米人にとっては完全に異なる発音なのですが、韓国人にはそれらは同じ発音と認識していて同じ文字で表しています。このことを韓国人は「BU」は「プ(PU)」と「ブ(BU)」の中間の発音だといっていますが音声学的には二つの音を場所によって使い分けているだけです。
韓国政府がハングルのアルファベット表記を統一するとき、欧米人に聞こえる発音に合わせた表記にするか、ハングルの子音、母音を重視したアルファベット表記にするかの論争があり、最終的に、ハングルの子音、母音それぞれにアルファベットを割り当てる方式になりました。
従って韓国語のアルファベット表記を見て発音するとき、例えば「BU」は語頭にあれば「プ(PU)」、語中にあれば「ブ(BU)」と発音すれば、元の韓国語に近い発音になります。こういう韓国語の規則を知らないと発音できないわけですから、外国人にとってやさしくないアルファベット表記の規則ですね。
韓国語の発音は、ほんの少々ですが勉強したことがありますので、文頭と文中で発音が変わることは存じております。
う~ん、しかしだからといって文中で使うときの音を想定して表記を濁らせるというのは、率直に言っていかがなものかと思います。
これは日本語の名詞でも同じ(「髪質」→「巻き髪」など)だと思います。この「髪」を最初から「GAMI」としてしまったら、自国の人間でもわけがわからなくなってしまうのでは?
それに「キムチ」なんかは「KIMCHI」あるいは「KIMCHEE」なんですよね。上記の例に則ればこれも「GIMCHI」が適当かと???
いずれにせよ、私の疑問にお付き合いいただきましてありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
韓国語の発音は、種類が多いので、とても26文字(?)のアルファベットでは表しきれないため、ご質問のような疑問が生じるのだと思います。
「李」に関してですが、本来、この漢字の韓国語の発音は「リ」です。
「イ」となるのは、文頭に来た時だけの「例外」です。
ですので、本来の発音に忠実に表記したい人は「Lee」としますし、ただそれがかっこいいからとか、aaavvvさんおっしゃるように、単に慣習的に「Lee」とする場合もあります。
中には「Yi」「I」と表記する人も少数ながら見られます。本来の発音どおりに書こうという人です。
釜山の発音も微妙なんです。
韓国語は、日本語で言う「pa行に近い発音」と、「paとbaの中間に属するような音」「ほぼba行に近い音」とあり、プサンの「プ」は「paとbaの中間に属するような音」なのです。
そこで、「pa行に近い発音」のみを完全にローマ字でP表記するようになったため、これと区別するためにプサンの場合はBで表記するようになりました。
金浦も同じような理由からGが選択されました(日本語で言う「カ行」に近い発音にKを当てる。「キンポ」の「キ」はカ行とガ行の中間音)。
また、プサンやキンポの最初の「プ」や「キ」は、文中で発音されるとこんどは限りなくB音やG音に近くなるため、変更後のローマ字表記が妥当だとは思います。ただ、我々日本人が持っている発音の範囲内において見ると、違和感を感じるのは否めませんが。。
一方、韓国内でも「paとba(kiとgi)」の中間に属するような音」であるため、どちらで表記していいのかという混乱もあり、公的な機関でなければ、いまだにどちらの表記も見られます。
説明が若干分かりにくかったらすみませんが、こんな経緯です。
>韓国語は、日本語で言う「pa行に近い発音」と、「paとbaの中間に属するような音」「ほぼba行に近い音」とあり、プサンの「プ」は「paとbaの中間に属するような音」なのです。
そこで、「pa行に近い発音」のみを完全にローマ字でP表記するようになったため、これと区別するためにプサンの場合はBで表記するようになりました。
なるほど、要するに子音に続く母音によって変わってくるという意味ですよね。
確かに日本語の「ヨ」や「エ」に近い母音は何種類かあったと思いましたから、それによって区別されているというのなら理解できます。
ご回答ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
私も不思議に思ったことがありました。
地方の旧国立大学の大学院へ留学してきて卒業後講師として残った方がいます。彼の姓は李です、当然「イ」が正しいはずですが、彼は「リ」といわれても平然と返事をします、そこで聞いてみました本当はどちらなのかと。彼は答えて曰く、パスポートを作るとき自分で申請に使ったのが「Lee」だったのでと言うことでした。料理は「ヨリ」旅行は「ヨヘン」しかし北ではラリルレロが使われるそうですからあまり気にしないようにしましょう。それにゴルプ(ゴルフ)やコピー(コーヒー)もプレンド(ともだち)も日本人にはややこしいですね,FがPになるなんて。お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
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