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 民主主義には、
社会民主主義と自由民主主義があるようなのですが、
語感から何となくイメージは湧くものの、
違いを教えてくだされば幸いです。
よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

 基本的に(むしろほとんど)NO.4の方の回答の通りだと思います。

以下、もう二十年も昔の大学時代のうろ覚えの知識で補足を少々。

 民主政体(治者と被治者が同一である政治体制)に、二種あります。多数決により全てを決定できる絶対民主制と、多数決によっても奪うことの出来ない個人の権利や国家作用を認める自由民主制です。後者の、法律の限界を規定する規範を憲法と言うので、立憲民主制とも言います。
 なお、法律で奪うことの出来ない個人の権利を認める主義を自由主義と言います。
 形式的に「憲法」が存在しても、その改正手続きが法律と同じ(軟性憲法)ならば、絶対民主制ですね。必然的に立憲民主制の憲法は、改正手続きが法律より厳しくなります(硬性憲法)。共産圏は私有財産制を認めないので、絶対民主制になりやすいのでしたかね(うろ覚え)。日本は、基本的人権の保障・硬性憲法なので立憲民主制すなわち自由民主主義ですね。

 次に、自由を強調して「近代国家は、基本的人権たる自由権を侵してはならない」とすると、「競争に負けて死ぬ自由」というのも保障しなければなりませんね。このような近代国家の最も出発点的な国家間を自由国家観と言います。このときの国家モデルでは、国は徴税・防衛・警察だけしていれば良いと言うことになり(国家は出来るだけ手を出さないと言う意味で消極的国家観とも言います)、「小さな国家」でよいということになります。
 これに対し、自由国家観では競争に負けたものは死を待つのみであり、また競争も形式的平等になり(つまり既得権を持つ奴が有利なので実質的に不公平)、弱者に酷であるとともに、経済活動が却って沈滞してしまう不都合が生じました。
 そこで、自由競争原理にある程度制限を加える(実質的平等)と共に、敗者の生存を確保するため、自由権にある程度の制限を加えて国家が積極的に関与することを認める福祉国家観(積極的国家観)が生じました。社会民主主義とはこの福祉国家間を意味するものと思います。
 日本国憲法は基本的人権として自由権(内心の自由、表現の自由など)の他に、生存権(幸福で文化的な最低限度の生活の保障)を保障するので福祉国家観、つまり社会民主主義の国と言えます。
 もっとも、憲法25条をプログラム規定(つまり載せているだけ)との判例・実務ですので、極めて不完全だと思います。小泉政権では市場主義経済への指向が著しかったので、さらに自由国家観の強い政治体制になってしまいました。
 補足になってませんでしたか?やっぱり
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>民主主義には、


>社会民主主義と自由民主主義があるようなのですが、

定義次第であり、コリン・クラウチなどはそのようにも対比していたような記憶もあります。
しかし、私は、自由民主主義(liberal democracy)
というのは政治的な枠組みの事であり、
社会民主主義(social democracy)というのは政党のイデオロギーだから、
対比される概念だとは考えません。

政治的な枠組みが、政党の多元性を排除すれば民主主義ではなくなります。
democracyというのはism(主義)ではなくて政体(cracy)なのです。
自由民主主義の中に、社会民主主義政党や保守主義政党があります。
日本の自由民主党は、英語のliberal democracyとは関係ありません。

社会民主主義(social democracy)
 ドイツ:社会民主党 Sozialdemokratische Partei
 フランス:社会党 Parti Socialiste
 イギリス:労働党 Labour Party
というのはヨーロッパの二大政党の片方である中道左派政党の主張を指すことが多いです。
ただし、マルクス主義政党で社会民主主義を名乗っているものもあります。
シンガポールでは急進的な資本主義でも社会民主主義を名乗っています。
日本の社会民主党のスタンスもヨーロッパのものとは違います。
定義がくっきりと決まるものだとはみなさない方がよろしくないでしょうか。

ヨーロッパの社会民主主義政党は経済的には福祉国家路線を進めてきました。
基本的には、福祉を重視して経済格差の是正を求める政党です。
ただし、第二次世界大戦後の福祉国家の時代には社会民主主義政党だけではなく
保守主義やキリスト教民主主義政党も福祉国家路線を進めていました(コンセンサスの時代)。
ニュージーランド労働党のように社会民主主義政党が急進的な民営化を行った事例もありますし、
近年の社会民主主義政党は、イギリス・ドイツ・フランスを含め、
右派と同様かそれ以上に民営化を推し進めていることが少なくありません。

自由主義(liberalism)というのは、ジョン・グレイの言うように、
一様に定義はできないものとして私はみなしています。
ジョン・ロールズの言っている自由主義と、
ハイエクの言っている自由主義は、
経済的な考え方としては大きく異なります。
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社会民主主義については皆様の仰るとおりだと思うのですが、自由民主主義については???という印象です。

