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農学なのか、医学なのかカテゴリーを困ったのですが…。
反芻動物(牛・やぎなど)には「鼓張症」という、胃や腸にガスがたまって太鼓上にお腹が張る病気があります。理由を調べたところ「異常発酵」によるものだと書かれていました。
そこで質問なのですが、なぜ人間は鼓張症にならないのでしょうか?
人間は消化しているからかと、一瞬納得したのですが人間も腸で発酵させています。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、お教えください。

A 回答 (2件)

 獣医師です。

ただし臨床はほとんど経験がないので、感染症以外の病気については大学で習った程度のへっぽこな知識しか持っていないのですが(その知識も大部分忘却の彼方に消えてしまってますし)。

 牛はご存じのように胃が4つある反芻動物です。
 反芻動物以外の動物は、植物の線維(セルロースだっけ?)を栄養素として利用することはできません。
 では反芻動物はどうやって植物線維を栄養素にしているのかというと、第一胃の中に微生物(主に原虫)が大量にいて、彼らが線維を分解、吸収して生活しているわけです。その微生物が第四胃に流れていくと、普通の動物の胃と同じように消化され、栄養素として牛が利用できるようになるわけです。

 というわけで、要するに牛(反芻動物)の第一胃とは、巨大な「発酵タンク」なのです。巨大な、と書いたのは身体の大きさと比較して第一胃が非常に大きいからで、例えば牛の身体を横から見たとして、「腹」はほぼ全て第一胃が占めているといっても過言ではないでしょう。

 第一胃で植物線維は細かくすりつぶされ、それを微生物が分解していくわけですが、当然細かくすりつぶせばすりつぶすほど微生物の分解効率も上がるので、ある程度すりつぶされた線維をまた口に吐き戻してさらなる咀嚼を加えるのが「反芻」です。
 第一胃と第二胃はほぼ同じ働きをしていて、反芻を経て液体状になったものは食道から直接第三胃にショートカットして送られます。
 第三胃では襞(いわゆる"せんまい"です)でもって濾すように、微細な固形物を引っかけてさらにすりつぶし、完全に液体状になったものが第四胃に送られます。その第四胃が胃液を分泌する、私たち単胃動物が持っている「胃」と同じ働きをしています。

 というわけで、牛の胃のシステムは「植物線維を消化する」ためのシステムなわけです。つまり牛は草さえ食べていれば生きていける動物なのですが、家畜としての牛はそういうわけにもいかず、穀物主体の飼料を多給されています。
 何故かというと、乳牛ではもはや生物として"いびつ"と言えるほど乳を多量に分泌する動物に改良されてしまっています。
 自分の産む子供の体重がせいぜい40kg程度なのに、乳を1日に20kg以上、ピーク時では40kgとか60kgとか出すわけです。エネルギー効率の悪い「草」だけを食べていては身が持たないわけです。

 で、穀物飼料を多給しすぎると、第一胃内のPHがおかしくなってしまい、微生物が死んでしまい、そうなると「発酵タンク」が暴走して異常発酵する、というわけで鼓張症になってしまいわけです。
 これが家畜としての牛が鼓張症になりやすい理由です。

 他にも盲腸鼓張とかもあるのですが、まあ牛の鼓張症の大半は第一胃鼓張なので、省略しても良いかと(実のところはよく知らないだけだったりして・・)。
 こういう理由なので、ヒトが鼓張になりにくい理由もお判りかと思います。少なくとも"同じ理由"では鼓張になりようがないですから。

 大筋では間違ったことは書いていないつもりですが、臨床系の獣医さんが読むとツッコミを入れたくなるところもあるかもしれません。おられたらツッコミを入れていただければと思います。
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簡単に説明すると、草食動物の中でも反芻動物は


特に微生物を利用して食物を消化しています。
反芻と言うのは第一胃において食物を微生物で発酵状態にしたものを
口に戻しさらに細かくして改めて第二胃に送る事です。
それを繰り返しながら吸収しやすい状態にして第三胃、第四胃と
複数の胃を利用して栄養を吸収していくのです。

また、牛における鼓腸症と言うのは、腸と言う文字は
入っていますが厳密には第一胃における異常発酵のことで、
豆類などの食べすぎで起こりやすいです。

人間の消化には微生物よりも消化酵素が使われますので、
残念ながら牛のように繊維を分解してエネルギーとして
利用する事は出来ません。
つまり、異常発酵するほど微生物は活躍しないのです。
逆に牛の唾液は消化酵素は殆どありません。

強いて言えば反芻動物の鼓腸症に一番近い人間の病気は
胃拡張と言ったところでしょうか?
もちろん原因は全く違いますが・・・ご参考までに。
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