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こんにちは
電車の非常ブレーキというのは、最も短い距離で停止できるようブレーキをかけるものでしょうか?
この場合、車輪はロックするんでしょうか?
そもそも、電車の場合、ロックするのとしないのとどっちが短い距離で止まれるんでしょうか?
もしロックした方が短い距離で止まれたとしても、その場合、車輪も線路も金属ですので、偏磨耗するんじゃないでしょうか?
そうすると、1回の急ブレーキによって大変な交換費用が発生するので、
ロックしないようなブレーキしかかけない…なんてことはないのでしょうか?

A 回答 (6件)

こんばんは。

鉄道会社にて乗務員をしております。

>電車の非常ブレーキというのは、最も短い距離で停止できるようブレーキをかけるものでしょうか?
その車両の最も強いブレーキが掛かります。
国土交通省の省令で、その鉄道の最高速度で走行時に非常ブレーキを掛けた際、600m以内で停まれる性能で設定されています。

大体、減速度は4.0km/h/s程。
やたらブレーキ力を強くしてしまうと車輪がロックしてしまい線路の上を滑ってしまうのです。
滑ってしまうと鉄(車輪)と鉄(レール)の関係から、スケートをするが如く停止距離が伸びてしまうので、概ねこの位の数値が多いです。

電磁直通ブレーキの場合は、非常ブレーキを掛けると、掛け始めで電気ブレーキ→空気ブレーキが、
回生ブレーキ車の場合は、空気ブレーキのみとなります。



>この場合、車輪はロックするんでしょうか?
これはレールと車輪との摩擦抵抗と、粘着係数の値によって変わります。
高校の物理や数学レベルのハナシになってしまうのですが、

       1+0.0050V
μ(粘着係数)=――――― K(レール面の状態によって定まる定数)
       1+0.0050V  

・・・・・でして、このKの値で変わります。

概ね、
乾燥状態でK=0.25~0.30
湿っている時でK=0.18~0.20
・・・・になります。

レール踏面の条件によって変わると思っていただければと思います。


>そもそも、電車の場合、ロックするのとしないのとどっちが短い距離で止まれるんでしょうか?

これは、スケートを例えると分かりやすいのですが、ロックさせて滑らせるより、ロックさせないで停めた方が停まります。

実際に乗務していてもブレーキがロックし、滑走してしまうと思い描く位置より先まで行ってしまいます。


>その場合、車輪も線路も金属ですので、偏磨耗するんじゃないでしょうか?

偏磨耗する事もあります。
これをフラットと専門分野では言います。

カタカタ車輪から音がし、乗り心地が悪くなります。

検車で車輪の外周を削り、偏磨耗を直していますが、この費用が一回50万円以上は掛かるのと、時間も掛かる為、優先順位を定めての作業なのが現実です。



>ロックしないようなブレーキしかかけない…なんてことはないのでしょうか?

ベテランになると、
ブレーキロック→一回ブレーキを緩める→ロックを無くし再度制動
・・・・というテクニックを使ったりしますが、難易度は非常に高いものです。


以上、現業からの回答になります。
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この回答へのお礼

車輪を削るのに1回50万円もかかるんですか。大変ですね。
ありがとうございます。

お礼日時:2007/09/08 19:09

ANo.4のPAPです。


ANo.4の最初のQ&Aで誤解を招く表現をしてしまいましたので、補足します。

Q。最も短い距離で停止できるようブレーキをかけるものでしょうか?
A.の補足
非常ブレーキでは、その列車の装備しているブレーキでは最も短い距離で停止できるようなブレーキとなります。
しかし、単純に停止させることのみを目的としたブレーキであれば、現在装備されているものより短い距離で止まる性能のものも実現可能ですが、急停止による二次災害を防止するために、現在の制動性能のブレーキ装置が採用されています。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2007/09/08 19:09

Q。

最も短い距離で停止できるようブレーキをかけるものでしょうか?
A.それは違います。制動による急な減速によって車内の乗客が将棋倒しになることなどを防止するため、車内の乗客の安全も考慮した減速度としています。
物理的に現在よりも急に止まるブレーキとすることは可能です。

Q。車輪はロックするんでしょうか?
A.ロックする場合もあります。旧式な車両であったり線路が濡れているとロックしやすい傾向があります。最近の車両はロックしないように車輪の回転が止まったらブレーキを一旦ゆるめ、回転したらまたかけると言った、いわゆるアンチロックブレーキシステム(ABS)を装備していることが多いようです。

Q。ロックするのとしないのとどっちが短い距離で止まれるんでしょうか?
A.ロックしない方が短い距離で止まれます。摩擦によるブレーキでは、ブレーキパッドをブレーキシューで押さえ込むことによって、その摩擦力で減速します。車輪がロックした場合は、止まった車輪とレールの摩擦や車体の空気抵抗などで減速します。
車輪踏面をブレーキシューではさんで止めるタイプを考えましょう。ロックした時としない時、どちらの場合も車輪踏面が関係しますが、ブレーキシューは線路とは違う材質を用いています。簡単に言うと、回転する車輪踏面に対してレールよりブレーキシューで抑えた方が減速が早いと言うことです。止めるために作られたもので止めた方が効率がいいと言うことですね。
なお、ブレーキシューが車輪踏面を挟み込んで止めると言うことは、ブレーキシューが固定されていて車輪が回転しています。車輪がロックして滑走状態となった場合、車輪が固定されていてレールが流れていきます。両方とも相対的には移動しているものと固定しているものという関係になりますから、止まる原理は同じです。

