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なぜ数学は科学に利用できるのですか?また、なぜ高校では、今教科書に書かれているような定義から出発して、僕たちは考え始めなければならないのですか?stomachmanさんなど強者の方々回答よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

数学における定理は話を分かり易くするための前提であり、高等数学や物理学の世界では、定理をひっくり返すような思考実験をすることもあります。

また、化学や物理学で数学を使う場合、単に等号(=)をはさんで左右で数字が同じであればよいわけではなく、等号の左右は単位系が一致していなければ、数学の応用として意味がありません。

ニュートン力学と相対性理論では、相対性理論のほうがすすんだ理論で、物事をより正確に記載することが出来ます。ニュートン力学では日常生活レベルでの物理現象を説明することは出来るのですが、それを超えた重力をまじえたマクロ現象を説明するには、力不足なのです。例えば、相対性理論を利用すると、ニュートン力学では出来なかった水星の軌道の計算が
出来るようになります(太陽の重力で空間が歪んでいる効果を計上しないと、もっとも太陽に近い惑星の軌道は計算が合わないのです)。相対性理論は既に実用の段階に入っており、GPSも原子炉も、相対性理論の示すとおりに動いています。理論と現実が一致しているわけです。

昨今の物理学では、数学的モデルや理論を先に作り、はたしてそれが示すような現象が現実に見つかるのかを実験・検証するというパターンでの研究が進んでいます。例えば、我々の住む4次元世界(縦・横・奥・時間)を含む多次元世界の存在は、ずいぶん昔から提唱されていますが、あくまで数式上の理論であり、証明されたことはありません。重力はこの世で見つかっている4つの力のうち最も弱いので、重力子(重力を力ではなく粒子としてとらえたもの)はかなりの部分が4次元世界を飛び出して5次元の世界に失われていると考える人もいるわけですが、こういうものは典型的に、「数学的理論が先で、検証は後」というパターンで研究が進んでいます。本当に5次元世界への重力子の移動が確認されれば、物理学の世界は大騒ぎになるでしょう。

また、相対性理論でよく、光より速く動ける物体は無いという言い方をされますが、より正確に言えば、質量を持った物体を加速し光速を超えさせるには、無限大のエネルギーの投入が必要であるということになります。これを逆手にとって、「では正の数ではなく、虚数で表される質量を持った物質があったとしたら、どうなるだろうか」という思考実験をする人がいます。この物質はタキオンと呼ばれ、常に超高速で動き回り、これを止めるには無限大のエネルギーの投入が必要ということになります。無論、この物質も見つかっていません。

いずれにせよ、どんな新しい理論ができても、世界の真実の姿に、より一歩近づいただけであり、真の世界の構造を解き明かしたわけではないことは、注意が必要です。現行の数学や化学の方法論では、近似値に近づくことは出来ても、結論にたどり着くことは出来ないのです。結論にたどり着くには、それこそ、11次元方程式で表現される超ひも理論といった、常人の処理能力を超えた数学力が必要となります。それでも、結論にたどり着けるのかは不明ですが。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。>昨今の物理学では、数学的モデルや理論を先に作り、はたしてそれが示すような現象が現実に見つかるのかを実験・検証するというパターンでの研究が進んでいます。          というのがとても参考になりました。 

お礼日時:2007/12/30 19:25

物理現象、化学現象の背後に数学的現象があるからです。

物理などは、高校の定義よりも、大学で使う、微積分を使った定義の方が分かりやすいかもしれません。高校の定義は文部科学省の意見だと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。                    物理や化学の手助けとなっている数学(の定義)は、現実世界の規則と一致している、と理解しました。                    

お礼日時:2007/12/30 19:04

指名は反則じゃないのかなー、ってのはさておき。



> なぜ数学は科学に利用できるのですか?

 こりゃテツガクの問いですね。
 数学の扱う対象は「何かある性質を持つもの」というだけシロモノで、現実とは直接関係がない。一方、科学の扱う対象は現実の現象。で、現象が持つ様々な性質のうちに、数学で知られている「何かある性質」(「性質A」としましょう)がたまたまある場合、性質Aだけに着目[抽象]して(他は無視[捨象]して)考えることにすれば、(性質Aに関してだけなら)数学が応用できる。と、そういう仕組みだと思います。
 なので身近な科学(あるいは工学、医学)の問題でも、数学が大活躍します。例えばある仮説を確かめるために沢山実験をやって判断をしようとする場合、対象が「ランダム」という性質を持っていさえすれば統計学が応用できる。
 ただし、問題の現象が性質Aを本当に厳密に満たしているかどうかとなると、これは証明できません。単に経験から、あるいは論理的辻褄から「性質Aが成り立つに違いない」と言うだけのことなんですから、本当はどうなのかは分からない。なので何度も何度も検証し、実験方法を工夫して測定精度を上げて行くことが必要で、その結果「厳密には性質Aを満たしてなかった」と分かることもしばしばあります。

 一方で、「物理現象は背後にある(未知の)数学の現れである」という信念が物理学を発展させたのであり、実際に非常に成功した(だから、この信念がますます強くなっている)ということも事実です。

 ご参考になりそうな問答を幾つかご紹介しましょう。
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=36477
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa133062.html
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2438487.html
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa43691.html

> なぜ高校では、今教科書に書かれているような定義から出発して、僕たちは考え始めなければならないのですか?

 本当にそう思ってはいないから、この問いが出て来たんでしょうね。もちろん、「なければならない」なんて縛りはありません。
 ただし、科学にしろ、数学にしろ、「教科書に書かれているような」概念は
(1)先人の知恵の結晶なんですから、学ばずにそれらを越えられる見込みはまずない、
(2)多くの人の間で通用するけれども、我流だとそうは行かないんでコミュニケーションが成り立たず、このため実務に役立たないことが多い、
ということは注意すべきかと思います。

 科学については、沢山の経験の結果としてそれらの概念があって、現象を予測し説明することに成功したという実績を挙げて来ている。もちろん限界もある。ですから、これらを否定し乗り越えようとするのなら、「これらがどんな現象でなら旨く行って、どんな限界があるか」を学ぶのが最も早道でしょう。
 数学は、要するに言葉(抽象的概念)の集積だけで出来ている体系ですんで、どこかで学ぶのをやめたらその先を(すっとばして)学ぶことはできない、というだけの話。

この回答への補足

1月13日に回答を締め切らさせていただきます。回答してくださった方々、ありがとうございました。

補足日時:2008/01/06 19:05
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この回答へのお礼

反則っぽい指名をしておきながらお礼が遅れてしまって本当に申し訳ありませんでした。1~13行目は、僕も似たようなことを考えていたけど、自信がなかったのでこれで自信がつきました。感謝します。14~20行目は面白くて参考になりました。4つ目のURLのstomachmanさんの回答が特によかったです。21行目以降は、今している勉強の必要性が納得できてよかったです。回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/01/06 19:04

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