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読んでも何を言っているのかわからない条文が並んでいる法律が数多くあります。それらに共通する特徴は、次のとおりです。
1. 括弧書きが多い
2. 条文の引用が多い
3. 文章が長い
4. 条文の一部の読み替え規定を羅列している
5. 通常の意味で用語を使用していない

例として、下記のサイトに掲載されている「地方自治法の一部を改正する法律」を挙げます。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata//miseko/S22HO067 …

国民主権の原理からして、こんな読みにくい法律を作成しても良いのでしょうか? どうして、こんな読みにくい法律が作成されるのでしょうか? 意図的に読みにくくしているのでしょうか、法案のチェック体制がおかしいのでしょうか? それとも、法学会に法律は読みにくく作成すべきだという常識があるのでしょうか?

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A 回答 (5件)

別に法学部出身でも法曹関係者でもない一素人の意見ですが,法律文の一般論としてはNo.2の回答のとおりだと思います。


「読みにくく作成すべきだ」なんて考えている人は(たぶん)いないと思いますが,厳密さのほうが読みやすさより優先されるということなのでしょう。
分かりやすさを追求しようとすると,条文の書き方というレベルを越えて,法律自体に解説を書き入れるようなことになりかねません。
それでもいい,とおっしゃるのかもしれませんが,それはやはり別の本(解説書など)の仕事だと思います。
また,昔に比べると最近の法律はかなり分かりやすくなっています。今後もこの流れは進むことでしょう。

わかりにくい法律の特徴としてあげられた「条文の引用」「読み替え規定」ですが,私は逆にそのほうが分かりやすくなる(場合もある)と思っています。
もし引用を避けるとしたら,他の法律に書かれている内容をその都度書かないといけませんが,かえってしつこく,くどく,分かりにくい文章になってしまうのではないでしょうか。
普通に文章を書く時も,「○○については何ページで詳しく書いたのでそちらを見てください」ってやりますよね。あれと同じことです。
さらに,読み替え規定なんですが,場合によっては「だいたい読み替えるが,ただしこれこれは例外」というようなことがあります。
このような場合,もし読み替え規定を置かないで全文きちんと書いていると,かえって「この部分は,あの法律と同じだな」と早とちりを招いて,一部例外の部分を見落とされる恐れがありますが,同じ部分は「読み替え」と表記することで,違う部分がはっきり見えてくるという効果があります。

ところで。
質問者さんが例としてあげられている「地方自治法の一部を改正する法律」ですが,ここにはまた別の問題があります。
それは,「法律を改正する法律」の難しさの問題です。

法律を改正するときのやりかたとして,俗に「積み上げ方式」と「溶け込み方式」があります。
前者の典型的な例は,アメリカ合衆国の憲法です。いちばん最初にできた7条のあとに,修正第1条,修正第2条…とどんどん追加していきます。
その結果,昔決めた内容が変わることがあっても,昔の条文そのものは残っています。
たとえば,修正18条(いわゆる禁酒法)は1933年に撤回されたのですが,この条文自体を削除するのではなく,修正18条そのものは残したうえで,「修正18条の規定は無効」とする修正21条を追加しています。

一方,日本は基本的に溶け込み方式です。
これはどういうものかというと,まず法律の一部を改正するときは「○○法(など)の一部を改正する法律」という名前の法律を作るのが通例です。
で,その法律には「古い法律のどこをどう直すか」だけが書かれています(ご質問のサイトにある「地方自治法の一部を改正する法律」を見れば一目瞭然です)。
この法律を実施に移すと,古い法律の条文そのものがパタパタと(…って音はしないでしょうが)書き換えられて,新しい法律が出来上がります。
その結果,「○○法(など)の一部を改正する法律」は古い法律に溶け込んで一体となってしまうので「溶け込み方式」といいます。

コンピュータのオンラインソフトをお使いなら,こういうたとえが分かりやすいでしょうか。
オンラインソフトのバージョンアップがあった時に,「古いバージョンをもっている人はこちらをダウンロードして下さい」というファイルがおいてあることがあります。
これは,新しいソフトを丸ごとダウンロードするとファイルの容量が大きく時間がかかるので,「旧バージョンを新バージョンに書き換えるソフト」(パッチ)を作って,旧バージョンの利用者はそちらをもっていくようにしているわけですね。
「一部改正法律」は,要するにこの「パッチをあてる」方式なのです。

