昔の人の身長についての新聞記事を目にしました。
坂本竜馬は169センチらしいとか(当時の平均身長は165ぐらいだから長身の部類に入るらしいです)、淀君は165センチぐらいですらっとしていた、武田信玄は158センチ(?)で小柄らしいとかです。
確かなことはその記事が載っている新聞が今手元にありませんのでこれぐらいの数値だったと記憶しています。帰ってネット検索しましたが出てきませんでした。
これらの記事は竜馬については写真の着物のサイズから、淀君や信玄は肖像画の扇子や軍配の大きさと体の一部との比較からの推測でした。
当然新聞社側も肖像画は後世に描いたものかも知れないので、あくまで推定身長ですとの但し書きを入れていました。それにしても平均身長を出すのは難しいのではと思いますがどうなのでしょう。
質問ですが、
1・土葬の時代に骨が残っていて、そこからの測定などはされたことはないのでしょうか。ミイラなどからも推定できるとは思います。(実例が少ないから平均身長が出ないのか?)
何千年前の人類の祖先の骨があるのに、中世や近世の人の骨がないのかと素人考えしています。
2・中世に限っては鎧や具足からの推測、女性の着物からの推測は出来ないのでしょうか?新聞記事のように肖像画からの推測より確かだと思うのですがどうなのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
鎌倉などから中世の人骨は大量に見つかっていますし、江戸御府内の墓跡からも近世の人骨は大量に見つかっていますから学術論文のレベルではそうした計測値は公表されているはずです。
ただ、一般の人が「中世・近世の庶民の平均身長」に興味を持たれないのでニュースにはなりにくいということでしょう。
有名人だと身長に興味を持たれ、「プロフィールのサバ読み」なども報道されたりするくらいですからね。
そうなのですか。やはり学術論文のレベルでは発見され公表されているのですね。なぜこの時期にこのニュースなのか?です。
一つの懸念があります。「中世、近世」の有名人の墓をあばく(語呂が悪ければ発掘とします)ことに恐れがなかったのか、また子孫に遠慮があるかもしれないと考えたからです。有名人の場合ですが。
一般人に関してはおっしゃるような研究があってもおかしくはないですね。
中世の人物記には誇張された「大男」が活躍していますが、加藤清正も小柄だったと記事になっていたのを思い出しました。
平均身長が低ければ、現代人から見てたいしたことがなくても、誇張されたのかもしれませんね。
回答ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
1
男の身長はかなりのサンプルがあるので正しいようです。
※ 鎌倉あたりは、ちょっと穴を掘ると、骨が出て来るそうです。結構鎌倉時代にあそこで戦争があり、集団で埋葬されているので。
2
ある特定の人の身長等に関しては、墓地の改修などで実測されています。有名なところでは越後牧野家とか、伊達政宗ですね。
具足等に関しては、「伝」というのが多かったり、残っているモノが奉納品だったりするので、ちょっと不確かだと思います。
1・サンプルが多数あるのですか。結構有名な話なのですね。
関ヶ原なんかも多そうです。
2・伊達政宗の正確な身長も分かっているのですね。驚きです。墓地の改修で実測。やはり学術レベルですね。
2に関しては武具の大きさも本人かどうか分からないのですね。肖像画と大差ないとみていいでしょうか。確かに実際に使ったかどうか分かりませんものね。
回答ありがとうございました。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
人間の土葬された骨が出土することはあります。
それによって、推定身長が算定されて学術発表されることは珍しくありません。ただし、その情報はあくまで「推定**年頃の男性の身長の例」でしかありません。No2さんが言われるように、歴史に名を残す人の墓が改葬される際などに「身長の測定」「容貌の復元」などが行われることがあります。例えば、中尊寺金色堂の奥州藤原氏歴代当主のミイラが、昭和20年代に学術調査され、推定身長などが公表されました。
徳川将軍家 歴代当主の遺骨や、伊達政宗の遺骨などの調査状況については
http://www5f.biglobe.ne.jp/~simarisuko/hone.html
に、
「骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと」鈴木 尚/著、東京大学出版会、1985年出版