Q。車輪も線路も金属ですので、偏磨耗するんじゃないでしょうか?
A.偏摩耗します。ただし、線路は長い距離に渡って削られるため、1個所が著しく摩耗することはありませんから、あまり影響はありません。車輪の方は、ロックした時に線路と接触している個所が摩耗しますので、こちらのほうは回転したときに異音を発するなどの現象が起こりますので、車輪踏面を削るなどの作業が必要になることもあります。
このような車輪踏面の傷は「フラット」と言われます。自動車(特にF1など)で急ブレーキのためにタイヤに同様な摩耗ができた場合は「フラットスポット」と言いますが、鉄道ではスポットを付けないで言うのが一般的です。
このフラットは、急ブレーキや雨などで濡れた線路でのブレーキなどで生じますが、鉄道会社として保守費用はもちろんのこと、騒音や乗り心地の悪化も招くため、フラット防止が現在も重要なテーマとなっています。「鉄道 車輪 フラット」などで検索すると、最近ではフラット防止を環境問題対策としても取り上げている鉄道事業者も多くなってきているようです。

なお、新幹線のような高速走行では、トップスピードから摩擦によるブレーキを使用すると、摩擦熱によってブレーキ部がかなりの高温になってしまいます。このため、高速からは回生ブレーキなどの電気ブレーキ、低速は摩擦ブレーキとしています。しかし、回生ブレーキは電力を使用する車両が十分にないと失効してきかなくなると言ったことなどもありますので、安全のため高速から摩擦ブレーキを使用しても止まれるようにはなっています。

また、一般的に鉄道の非常制動は、一旦入れると止まるまで解除できませんので、現在のようなセンサ技術が適用できなかった時代の車両は、ロックしやすかったと言うことになります。
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この回答へのお礼

『フラット』というんですね。ありがとうございます。

お礼日時:2007/09/08 19:07

在来型の電車(国鉄時代から使用している電車のような、直通ブレーキ装備車など)では、雨や雪でレールが濡れていたりすると非常ブレーキでなくても車輪がロック状態となることがあります。

そうすると車輪の踏面(トレッド面)には魚の鱗のような模様の傷ができ、1回転するたびにカタカタと大きな音を立てることになります。このような傷のできた車輪は交換せず、車輪の踏面を傷がなくなる深さまで削ります。よって、車輪に関しては、車輪ロック→即交換となる場合は少ないと思います。
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この回答へのお礼

適当に想像したんですが、ロックすると、実際に異音がするような傷ができるんですね。
交換ではなくて、加工して対処しているんですね。
ありがとうございます。

お礼日時:2007/09/02 20:25

車輪はロックしない方が強い制動力を得られます。


原理は、静止摩擦と動摩擦で調べると分かるかと思います。
最大静止摩擦力は動摩擦力より大きいということです。
これの身近な例として、重い家具を引きずるとき、家具が一度動き始めてしまえば後は小さい力でずっと引きずることが出来ます。
つまり、常に最大静止摩擦力に限りなく近い(且つ、それを超えない)力の制動力を働かせるのがベストということです。
最大静止摩擦力を超えた時点で車輪がロックし、制動力は激減します。
なので、ブレーキを適度に加減しつつ最適な力をブレーキパッドにかける仕組み(ABS)を導入しています。
このあたりは自動車も同様です。
これによって車輪がロックすることを防げますが、レールが濡れていたりして滑りやすいときは車輪がロックすることもあるのではないかと思います。

#1さんのおっしゃるように、新幹線はモーターによるブレーキ(回生ブレーキ)とディスクブレーキを併用しています。
スピードが弱まるときにモーターの稼働音が低くなっていく(回転数が落ちていく)音がしている間は回生ブレーキを使っています。
しばらくすると一旦ブレーキが解除されてそのままほぼニュートラル状態で駅まで滑っていき、最後にディスクブレーキが働いてキーッという音を立てながら止まります。
時速270kmの状態からディスクブレーキを使い続けるとブレーキパッドの摩耗が半端無く、それどころか途中でフェード現象やハイドロプレーニング現象が起こり、新幹線が止まらなくなる恐れがあります。
回生ブレーキは運動エネルギーを電気のエネルギーに変換するので、電車を止めながら発電することが出来るというものです。
新幹線以外の電車でも減速時にモーターの回転数が落ちていくような音がするので、回生ブレーキを使っているのではないかと思います。
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この回答へのお礼

静止摩擦/動摩擦というのがあり、静止摩擦力の最大値付近が一番ブレーキが利くんですね。
アメリカの映画なんかで、よく列車の車輪がロックしている(その方が劇的に見える)ので、
車輪とレールは鉄同士なので、なんとなくロックさせた方が利くのかと思いましたが
そんなことはないんですね。
ありがとうございます。

お礼日時:2007/09/01 22:08

現在は、ABSが付いています。

自動車と同じく、ロックしないほうが制動力があります。
ただし、ブレーキパッド(鉄)との摩擦で、車輪の磨耗は発生します。

昔はロックしたりしていました。心配されている磨耗の片寄りもありますが、車輪の設置部分は鋼鉄ですので、削れるのはレールのほうが大きいです(レールは軟鉄)。

ちなみに。
新幹線の場合、初期制動には、電磁ブレーキを使います(モーターの逆)。後半は、ディスクブレーキです。
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この回答へのお礼

材質が違うんですね。
ロックしても削れるのはレールの方なんですね。
ありがとうございます。

お礼日時:2007/09/01 22:01

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