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気相-液相界面にステアリン酸の単分子膜を作る実験をしたのですが、下相水にCaCl2とNaHCO3含む水溶液を用いました。NaHCO3はpHを一定に保つためとの事ですが、CaCl2を入れる理由が分かりません。調べたところ単分子膜の実験ではCa2+等は除いた方がよいと書いてありました。
また、下相水のpHが単分子膜に及ぼす影響も教えていただけると助かります。

A 回答 (2件)

ステアリン酸を含む溶液を水面に滴下して単分子膜を作る実験では、水にCa2+等の多価金属イオンを入れておくと、実験が容易になります。



おそらく、ステアリン酸の極限面積(分子断面積)を求める実験をしたのではないかと思うのですけど、このとき水に微量のCa2+が含まれていると、滴下した溶液が水面上を広がるか、レンズ状の油滴にとどまるかの境目が観察し易くなります。
 このことは、CaCl2を入れないで同じ実験をして比較してみると、すぐに分かると思います。

> 単分子膜の実験ではCa2+等は除いた方がよい

これは表面圧を測定するときのことですね。ステアリン酸の表面圧は水相のpHや金属イオンの濃度に大きく影響されますので、純粋な水の上の表面圧を測定するためには、Ca2+等を水から除く必要があります。
 もちろん極限面積もpHや金属イオンの影響で少しは変わるのですけど、そんな微妙な変化よりも、実験のやり易さや再現性を重視してCaCl2を添加しているのでしょう。

なお、単分子膜とLB膜は、似ているけど別のもの、です。

参考文献
[1]鮫島実三郎著「物理化学実験法」の表面圧に関する節
[2]千原秀昭編「物理化学実験法」の表面圧に関する章
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この回答へのお礼

大変参考になりました。
Ca2+を除いた方がよいのはやはり表面圧の測定の際のようです。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2008/01/17 15:59

>調べたところ単分子膜の実験ではCa2+等は除いた方がよいと書いてありました。


この原典を教えて頂けますか?良く理解できません。ラングミュア=ブロジェット膜と関係ないみたいな器がするのですが。
確かにステアリン酸カルシウムは石鹸の「カス(不溶分)」の成分なのでそれがあるのかとは思いますが。
>下相水のpHが単分子膜に及ぼす影響…
pHが大きければ、単純にステアリン酸を解離させて「両親媒性」の向上に寄与すると思います。
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