の内容が抜粋して紹介されています。もとの本を図書館で探して読んでみることをお勧めします。
2. No2さんが言われるように、現代に伝来する具足は「伝 ***着用」というものがほとんどで、その人が実際に着用したかを判断する材料としては心許ない、というものが多いと思われます。例えば、伊達政宗の平均身長は墓地改葬の際に学術調査されていますが、「伝 伊達政宗着用」の具足から推定される身長と一致したかどうかは聞いたことがありません。
有名な女性が着用したという着物ですが、「伝 ***着用 で伝来している」例自体を聞いたことがありません。それによる身長推定自体が不可能です。
そもそも着物というのは反物を軽く縫って着れる状態にしているだけです。江戸時代には貴人が着る絹織物は極めて貴重なものでしたから、誰かが亡くなれば「形見分け」として縁者に配分されます。
※ 現代でも「おばあちゃんが亡くなったので、着物を娘や嫁に分配する」ことはごく普通に行われています。絹のきちんとした着物は、「お棺に入れてお骨と一緒に燃やす」とか「遺品整理で捨てる」ことは「現代でも」ありません。
あまりに古くなって上流階級での着用に耐えられなくなれば、古着屋に払い下げられたり、座布団の生地にしたり、小さく切って「端切れ」として利用されたりしてこの世から消えてしまいます。
私の家もそれなりに古い家ですので、明治時代から伝わる着物がいくつかあります。代々の女性が仕立て直して着用していますので、最初に着ていた女性の身長など知りようがありません。
なお、質問者様が言われる
「これらの記事は竜馬については写真の着物のサイズから、淀君や信玄は肖像画の扇子や軍配の大きさと体の一部との比較からの推測でした。
当然新聞社側も肖像画は後世に描いたものかも知れないので、あくまで推定身長ですとの但し書きを入れていました。それにしても平均身長を出すのは難しいのではと思いますがどうなのでしょう」
は全く同感です。坂本竜馬の場合は「写真」からの推定ですから信憑性は結構あると思いますが、「肖像画からの推測」などタダのお遊びと考えるべきでしょう。
伝「備後山内家家臣某」の私の家にはハギレもありません(涙)
ミイラの頭蓋骨から身長を測定することは可能かと思っていましたが、「骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと」鈴木 尚/著、東京大学出版会、1985年出版 ではもっと具体的に身長、顔の特徴から正室、側室の特徴までことこまかに記載されているようですね。是非探して読んでみたいです。
戦国期の将軍に比べて「元禄太平記」的世代の将軍は貴族の特徴をしているようです。逆説的に戦国期の英雄や武勇を誇る武士の中にはもしかしたら「現代人を凌ぐ体躯の持主」がいたのかもしれませんね。これについてはbuchi-dog様はどうお考えなのでしょうか。
やはり肖像画は写真と違って後世に誰かが想像で描いたものが多いと思われます。ごもっともな指摘であります。平均身長をだすのは現代人なみのサンプルが必要であるのでこれはどうかなっと思っていました。
回答ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
遺骨からの身体データの復元はなされています。
考古学では日常的の問題です。
エジプトのミイラは保存状態も良いものが多く、かなり容易に測定出来るそうです。
但し特殊なケースですから平均値を出す等はされていないと思います。
中世、近世でも特定の場所、特定の人物については発見の都度測定される事がおおいのでは。
徳川将軍家の場合増上寺と思いますが、位牌の高さが身長に合わせてあるという話を聞いた事があります。
部分的な遺骨からでも身長を推定する事は可能で法医学で常用されています。
着衣や具足からの推定は誤差が多いとおもいます。
例えば加藤清正は異常に長い兜を用いたのは小柄であったからという異説がある位です。
>例えば加藤清正は異常に長い兜を用いたのは小柄であったからという異説がある位です
それをそのまま肖像画にして、そこからの推測で身長を割り出す方法は無理がありますね。加藤清正は人気の武将だったので大男のイメージがありましたが、フィクションですね。ちょっぴり残念かも。
位牌の話は興味深いです。誇張は無かったのでしょうか。
ミイラの例を挙げていただいています。日本の中世の骨からの研究も「考古学」になるのですか?即身成仏って堅そうですが頭蓋骨などからも測定できるのですね(部分的遺骨に入りますよね)。
