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ワイヤーグリット型偏光子の原理について理解できない部分があります。波長より小さい金属細線間をなぜ光が通過できるのでしょうか。
また、ワイヤグリット型偏光子は数十ミクロンの波長領域で使用されますが、このような波長は、数百nmぐらいの間隔の金属細線間でも光は透過するのでしょうか。

A 回答 (2件)

かなり遅くなりましたが…




細線が光の進行方向に対して厚みを持つと、
表面の電子は入射する光と同じ振動数で振動しますが、
奥の電子になるほどエネルギーが伝わる際に熱などの損失が発生し、
振幅も振動数も小さくなっていくような気がします。

シミュレーションなど定量的な評価ではありませんが、
定性的には上のようなイメージになると私は思います。

したがって、厚みが増すほど透過光の強度が弱くなり、
分厚すぎると透過しなくなると考えます。
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光(電磁波)の電場成分と磁場成分は進行方向と垂直に振動しています。


その一般の状態は楕円偏光ですが、ここでは簡単のために直線偏光、
すなわち電場成分と磁場成分の振動方向が一定である場合を考えます。

電場成分と磁場成分の振動方向をそれぞれ x 軸、y 軸、
光の進行方向を z 軸と仮定します。

ワイヤーグリッド型偏光子のワイヤーを x 軸に向ける場合、
ワイヤー内の自由電子は光の電場成分と比例した振幅をもち、
同じ振動数で振動します。
この振動する自由電子が空間に2次散乱波を放出する電気双極子として振る舞い、
散乱波の干渉したものが透過光となるわけです。

それではワイヤーグリッド型偏光子を回転させて、
ワイヤーを徐々に y 軸方向へ傾けてみましょう。

ワイヤー内の自由電子の振幅が小さくなることが想像できますか?
電場成分をワイヤー方向に正射影すると
(幾何的には電場ベクトルの先からワイヤーに垂線を引くと)
ワイヤー内の自由電子に働く電場成分が
元の光の電場成分より小さくなっているはずです。

したがって2次散乱波も弱くなり、それが干渉したことによる
透過光も弱くなります。

ワイヤーグリッド型偏光子のワイヤーが完全に y 軸に向いた場合、
ワイヤー内の自由電子に働く電場成分が無いため、光は透過できません。

より詳しい説明は「光の鉛筆」という本にありますので、
よろしければ参照してください。


またワイヤグリット型偏光子は大きく2種類あって
ワイヤー間隔を保つために基板の材料が有るもの、無いものがあります。

基材が有るものであればワイヤー間隔が数百 nm でもありますが、
基材の透過特性が偏光子に影響します。
基材が無いものはワイヤー間隔が数十 μm でなければ
まだまだ製作が難しいようです。

参考 URL の PDF にもあるように、
ワイヤグリット型偏光子(基材無し)の透過特性は、
光の波長がワイヤー間隔に近づくとワイヤー直径も
影響します。

したがって、ワイヤー間隔より十分大きな波長の光で、
ワイヤー方向と偏光方向が完全に一致すれば、
数百 nm 程度の間隔でもほぼ100%で透過できると思います。
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この回答へのお礼

大変レスが遅くなりまして申し訳ございません。
ありがとうございました。
参考文献も探してみます。

もう一つ教えてほしいのですが、細線が光の進行方向に対して厚みを持っていても、この原理から言うと光が透過すると言うことで良いのでしょうか。

お礼日時:2008/01/12 21:47

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