したがって,「一部改正法律」に書かれた「第○条中『○○』を『××』に改める」という規定の羅列だけ見ていても何が何のことやらさっぱりわかりません。
オンラインソフトでいうと,旧バージョンをもっていない人がパッチだけダウンロードしても使えないように,「一部改正法律」を理解するには,手元に(六法全書でもなんでもよいから)従来の法律の条文が用意されていることが前提になります。
その上で,「一部改正法律」に従って,赤ペンで修正を加えていく感じで読んでいくわけです。

どちらがよいかということは,一概には言えません。
積み上げ方式のほうが分かりやすそうですが,法律の全体にわたってこまかな改正を行なうような場合は法律そのものがいたずらに長たらしく,複雑になってしまいます。
また,禁酒法の規定のように,法律に書いてあってもその規定が有効かどうかは最後まで読まないと分かりません。
(もっとも日本だって,法律に書いてあってもその内容に修正を加える特別法が別の法律として作られていたら,その法律だけ読んでいても分からないので,事情は一緒かも。まあどちらのケースでも,六法の編集者が注を入れるでしょうが。)
そういう意味では,溶け込み方式のほうが必要最小限ですむといえるでしょうが,一方で,「一部改正する法律」だけ見ていても理解し難いという問題があります。

市販の六法全書などに載っている条文は,「改正する法律」を施行し終わった(パッチをあてた)状態の最新版が載っており,「一部改正法律」そのものを目にすることはありませんが,法律が改正されて,翌年度版の六法が出るまで待てないというときは,官報に載った正式の「一部改正法律」を読まざるをえません。
そんなとき,官報に載る正式の条文は「溶け込み方式」でいいから,せめて改正前と改正後とでどこがどう変わったかを示す「新旧対照表」ぐらい載せてもらえないものだろうかと思います。
実際の国会の審議のときはかならず資料として作られていますし,個別の法律に関しては専門雑誌に載ることもありますが,全ての法律の対照表が載っているわけではありませんので…。
(長くなってスミマセン。)
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>1.まず、法律が難しいというより、社会が複雑なのだと思います。


確かにそうですね。無意味に難解なのではなく,法律が規定している内容自体の難しさを反映しているという部分はあるでしょうね。
逆に言うと,多くの人にとって身近なテーマに関する法律は,一読して分かりやすい。
たとえば刑法。もともとは文語体でしたが,個別の専門用語の難しさはあるものの,それさえ分かれば(法律学辞典か何かをひいて),文章自体は平易でした。
95年の改正で口語体になり,一段と分かりやすくなりました。
また,年齢のとなえ方に関する法律,元号法などのように,規定している内容がほんのわずかなもの。
あるいは,教育基本法のように,大まかなアウトラインのみ規定しているもの。
などは読みやすいように思われます。
もちろん,読みやすいからといって,法律の運用・解釈などの面でも人によって意見が分かれたりしないかというと,それはまた別問題ですね。
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1.まず、法律が難しいというより、社会が複雑なのだと思います。


 例えば、私は証券取引法を読んでもさっぱりわかりませんが、それは私が証券業務を知らないためです。質問者さんが地方自治法を改正する法律を読んでも、意味がわからないというのは、失礼ながら質問者さんが地方自治制度について詳しくないためではないでしょうか。
 およそ法律の規制する事項は、殆ど社会の全ての分野に及びます。そして、それぞれの分野にはそれぞれの専門家がおり、その専門分野をマスターするには、膨大な知識と長年の経験が必要です。それを、たかだか数百条の条文を読んで理解しようとするのは無理があります。
 実際、法律の条文に書かれている事は、実務家にとっても法律がないと分からない事に限られるのです。実務家にとっての当たり前の制度は、わざわざ法律には書かれていないということがしばしばあります。したがって、法律だけを読んでも制度を理解することはできないし、予定もされていないとも言えます。