回答ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
「戦国期の将軍に比べて「元禄太平記」的世代の将軍は貴族の特徴をしているようです。
逆説的に戦国期の英雄や武勇を誇る武士の中にはもしかしたら「現代人を凌ぐ体躯の持主」がいたのかもしれませんね。これについてはbuchi-dog様はどうお考えなのでしょうか」戦国時代の大名家の中には、相撲取りのような体格の武士に長柄の武器を持たせ、親衛隊としていた例があったようです。上杉謙信や朝倉義景が、そうした部隊を組織していたと言われます。
朝倉家の家臣の真柄十郎左衛門直隆という人は、具体的にどんな体格だったのかは分かりませんが、刀身長が約180センチの刀を駆使できたそうです。
真柄直隆
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E6%9F%84% …
この人が実際に使ったと伝わる、刀身約180センチの刀が、
大太刀 銘行光(石川県指定文化財) 石川県白山比咩神社蔵
http://www.city.nagahama.shiga.jp/section/rekiha …
として現存しています。同じようなものが、名古屋市の熱田神宮宝物館にも伝わり、やはり「伝 真柄直隆 所用」とのことです。
普通の日本刀(打刀)は2尺3寸(約70センチ)が定寸ですので、長さはその2.5倍です。「伝 真柄直隆 所用」の刀の重さはデータがありませんが、長さ2.5倍の3乗とすれば、「重量は定寸の刀の16倍」の計算になります。
定寸の日本刀は、鞘から抜いた状態(武器として使う状態)で約1キロのようです。下記に掲載されているのは、刀鍛冶が昔と同じ製法で打ったホンモノの日本刀です。
http://www.e-sword.jp/newlineup.htm
その16倍とすると16キロ!!!
新選組の近藤勇が宗家であった天然理心流という剣術流派があります。この流派は、とても実際に振れるとは思えないような、太くて長い木刀を稽古に用いるので有名です。
http://ameblo.jp/hogyoku/archive1-200612.html
に、土方歳三が用いたという木刀について書いてありますが、
「歳三さんのものは、長さ四尺(120cm)、柄の部分だけでも一尺二寸五分ある大迫力のもので「本当にこれ、振れたのかな!?」と思わせるほどの存在感。歳三さんの身長は、「五尺五寸余り」(167cmほど)でした。江戸後期の男子の平均身長が157cmほどだったことを考えると、かなり身長は高いほうだったのですが、それでも「この木刀を使っての稽古は厳しかっただろうし、鍛えられたろうな」と感じます。重量は平成十八年末現在の時点で、1.6kgです。」
だそうです。恐らく、土方が実際に使っていた頃の重量は2キロくらいだったのではないでしょうか。これでも、真柄直隆の刀身180センチの刀の推定重量16キロとは一桁違います。
16キロの刀を思うままに操ったという真柄直隆、現代の大相撲の横綱クラスの体格と体力の持ち主だったのではないでしょうか。真柄直隆が実在したのは確かで、現在に伝わる刀身180センチの刀を駆使したのも、疑う理由は特にありません。
※ 大相撲の力士というのは、とにかく常人の想像を絶した力を持っているそうです。訓練をすれば、16キロ・180センチの刀を思いのままに振ることも可能ではないかと想像します。
>真柄直隆、現代の大相撲の横綱クラスの体格と体力の持ち主だったのではないでしょうか
私としては嬉しい回答です。相撲、水練などは剣術以前の運動能力を上げる手段として侍の時代に普及しています。巨漢とまではいかなくてもかなりの筋肉質で体格の良い日本人がいたと思われます。
16キロといえば自転車の重さとほぼ同じです。しかも太刀ですので振り回すのには空気抵抗もあります。威力も大きいでしょうが、俊敏に扱えないと戦場で命取りとなりそうですね。まさに常人の想像を絶した力と言えます。
向坂(勾坂)六郎五郎が討ち取ったとのことですが、よく討ち取れたものだと感心しています。(講談では「本多平八郎忠勝」が一騎打ち。実際にやっていればどうなったのでしょう)
真柄直隆は齢50を過ぎていたらしいので早暁からの姉川合戦はきつかったでしょう。討ち取られたのはそのせいかもしれません。
前回答も含め日本人の体格についての詳しい状況が分かり感謝しています。
回答ありがとうございました。
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