個人的な語感としては、社会民主主義と自由民主主義は対概念ではない気がします。

社会民主主義http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A% …は端的に言えば「大きな政府」。市場経済を前提としつつも、その矛盾を解消するために、民主主義の枠内で福祉政策をガンガン進めましょう、というカンジです。
対義語は、(あまり適切ではありませんが)「新自由主義」が該当するでしょうか。国家が市場経済に介入するとかえって非効率なので、なるべく「小さな政府」の方が望ましい、というカンジです。

自由民主主義(リベラルデモクラシー)は、「議会制民主主義」と「基本的人権の尊重」を兼ね備えた政治体制、といった意味だと私は理解しています(ポリアーキーhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA% …という言葉をご存知でしたら話が早いです)。この場合、社会民主主義と自由民主主義は次元が違う概念だということになります。
「じゃあ自由民主主義じゃない民主主義って何なのさ!?」と言われると答えに窮するのですが、たとえば、市民の直接参加を志向したり少数民族のアイデンティティを尊重したりする「ラディカルデモクラシー」http://absurdite.blog52.fc2.com/blog-entry-26.htmlや、イスラム教の範囲内での「イスラム民主主義」などがこれに該当するでしょうか(ごめんなさい、よくわかりません)。
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 ●政治面よりも経済面で大きな違いがある●


 「社会民主主義」を政治面から説明しようとすると難しいので、経済面から見てみましょう。資本主義経済・市場経済は「市場のメカニズムを十分に生かすシステム」と言えます。これに対し「市場経済では”市場の失敗が起こる”ので、政府が市場に大きく関与すべきだ」との主張が出てきます。市場のメカニズムを生かしつつも、暴走しないように政府が監視、関与する、ということになります。
 具体的には、戦後西ドイツでは、エアハルトの「社会的市場経済」が実施されました。市場のメカニズムを生かしつつも、戦後の経済を引っ張っていった石炭・鉄鋼は「欧州石炭鉄鋼共同体」(ECSC)という欧州6か国共同事業体による、民間事業体主体の経済とは違った制度を採用した。フォルクス・ワーゲン社はその株の20%を連邦政府が保有し、20%を地方政府が保有した。半官半民の会社であった。
 フランスでは、ジャン・モネが「フランスで市場経済は未だ早い。政府が経済を主導すべきだ」ということで、「混合経済」と呼ばれる経済システムを採用。これは主要産業を国営化する制度。1983年のフランスでの売上げ上位20社の内、13社が国営企業であった。
 イギリスでは、終戦後の労働党アトリー内閣は、完全雇用の達成と福祉国家を目指した。戦後の福祉国家を目標とするベヴァリッジ・プラン(Beveridge Plan)「1942年社会保障報告」(揺りかごから墓場まで)を採用。ソ連とは違う、複数政党による社会主義経済体制と言える。
 言論の自由、政党結社の自由、代議員制度、多数決原理など、プロレタリア独裁のソ連型社会主義とは違うけれど、経済システムは社会主義経済に近い。
 このように、政治制度は違わないのですが、経済システムは大きく違います。そして、現在でも「社会民主主義」を標榜する政党は国民の大きな支持を受けています。日本の社会民主党のような政策の政党が政権を取ったりしています。
 日本では社会民主党の影響力が小さいので、「社会民主主義」は理解し難いかも知れませんね。
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この回答へのお礼

 経済面では、社会民主主義は社会主義に近いのですね。
それに、フランスやイギリスの例もよくわかりました。
ありがとうございます。

お礼日時:2007/11/10 23:19

私の理解は以下のとおりです。



社会民主主義は、民衆(多数派)の平等に強く重きがおかれ、それを法律と議会で実施していく、というもの。
一方の自由民主主義は自由主義(資本家主義、お金主義、市民階級主義)と民主主義(多数派平等主義)の中間策として提唱あれたもので、多数決で議会(複数政党)は作るが、それで資本家(少数派)の自由が奪われないように法律を作り、多数派の専制を抑制し、「中間策」とする。

要は、両方とも民主主義なので多数決で議員を選出し、議会を作るが、その後、何に重きを置いて政治を進めるかに違いがあります。社会民主主義は「平等」に重きを、自由民主主義は「資本家の自由をある程度許す法律制定と実施」に重きをおきます。

詳細はWikipedia等に細かく掲載されていますのでご参照ください。
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あんまり明確な差はないと思いますが、



社会民主主義→国が経済活動に大きく係わる
自由民主主義→国はほったらかし。民間の自由にさせる。

くらいかなあ…
別に民主主義がそのふたつしかないわけでも、社会民主主義と自由民主主義が対立する考え方ってわけでもないとは思いますが。
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