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大学数学の「双曲幾何」(深谷賢治著;岩波書店)の中にあるのですが、一次分数変換と、ポアンカレ計量の関係に関わってくる問題の一つで、
「♭={z∈(複素数)|Im(z)>0};(上半平面:虚数部分が正の複素数全体)としたとき、
♭の点を、♭の点に写す一次分数変換は、実数a,b,c,dを用いて、
Φ(z)=(az+b)/(cz+d),(ad-bc=1とする)で表される。」
という補題の証明がどうやって、証明していいか・・かんがえてみたのですが、わかりません。
できることなら、詳しく教えて頂きたいです。
どーぞよろしくお願いいたしましす。

A 回答 (1件)

例えば (4z + 2) / (6z + 4) は、約分して


(2z + 1) / (3z + 2)とすることができます。
すなわち、(az + b) / (cz + d)で表される分数式の中には、
約分して同じとみなされるものが存在します。
そこで、重複のないように、同じ分数のグループを代表した
「標準的な書きかた」を決めておくと便利です。

ここで、(pz + q) / (rz + s)
(p,q,r,sは実数、ps - qr ≠ 0) の形で
表される全ての分数式は、
(az + b) / (cz + d)
(a,b,c,d は ad - bc = ±1を満たす実数)
という形に書き直すことができることを理解しましょう。

以下に例を挙げます。
(ア) (3z + 1) / (z + 1)
このままだとps - qr = 3×1 - 1×1 = 2です。
そこで、分母分子を√(ps - qr) = √2で約してやります。
[(3/√2)z + (1/√2)] / [(1/√2)z + (1/√2)]
この形でad - bcを計算してやると
ad - bc = (3/√2)×(1/√2) - (1/√2)×(1/√2) = 1
となって、うまく調整されます。
(イ) (z + 3) / (z + 1)
今度は ps - qr = - 2となり、√(ps - qr)を
実数値として作ることができません。
そこで、√|ps - qr| = √2で約してやると、
[(1/√2)z + (3/√2)] / [(1/√2)z + (1/√2)]
となり、この形では
ad - bc = (1/√2)×(1/√2) - (3/√2)×(1/√2) = - 1
となって、符号こそマイナスになってしまいましたが
大きさは1にすることができました。

上の二つの例を見れば、
ps - qr > 0 のときは ad - bc = 1 の形に、
ps - qr < 0 のときは ad - bc = -1 の形に
標準化することができると分かります。

したがって、ご質問の証明では
『……という一次分数変換は、
Φ(z) = (pz + q) / (rz + s)
(ps - qr > 0)で表される』
ということが示せればOKです。

z = x + y・i(x, yは実数)とおくと、
(pz + q) / (rz + s)
= [p(x + y・i) + q] / [r(x + y・i) + s]
= [(px + q) + py・i] / [(rx + s) + ry・i]
分母分子に[(rx + s) - ry・i]を掛けて分母を実数にすると
(分子) = [(px + q) + py・i][(rx + s) - ry・i]
=……(途中省略)
= (実部) + (ps - qr)y・i
となります。ちなみに分母は必ず正になります。
♭上の点が♭上に移されるためには、
「すべての実数x, y(y > 0)に対して、
虚部(ps - qr)y > 0となる」
ことが必要十分で、これはすなわち
ps - qr > 0ということに他ならないですね。

以上が証明の流れですが、自分でやってみて
不明な点が出てくれば補足をどうぞ。
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この回答へのお礼

本当に詳しく教えていだだき、ありがとうございます。...A(=´、`=)ゞ
これをもとに、もう一度自分で考えてみたいと思います。(≧∇≦)~~*

お礼日時:2002/10/13 00:35

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