2.ですから、一読して分からないからといって、法律を責めるものではありません。
 このように複雑な社会を規制する法律なのですから、小説を読むように簡単に理解できないからといって、ただちに法律に問題があるとは言えないでしょう。
 例えば、地方自治法は300条程度の法律ですから、読むだけなら数時間で読めます。しかし、ここには地方自治の基本制度が詰まっているのです。地方自治法をきちんと理解できたのなら、地方自治制度の基本は分かったことになるのですから、一条を理解するのに10分や20分かかったとしても不当ではないと思います。

3.それでは、国民主権はどのように実現されるのか。
 これは、専門家を利用するしかないでしょう。そのための専門家です。
 株式取引をするときは、証券会社の職員から説明を受け、客は基本的なことだけを指示し、あとの取引はお任せです。このように、法律に関しては国会議員の説明を聞き、投票し、あとは国会での議論にお任せするということです。また、重大な新法に関しては専門家が新聞や雑誌で解説していますので、その解説を通じて新法を理解できます。条文自体を理解する必要は必ずしもありません。
 
4.もっとも、条文を平易にする要求自体は正当だと思います。
 法律家にはわざと法律を難しくしようとする悪意はありません。しかし、それが逆に問題なのです。
 実は、法律家にとって、あの文体は非常に理解しやすく、あれ以外に文章は考えられないのです(私もその端くれです)。数学者が、一般人にちんぷんかんぷんの数式を「明解だ」と言っているのと同じ事です。
 ですから、ほっておくと、法律家は何の躊躇いもなくあんな法律を作りますから、法律の難解さに対する批判は必要かと思います。
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法律の条文は全て内閣法制局の審査を経ています。


この時、法律の表現をチェックするわけです。

ご質問の通り、複雑な表現の法律は少なからず存在します。
典型的な分野では、税法関係は特に複雑な規定が多いようです。

> 1. 括弧書きが多い
分かりやすくする方法の一つです。
昔は「ただし書き」と呼ばれる方法だけで表現していたので、非常に分かりにくかったのですが、最近は括弧書きによって少しはましになったようです。ですから、括弧書きのせいで読みにくいというのではないと思います。

> 2. 条文の引用が多い
法律は他の法律とも密接な関係をもちながら、その目的を達成する場合が多々あります。そのとき、根拠や事項が曖昧にならないようにする必要があります。そのときに最も適切と考えられている方法が引用です。大学などで論文を書くときに、参考文献を書くのと同じようなものです。

> 3. 文章が長い
一つの文で一つの事項。一条で一事項が基本です。
一つの事項を表すのに、やむを得ず長くなってしまったのでしょう。

> 4. 条文の一部の読み替え規定を羅列している
似ているが異なる事項に、他の規定(条文)を使用するとき、意味が曖昧にならないよう、読み替え規定を入れることがあります。この方が、改めて規定を入れるより、全体としてシンプルな構造になります。

> 5. 通常の意味で用語を使用していない
法学そのものが論理学に近いからという人もいますが、明治期に法学をドイツやフランスから取り入れた時に、訳語を定めました。ですから、特に今の日本語とは意味が異なる場合もあります。また、例えば「時」「とき」のように、記述方法で意味が変わる場合もあります。

昔に比べて法律の記載も平易になり、簡単になってきてはいるのですが、複雑な事象を文章にするという難しさがあるようです。
また、用語の一つ一つにはこれまでに積み上げられてきた学術的な経過があり、簡単にかえてしまうと整合性がとれなくなる場合や、表現に混乱をきたす場合があるようです。
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=> 国民主権の原理からして、こんな読みにくい法律を作成しても良いのでしょうか?



好ましくないと考える人達が協力して、難解な表現を改めようと私案を作っていますが、読みにくい法律を作っているのが「国民の代表」である国会議員たちですから、形式的には国民主権は侵されてはいないことになります。
陪審員制度が実現すれば、法令の定めも判決文も、もっとわかりやすくなるのではないでしょうか。

=> どうして、こんな読みにくい法律が作成されるのでしょうか?
=> 意図的に読みにくくしているのでしょうか、法案のチェック体制がおかしいのでしょうか?

「お上」意識の表れです。読んでも意味がわからなければ、異議を言いようもありません。

=> それとも、法学会に法律は読みにくく作成すべきだという常識があるのでしょうか?

法曹界の特権意識もあるでしょうし、「お上」意識もあるでしょう。彼らにとっては「常識」なのですよ、きっと。
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